Pages

Thursday, October 29, 2020

世界初の携帯型電卓がオークションへ - ギズモード・ジャパン

世界初の携帯型電卓がオークションへ - ギズモード・ジャパン

シックなルックス。シンプルなファンクション。

複雑な計算をパパっとできる携帯型電卓も、発明された当初は基本的な四則計算のみのとてもシンプルなデバイスでした。1960年代半ばにテキサス・インスツルメンツ社が開発した、世界初の携帯型電卓のプロトタイプオークションに出品されます。今ではそう滅多にない、アプリではなく物理的な電卓を購入したくなる機会となりそうです。

電卓は30年前でさえ、小型化されて腕時計に搭載されるほど著しい発展を遂げていましたが、1965年となると話は別でした。その当時革命的だった世界初のトランジスタラジオの開発にテキサス・インスツルメンツ社のトランジスタ技術が使われた後、同社のパット・ハガティー会長は自社のもう1つのイノベーションである集積回路の有用性を示す新製品を考案したかったのです。

同社のエンジニアたちが、独特なキーパッドと端末のディスプレイとしての役目を果たす感熱式プリンターが備わった、世界初の電池で駆動する携帯用電卓を設計して組み立てるまでに2年かかりました。既存のテクノロジーはテキサス・インスツルメンツ社が望んだデバイスのサイズに押し込めるほど小さくはなかったため、すべてをゼロから作り出さなくてはならなかったからです。プロトタイプを大量生産できるような製品にするまでにさらに4年かかって、1971年にCanonが 同社の設計をベースにしたPocketronic(ポケトロニク)を発売するに至りました。この製品は重さ2.5ポンドで価格は最終的には150ドル、現在の貨幣価値にすると900ドル弱(約9万円超)でした。

数百万個が生産・発売されたのでビンテージのCanon製Pocketronicを探すのは不可能ではありません。しかし、今回出品される電卓はコードネームがCal-Techだった、テキサス・インスツルメンツ社オリジナルのプロトタイプ。現在、存在を確認されているのは2個だけで、片方は国立アメリカ歴史博物館に展示されています。

このプロトタイプが、今年は11月5日にロサンゼルスで開催される、Bonhams(ボナムス)の年に一度の『科学とテクノロジーの歴史オークション』に初めて出品されることになったのです。その珍しさと、現代の電子機器を可能にするうえでテキサス・インスツルメンツ社の当時の功績がいかに重要だったかという観点から3万から5万ドル(約314万〜523万円)で売れると予想されています。子どもの頃に着けていたようなデジタルウォッチの方がこのプロトタイプよりも高性能でしたが、そもそもデジタルウォッチが存在しているのも、このCal-Techを実現するために注がれた労力と開発されたテクノロジーがあったからなのです。

Source: NewAtlas, Bonhams, National Museum of American History

Let's block ads! (Why?)



2020-10-30 02:00:00Z
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiTGh0dHBzOi8vd3d3Lmdpem1vZG8uanAvMjAyMC8xMC93b3JsZHMtZmlyc3QtaGFuZGhlbGQtY2FsY3VsYXRvci1hdWN0aW9uLmh0bWzSAVBodHRwczovL3d3dy5naXptb2RvLmpwL2FtcC8yMDIwLzEwL3dvcmxkcy1maXJzdC1oYW5kaGVsZC1jYWxjdWxhdG9yLWF1Y3Rpb24uaHRtbA?oc=5

No comments:

Post a Comment