過去1週間で拾いきれなかったけど気になったニュースをダイジェスト形式でお届けします。今週は「セガール『沈黙のICO』」「8周年でRaspberry Pi 4 2GBが値下げ」「NASAが少惑星探査にSpaceX Falcon Heavy使用」などなど、5つの話題をまとめました。ちょっとあいた時間にでもお読みいただければ幸いです。
NASA、少惑星探査ミッションにSpaceXのFalcon Heavy使用へ
NASAが、金属小惑星プシケ(Psyche)を探査するミッションでSpaceXと契約を結びました。この1億1700万ドルの契約により、NASAの探査機は2022年7月、Falcon Heavyロケットで小惑星帯を目指して離陸します。
小惑星プシケは原始的な惑星が形成されるさなかに他の天体と衝突し、鉄やニッケルで形成される核(コア)の部分を残してすべて吹き飛ばされたと考えられています。これを調べることで地球のような惑星、そして太陽系の形成の初期がどのようなものだったかを知ることができるとされます。
このミッションはアリゾナ州立大学が率い、探査機は2026年1月にこの小惑星を周回する軌道に到着する予定です。
Apple、物議の顔認識スタートアップClearview AIアプリを禁止
米Appleが、SNSやその他ウェブサイトから無断収集した写真を用いて顔認識AIを構築販売したClearview AIのiOSアプリに対し使用不能とする措置を講じました。このアプリはApp Storeを通じずにiOSデバイスに導入できる企業証明書プログラムのルールに違反しているとのこと。
Appleは企業が試作アプリや自社内だけで使用するiOSアプリに関しては、企業証明書を利用することでApp Storeを通さずともiPhoneなどに直接アプリを配布できる仕組みを用意しています。Cleatviewはこの企業証明書プログラムを利用して、不正に社外の人々にアプリを配布していたとされます。
ここでどこかで聞いた話だな...と思った方はなかなかの記憶力の持ち主かもしれません。昨年の1月には、FacebookやGoogleがこのしくみを規定外に利用したとして企業証明書の取り消し処分を受けています。このときはアップルが企業証明書を無効化することでFacebookやGoogleが本来の目的のために自社内で使用していたアプリも巻き添えになっていました。
TechCrunchによると、Clearview AIのiOS用顔認識アプリはAmazon S3サーバーを通じて共有されていたとのこと。一方、GizmodoはAndroid版の当該アプリをやはりAmazon S3のトラフィックから発見しています。実際にはアプリを発見して入手できたとしても、Clearviewにアカウントを持つ人しかアプリを使用できませんが、無関係の人間が発見できる場所にこのようなアプリをおいているセキュリティ意識は(顧客リストをまるっと盗まれたこともあり)気になるところです。
ちなみに、Clearview AIのHoan Ton-That CEOは、TechCrunchに対し「我々はAppleと連絡を取り合い、契約条件の遵守に取り組んでいる」と述べています。いまそれを言うのなら、AIを鍛えるために30億枚の写真を集める段階で、各サイトのポリシーや利用規約も遵守してほしかったものです。
仮想通貨ICOに加担も、報酬額開示に「沈黙」のスティーブン・セガール
親日家で知られる米俳優のスティーブン・セガール氏は、2017年に暗号資産Bitcoiin2Gen(B2G)のICO(新規コイン公開)の不正なプロモーションに関わったとして米証券取引委員会(SEC)から起訴されています。
セガール氏は、購入するだけで利益が出るなどとSNSフォロワーに呼びかけ、さらに「ゼン(禅)マスターであるスティーブン・セガールはBitcoiin2Genのブランド・アンバサダーに就任した」とのプレスリリースまで発行するなど大々的な宣伝を行っていたとのこと。
SECはかねてより著名人によるトークンの宣伝はそれが証券とみなされる場合に違法となる可能性が高いと指摘しており、宣伝の対価となる報酬やその範囲、額などを開示しなければならないとしています。またB2Gには早くから未登録証券の販売やマルチ商法などの違法行為だとの指摘もあり、結局B2Gは証券として登録することもなく、2018年3月にイグジット宣言してプロジェクトを放棄してしまいました。
