市場が開いている間は、リアルタイムで値段が付いていく株価。どのように株価は付いているのか知っていますか？
株式注文はどのように出す？
株式注文は基本的に「指値注文」と「成行（なりゆき）注文」があります。指値注文は買いなら○円以下でしか買わない注文、売りなら○円以上でないと売らないという注文になります。成行注文は、今の株価付近で買いたい売りたいという注文で、成り行きに任せてすぐに売買成立させたいときに出します。
株式売買の仕組み
株式の売買が成立するのに優先順位が以下のように決められています。
①価格優先
価格が相手側に有利な方が優先されて売買が成立します。
例えば、100円の指値で買いたいという注文を出すAさんと102円と少し高い値段で買うBさんの注文の方が優先して売買が成立します。さらに、成行でどの価格で買ってもいいというCさんはさらに優先されます。
＜買い注文の場合の優先順位＞
1.成行注文
2.高い指値
3.低い指値
②時間優先
同じ価格でも早く出した人の方の注文の方が優先されます。ただ、早く出しておいても①の価格が買い注文で低い値段で出していたら、成行注文や高い価格の人の注文に負けます。
（参考）売買のルール | 日本取引所グループ (jpx.co.jp)
株式を売買で儲けるために、買い手は「できるだけ安く買いたい」売り手は「できるだけ高く売りたい」という考えに基づき、その競争が拮抗しちょうど需給が一致したところで株価が付くのです。
需給が拮抗しなかったときは？
まれに買い注文または売り注文のどちらか一方が多すぎて、需給が一致しなくなることがあります。その場合どちらか一方にどんどん値上がり値下がりするのですが、日本株ではストップ高とストップ安という一日あたりの制限値幅が決められています。
例えば、あるA銘柄が予想を大幅に超える営業利益の情報修正があったとき、A銘柄を買いたい人は大幅に増え、さらに値段が高くなっても買いたいと考えるわけです。逆に、A銘柄を保有している売り手になり得る人は、値段が上がりそうだから想定される値上がりまで株価にいかないと売り手は売らないわけです。そうすると、買い手が大幅に多く、指値も高くて良いとなり、「買い気配」となります。買い気配のままだと株価は付いていない状態になります。その後売り手も出てくれば株価が付きますが、さらに買い手が多く買い気配がその日の株価上限まで達すると株価が付かずに終わることもあります。その場合、翌営業日にさらに上限が上がり、そのときにやっと株価がつきます（さらに付かずに翌営業日になることもあり）。
逆に、悪い情報等が出て売り気配となることもあります。
このように、需給が拮抗せずに売買が成立しないで立会が終わることもあります。
最近では、新しく上場するIPO銘柄などでよく見られます。
売買システム「arrowhead」
株券がある頃は、直接株券を受け渡ししていましたが、現在では株券が完全に電子化され、証券会社を通してシステムで取引が行われています。
そのため、株価の情報は、個人でも証券会社や報道機関を通してリアルタイムに見ることができます。
現在の現物株式は富士通が技術提供する「arrowhead（アロウヘッド）」の売買システムとなっています。注文、約定、注文いたなどの取引情報はサーバ上で処理されています。
このシステムは、注文を出してから約0.2ミリ秒、情報配信に約0.5ミリ秒で処理され、株価は上述の仕組みで瞬時に成立、表示されています。
一方で、2020年10月1日にシステム障害が発生し、その日一日取引を行うことができませんでした。原因として、arrowheadのメモリが故障し、故障時に代替の共有ディスク装置に切替えが行われるべきところが切替えが行われなかったことによるものです。このように、まれにシステム障害により株価が成立しない事態が起こることもあるのです。
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フリーライターとしてマネージャンルの記事を得意とする。おおほりFP事務所代表、CFP認定者、第Ⅰ種証券外務員。
からの記事と詳細 ( 株価はどうやって決まる？投資を始める前に知っておきたい株式売買の仕組み - @DIME )
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