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Friday, September 4, 2020

さて、どうやって酔おうか?──日本初の完全ノンアルコール・バー誕生! - GQ JAPAN

店の看板カクテル「0(ゼロ)になる」。オブジェのような容器からグラスに注ぐ。ヴェチバーの大地を思わせる香りが特徴的。

いいバーの条件とはなんだろう。付かず離れずの接客、気の利いたチャームや、バーテンダーとの会話も大事な要素だし、ほの暗い照明も欠かせない。ファミレスではできない話も、バーならきっとできる。ひとり客は心の渇きを潤し、2人客は距離を一気に縮めるだろう。

六本木の交差点から外苑東通りを南に少し歩くと、右手に現れる大きなガラスドアの入り口。今年7月にオープンした「0% NON-ALCOHOL EXPERIENCE」は、ノンアルコールカクテルのみを提供するユニークなバーだ。

店名はノンアルコールを意味すると同時に、心をリセットするという思いが込められているのだろうか。

気鋭のグラフィックデザイナーYOSHIROTTENが手掛けた近未来を思わせる内装は、この店がどこか違う宇宙からやってきたように見せている。挑戦的なデザインと、洗練されたカクテル、スタイリッシュなグラスに感じるほどよい緊張感。これこそがこのバーの真髄だ。

「日本初の完全ノンアルコール・バー」をうたい、朝10時にオープンする。カフェのように利用する女性客も多いというが、つっかけやサンダルではすこし気後れする感じもまたいい。提供するフードはすべてヴィーガン仕様で、ASMRサウンドを聴きながら楽しむドリンクや、リラックス効果のあるCBDオイルも用意され客を飽きさせない。

 「アイスランドバブル」。煙の入ったバブルドームがはじけると……

ローズマリーの香りのスモークが広がり、酸味あるブドウベースのカクテルに香りを添える。

注目したいのは、有料でスマホを預かってくれるサービスだ。愛機を手放すと最初にやってくる手元の寂しさ、不安、やがて訪れる自由な時間。¥500で手軽にデジタルデトックスが体験できる。

バーカウンターの背後にある大きなミラーオブジェに映るのは、すこし歪んだ六本木の街だ。角度をかえるたび、陽炎のようにゆらめいて見える。間接照明のオレンジは、まぶたを閉じたときに見る太陽の色と同じで、強いリラックス効果があるとか。

カクテル片手に窓外に目をやると、ガラス越しに行き交う人はまるでネオンテトラのようで、パトカーの真っ赤なライトはグラスにハイライトを与える。六本木の喧騒もまた背景のひとつである。

舌から胃の腑に流れ落ちるカクテルの、複雑なレシピに思いを馳せる。バーのカウンターで自分とゆっくり向き合う時間は瞑想に近いのかもしれない。グラスを口にするたび、頭の中がどんどんクリアになっていくのを感じる。

ラストオーダーを静かに飲み干し、会計を終えると、私はしっかりとした足取りで家路を急いだ。ああ、楽しかった。翌朝、目覚めと同時に飲む水はきっとうまいことだろう。ノンアルコール・バーの強烈な世界観で、私はしたたかに酔ったようだ。\

「0%  NON-ALCOHOL EXPERIENCE」
東京都港区六本木5-2-4 ANB Tokyo 1F
営業時間:10:00〜22:00

Photos 中庭愉生 Yu Nakaniwa
Words キンマサタカ Masataka Kin

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September 05, 2020 at 07:43AM
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