定番ベンチマークと気になるゲーミング性能をチェック
2020年09月03日 13時00分更新
ライトアップパーツをふんだんに使ったサイコムの「G-Master Luminous Z490 RGB」は、その見た目が注目されがちだが、もちろんパソコンとしての性能もしっかりしている。ゲーミングパソコンだけあって、ゲーミング性能が高いインテルのCore iシリーズと、NVIDIAのGeForce RTX 20シリーズを採用しているのが特長だ。
標準構成では8コア/16スレッドのCore i7-10700K、GeForce RTX 2070 SUPERを搭載し、フルHD(1920×1080ドット)はもちろんのこと、WQHD(2560×1440ドット)、そして4K(3840×2160ドット)でも、高画質設定のままゲームが楽しめるだけのポテンシャルがある。
前回はライトアップ部分を中心に見てきたので、今回この性能面を中心にチェックしていこう。なお、試用したモデルは、標準構成からメモリーを32GBへ、そしてビデオをGeForce RTX 2080 Tiへと変更したモデルとなる。
CPU | Core i7-10700K(3.8GHz~最大5.1GHz)、8コア/16スレッド |
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CPUクーラー | CoolerMaster ML120L RGB |
グラフィックス | GeForce RTX 2070 SUPER(試用機はGeForce RTX 2080 Ti) |
メモリー | 16GB(試用機は32GB) |
ストレージ | 512GB SSD(M.2接続/PCIe) |
マザーボード | ASUS ROG SITRIX Z490-F GAMING |
ケース | InWin 303 RGB [強化ガラスサイドパネル] + Polaris RGB 12cmファン×3 + Silverstone LS02 RGBストリップ サイコムオリジナル仕様 |
発光電源延長ケーブル | Lian Li Strimer 24PIN / 8PIN |
電源 | SilverStone SST-ST75F-GS V3(750W/80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ゲームの前に、まずは定番ベンチでCPU性能チェックから
Core i7-10700Kは、最新の第10世代となる8コア/16スレッドのCPU。ベース動作クロック3.8GHzというのは、最上位モデルのCore i9-10900Kの3.7GHzよりも高く、コア数の多さよりもコアあたりの性能が重視されるゲーム用途においては有利になる。
ただし、ターボブースト時の最大クロックは5.1GHz止まりで、Core i9-10900Kの5.3GHzにまで届いていない。とはいえ、ターボブーストで最大となるのは短時間、もしくはかなりの好条件時だけとなるため、そこそこの負荷が長時間続くゲームにおいては、性能差が出ることは少ないだろう。
また、AMDのRyzen登場からコア数が重視されるようになってきたが、動画編集ソフトなどはともかく、ゲームにおいては4~8スレッド程度の負荷になるのが通常だ。もちろんコア数が多いほどCPUに余裕ができ、ゲームへの影響なしにプレイ動画の録画、配信ができるといったメリットがあるが、それでも8コア/16スレッドもあれば十分だろう。
これらの点を考慮すると、ゲームPC用のCPUとして、Core i7-10700Kはかなり優秀だといえるだろう。
さて、前置きはこのくらいにして、実際にどのくらいのポテンシャルがあるのか、定番の「CINEBENCH R20」を使ってチェックしてみよう。このベンチマークソフトはCGレンダリング速度からCPUの性能を割り出し、スコアーとして表示してくれるもの。マルチスレッドでの性能が発揮しやすくなるため、CPU本来の性能を比べるのに向いているものとなる。
スコアだけを見せられても性能がわかる人は少ないと思うので、過去データからいくつか比較を引っ張り出してみよう。
まずは第9世代のCore i7-9700K。このスコアは、シングルは499ptsとほぼ変わっていないが、マルチは3753ptsと大きく違う。第10世代のCore i7は8コア/16スレッドだが、第9世代は8コア/8スレッドなので、ハイパースレッディングに対応しているぶん性能が大幅にアップしている。
もうひとつは、ライバルとなるAMDのRyzen 7 3800XT。このCPUは8コア16スレッドという点はCorei7-10700Kと同じだが、ベースクロックが3.9GHz。また、最大クロックは4.7GHzとなっている。
結果はマルチが5087pts、シングルが537ptsとなっており、Core i7-10700Kをどちらも上回るものになっていた。シンプルなCPU性能ではAMDに差を付けられてしまっているが、多コア化で後れを取っているインテルのCPUとしては意外と食らいついているという印象だ。
グラフィック性能は定番ベンチで
解像度を変えて性能の変化をチェック
続いて本命ともいえるグラフィック性能を見ていこう。
使用したのは、定番のベンチマークソフトとなる「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」。比較的重たいテストとなるのだが、今回試用しているG-Master Luminous Z490 RGBの構成はゲーミングパソコンとしてもハイスペック。そこで、解像度をフルHD、WQHD、4Kと変えていったときに、どのくらいスコアが変化するかをチェックしてみた。
なお、解像度以外の設定は、画質は「高品質」、画面は「フルスクリーン」にしている。結果を見てみよう。
負荷の高いベンチマークテストとなるものの、4Kでも「快適」という評価となっていた。わずかなフレームレートの差が命取りとなるようなFPSのようなゲームでなければ、4Kでも高画質で問題なく遊べるだけの性能がある。
もう1つ、実ゲームでも性能を見てみよう。試したのはオープンワールドのアクションアドベンチャーFPS「Far Cry New Dawn」。解像度をフルHD、WQHD、4Kと変え、その時のフレームレートの変化を見てみよう。なお、画質は「最高」にしている。
結果は非常に良好で、4Kでも最小FPSが快適動作の目安となる60フレーム以上となっており、重さを気にすることなく遊べるレベルだ。
最大フレームレートを見ると、さすがに4Kでは100を切ってしまっている。144Hzなど、高 リフレッシュレートのゲーミングディスプレーを使うのであれば、WQHD以下の環境を選ぶのがよさそうだ。
スペックに加え見た目にもこだわりたい人に
単純に性能だけを求めるなら、G-Master Luminous Z490 RGBよりもコスパに優れたBTOパソコンは数多くあるが、見た目のデザイン、そして自分でカスタマイズして楽しめるライトアップ機能があるというのは、パソコンそのものに興味がある人にとって重要なポイントだ。
ライトアップ部分ばかり注目してしまいがちだが、ケース内が広々としているため、パーツ換装・増設による将来のアップグレード性にも優れていることも見逃せない部分だ。このほか、水冷クーラーの標準採用、多数のケースファンによる冷却性重視といった構成は、パーツ本来の性能を引き出してくれる重要な部分。ライトアップ部分を無視しても、ゲーミングパソコンとして魅力的な1台となっている。
ちょっと普通のマシンとは一味違うパソコンがほしい、快適なゲーミングパソコンがほしいと考えているなら、頼もしい選択肢となってくれるだろう。
2020-09-03 04:00:00Z
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