SECはセガール氏に報酬額を開示するよう求めていたものの、セガール側はこれに対し"沈黙"。そして、連邦証券法の宣伝禁止条項への違反となる不正行為について肯定も否定もしないまま、不当に得た利益と罰金それぞれ15万7000ドル、合計31万4000ドルの支払いに応じました。
ただ、31万4000ドル(約3400万円)は大金に違いありませんが、セガール氏が受け取った金額は推測では宣伝費用が25万ドル、そしてB2Gトークンで75万ドル相当にのぼるとも言われています。セガール氏は老後の蓄えについて今後も口を開くことはないかもしれません。
8年目のRaspberry Pi、バースデー記念で2GBモデルが35ドルに値下げ
英Raspberry Pi財団が、これまで45ドルで販売していたRaspberry Pi 4 Model B のRAM 2GB版を45ドルから35ドルに値下げすると発表しました。この2月29日でRaspberry Piが8周年の"誕生日"を迎えるのを記念してのこと。この価格改定により、日本国内でも税込5500円だった同モデルの販売価格は税込4620円に改められています。
これまでに3000万台以上を販売してきたRaspberry Piは性能でも成長を遂げ、2019年に発売された現行モデルは初代の40倍の処理速度、8倍のメモリー、10倍のI/O帯域、グラフィックス解像度は4倍の性能を手にしています。そしてそれを、35ドルという8年前と同じ価格で入手できるのも素晴らしいことと言えるでしょう。
インフレ率を考慮すれば2012年の35ドルは現在の40ドル相当になります。厳密に言えば今回の値下げは大バーゲンセールと言えなくもありません。なお、この値下げは高級的なものとされますが、1GB版の価格は変わらず35ドルとのこと。それならなおのこと2GB版を買わない手はありません。
2019年のスマートフォン市場、ほぼiPhoneとGalaxyが制圧
折り曲げ可能なディスプレイを搭載するスマートフォンの登場はあったものの、いまのスマートフォン市場がアップルとサムスンの2大巨頭によって牽引されていることを否定する人はほとんどいないでしょう。テクノロジーや通信・メディア専門の国際的調査会社Counterpoint Technology Market Researchは、2019年に世界で販売されたスマートフォン10傑の内、じつに9機種がアップルとサムスンによって作られたと報告しています。唯一、5位に食い込んだのはOppoのA5でした。
iPhone XRは携帯電話全体の3%を販売しトップ。一方、Galaxy A50は全体の1.8%となりAndroidスマートフォンの首位に立っています。
iPhoneが北米でトップ5を独占し、欧州でもワンツーフィニッシュを飾ったのは特に驚くことではありません。しかし、対するサムスンはそれ以外の地域で強さを見せ、欧州、ラテンアメリカ、中東アフリカ、さらにアジア太平洋地域の多くでトップ5の製品を占めていました。
両者が唯一その力を誇示できなかったのは、お察しの通り中国。米中貿易摩擦の影響もあるとはいえ、この国ではOppo、Vivo、Huaweiがトップ集団を形成し他を寄せ付けませんでした。
なお、Counterpointの集計では、おそらく日本はアジア太平洋地域の国の一つとして集計されていると思われます。しかし、日本国内でのスマートフォン販売シェアは他の国とは大きく異なる特徴をもっています。たとえばIDCが発表している2019年第3四半期のスマートフォン出荷台数シェアではアップルが全体の45.7%を占めており、ついでシャープが13.3%で2位。その後も国内勢が健闘しており、サムスンは8.4%の5番手まで後退します。また中国勢はサムスンのさらに後方に沈んでいます。このあたりはメーカー別の集計ということもあるものの、国内スマートフォンメーカーの頑張りを評価し、応援したいと考えるユーザーがまだまだ多いのかもしれません。
2020-03-01 13:10:16Z
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