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Thursday, February 27, 2020

ちょうどいい美しさ〜BMW 2シリーズ グランクーペ海外試乗記 - GQ JAPAN

ちょうどいい美しさ〜BMW 2シリーズ グランクーペ海外試乗記 - GQ JAPAN

現行3シリーズよりも快適か

いい歳をした男には、往々にして、SUVよりセダンが似合うのではないか? それも、昨今多くなってきた4ドア クーペのパーソナルな雰囲気こそ、おとなの男にぴったりではないか!

かっこうのモデルが、さきごろ登場した。BMWの「2シリーズ グランクーペ」である。全長4526mmのボディは、2005年に発表された先々代「3シリーズ(E90)」の4525mmとほぼ同寸。「いまの3シリーズは大きすぎるなぁ」と、感じているひとにもよい。

【主要諸元(220dグランクーペ欧州仕様)】全長×全幅×全高:4526mm×1800mm×1420mm、ホイールベース2670mm、車両重量1505kg、乗車定員5名、エンジン1995cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ(190ps/4000rpm、400Nm/1750〜2500rpm)、トランスミッション8AT、駆動方式FWD、タイヤサイズ225/45R17、価格-。

© Tom Kirkpatrick

“グランクーペ”とは、BMWが開拓したボディ形状。前席重視の、ちょっとキャビンが小さいクーペライクな4ドアないしは5ドア モデル。2012年登場の「6シリーズ グランクーペ」、2014年登場の「4シリ−ズ グランクーペ」、そして2019年登場の6シリーズグランクーペの後継の「8シリーズ グランクーペ」などがある。

2シリーズ グランクーペの国際試乗会は、2020年2月、ポルトガルのリスボンでおこなわれた。現地は日本と異なり春。気温は20℃近くあり、黄色い小さな花が草地に咲く。

試乗コースは、リスボンから高速道路に乗り、近郊の山岳路を経て海沿いの道を走るもの。

2シリーズグランクーペは、2019年に販売開始された新型「1シリーズ」と基本プラットフォームを共用する。試乗車は、全輪駆動のトップグレード「M235i xDriveグランクーペ」と、ディーゼル エンジンを搭載する「220dグランクーペ」の2台。

試乗した2台の2シリーズ グランクーペは、どちらもすばらしい出来だった。一足とびに結論を書いてしまうと、最近乗って”すばらしい!” と、感心した新型1シリーズを上まわっているのでは? と、感じたほど。

はじめに試乗したM235i xDriveは225 kW (306ps) の最高出力を持つ1998cc直列4気筒ガソリンターボ エンジンを搭載、トルセン式センターデフを備え、トルクはフロント100から、最大でリアとフロント50対50まで可変配分する。

パワフルなクルマだ。ドライブモードはベーシックな「コンフォート」でも十分速いが、「スポーツ」に切り替えると、飛び出すような加速感を味わえる。エンジンはよくまわり、最高出力に達する5000rpmを超えたあたりのパワー感はじつに気持がいい。かなりスポーティな設定である。

いっぽう、乗り心地は意外かもしれないが良い。サスペンション システムはよく動き、路面のショックをしっかり吸収する。BMWの現行「3シリーズ」より快適、と感じたほどだ。

太いグリップのステアリング ホイールを握り、パドル シフトの操作によって、任意でシフトアップあるいはシフトダウンをしながら走ると、まさにスポーツカーだ。

乗り込んでしまえば快適そのもの

もう1台の試乗車、220dは、1995ccの直列4気筒ディーゼルターボ エンジンを搭載し、前輪を駆動する。140kW(190ps)の最高出力と、400Nmもの最大トルクを発生する。

M235i xDriveとはべつの魅力をそなえたモデルだ。こちらはひとことで言えば、あたりがやわらかい。“力はあるが、ソフト”という印象である。最大トルクは1750rpmから発生するので、アクセルペダルを軽く踏み込んだだけで、ぐいぐい加速する。

足まわりはあたりがやわらかく、気持がいい。BMWのシャシーエンジニアに話を訊いたところ、「快適性がなによりの眼目で、バンプラバーなどの設定を見直し、1シリーズよりも乗り心地をよくしました」と、述べた。

高速道路でのハイスピード クルーズは、エンジン音や風切り音、ロードノイズがよく抑えられているのに感心した。コストがしっかりかかっている印象である。

後席も前席でのよい印象と変わらない。乗り心地はよく、静粛性も高いので、まるで7シリーズのようだった……とは、言い過ぎかもしれないが、居心地は本当に良かった。

とはいえ、後席に乗りこむときは、ルーフラインがやや下がっているので、腰をかがめる必要がある。でも乗りこんでしまえば、ホイールベースは2670mmもあるから、充分に余裕を感じる。

最近のBMWのセダンは、足まわりが硬くて、スポーティになりすぎているのでは? と、思っていたけれど、2シリーズ グランクーペには、かつての3シリーズ、とくにE36(1990年発表の3代目3シリーズ)あたりが持っていた、しなやかな乗り味を有していたのが嬉しかった。懐かしさから、思わず笑顔になってしまうドライブフィールだ。

2シリーズグラン クーペは、2020年3月中に日本に導入される。導入モデルはM235i xDriveグランクーペ(665万円)と、1498cc直列3気筒ガソリンターボ エンジン搭載の「218iグランクーペ」(369万円〜)。今回試乗した220dグランクーペの導入は先になるようだ。

文・小川フミオ

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2020-02-27 12:00:00Z
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