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Monday, February 1, 2021

【インタビュー】『銀魂 THE FINAL』特集 第6回/『銀魂』が今の自分を作った。偏愛まみれのライター座談会 - ライブドアニュース - livedoor

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「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)での連載開始から17年、テレビアニメ放送開始から15年――。

日本を飛び越え、全世界で愛される人気コンテンツ『銀魂』(原作:空知英秋)。天人(あまんと)と呼ばれる宇宙人に支配された江戸を舞台にした奇想天外な設定、主人公の侍・坂田銀時を中心とした個性的なキャラクター、抱腹絶倒のやりすぎギャグ、決めるときは決める熱いドラマなど、その魅力を挙げればキリがない。

そんなアニメ『銀魂』シリーズのラストを締めくくる映画『銀魂 THE FINAL』が、全国の劇場で絶賛公開中。ライブドアニュースでは公開を記念し、主要キャストやスタッフに複数回にわたるインタビューを実施。怒涛の大特集をお届けする。

今回は、ちょっと趣向を変えて『銀魂』を愛するライター陣と、ライブドアニュースの編集部員による座談会をお送りする。

『銀魂』が今の自分を作ったと豪語する者、推しキャラを一途に追い続ける者、想いがあふれすぎて「ありがとうきびウンコォォォ!!」と叫び出す者……はいないが、4人の『銀魂』ラバーズによる、偏愛まみれの「部屋とYシャツと私とあなたと『銀魂』トーク」を、楽しんでいただければ幸いだ。

「『銀魂 THE FINAL』」特集一覧

SYO/33歳/男性
猫とソイラテと「週刊少年ジャンプ」を愛する映画ライター。最近の口癖は「勘違いすんなよ。僕にとっては町でアンケート取らされた位のハプニングさ」。
Twitter(@SyoCinema)
阿部裕華/28歳/女性
エンタメを愛し、エンタメをつくり上げる全ての人を尊敬するインタビューライター。最近の悩みは推しを目にした途端、語彙力が著しく低下すること。
Twitter(@zukizucchini)
吉野庫之介/29歳/男性
アニメ・声優領域専門のインタビューライター。属性はメガネ。最近ハマっているYouTubeは「杉田智和/AGRSチャンネル」。
Twitter(@kuranosuke330)
編集部 小松/42歳/男性
ライブドアニュースで修行中の編集・ライター。マンガ・アニメが大好き。気合いの入ったアツい勝負は大好物です。

エンタメ業界に来るきっかけは『銀魂』だった

まずは、みなさんの『銀魂』との出会いを教えてください。
小松 僕は2008年くらいから、『銀魂』のアニメを観始めました。作品自体も面白かったのですが、ネット上で主題歌まとめやオマージュ・下ネタまとめも作られていて、そういったものも含めて、アニメに関心を持ち始めました。

それがこの業界に来るキッカケになったので、僕にとって『銀魂』は、今の自分がここにいられる理由を作ってくれた作品です。

SYO マンガの『銀魂』は2003年から連載が始まりましたが、当時の僕は高校生でした。勉強やら部活やらでなかなかサブカルに触れられていなくて、しっかりハマったのは大学生のときですね。定食屋に行って、ご飯が来るまでのあいだにお店に置いてあった「週刊少年ジャンプ」を読んでいたら、『銀魂』がえらい面白くて。たしか鍋回(第百訓『鍋は人生の縮図である』)だったと思います。

そこから原作を全部買って、アニメも観るようになりました。今ではもう月曜日の0時になった瞬間にコンビニに「週刊少年ジャンプ」を買いに走るようなジャンプっ子ですが、こうなったのは『銀魂』の影響が大きかったように思います。

阿部 私は中学生のときに『銀魂』のアニメが始まって、当時の自分は「夕方に放送しているアニメは全部観る」くらい、アニメを観まくっていた時期だったので、自然とハマりました。ちょうど歴史の授業で新選組などを習っていたので、歴史上の人物をモチーフにしたキャラクターに愛着が湧きやすかったこともありますね。「名前がこう違うんだ!」って(笑)。
SYO テストで漢字間違えちゃわなかったですか?(笑)
小松 “桂小五郎”と“桂小太郎”を間違えたり……(笑)。
阿部 それはなかったです(笑)。でも、『銀魂』あるあるですよね。
吉野 僕が『銀魂』のアニメを観始めたのは、ちょうど10年くらい前です。当時は大学生で山形に住んでいたのですが、地上波ではやっていなかったんですよ。

たまたま観たのがCS放送の無料放送のタイミングで、ゲーム機のW〇iのオマージュが出てくるエピソード(アニメ第98話『ゲームは一日一時間』、第99話『人生もゲームもバグだらけ』)。時事ネタをうまく絡ませていて面白いな、と思って観始めました。

その後、『紅桜篇』を観たり、本誌で原作も読むようになったりして、楽しんでいましたね。

伊東鴨太郎の“悪役の美学”に惹かれる

みなさんの『銀魂』の推しキャラは誰でしょう?
SYO 推しキャラって、世間様に言う推しキャラと、ひそやかに愛でる推しキャラの2パターンがあって……。これはどちらを言えば……。
一同 はははははは!
では、ぜひ後者でお願いします(笑)。
SYO だと、伊東鴨太郎ですね。彼が登場する『真選組動乱篇』が大好きなんです。「『銀魂』ってやっぱりジャンプマンガなんだ」と思えた熱いエピソードでもありますし、鴨太郎の“悪役の美学”にすごく惹かれます。
小松 真選組の隊士に囲まれて、「あり…がとう」というところがまた……(第105話 『何事もノリとタイミング』)。
SYO いいですよね……(しみじみ)。
小松 でも、推しキャラが伊東鴨太郎って、別に隠さなくてもいいような……?
SYO いや、今の時代って「好き」を共有するのがスタンダードになりつつありますが、僕はもともと部屋にひっそりポスターを貼って眺めるような自己完結型のファンなので……。冷蔵庫の中を見られちゃうような気恥ずかしさがあります(苦笑)。
ちなみに表向きの推しキャラは……?
SYO それはやっぱり、万事屋、さん……。
小松 距離感(笑)。
一同 はははははは!
小松 ちなみに僕は、キャラ同士の掛け合いが好きなんです。銀時と土方や、神楽と沖田のちょっとライバルっぽい感じも好きだし、長編だと共闘関係になるのがいいんですよね。これが外向けの話で(笑)、キャラクターとしてはマダオこと長谷川泰三さんですね。

マダオの観察日記の話が大好きなんです(アニメ第188話『観察日記は最後までやりきろう』)。子ども(北大路大五郎)が突然ハードボイルドになって……(笑)。

吉野 大五郎役、『NARUTO -ナルト-』のナルト役・竹内順子さんなんですよね(笑)。
小松 あともうひとりは、猿飛あやめです。アニメで小林ゆうさんが飛ばしまくった演技をされていて、声優さんってこんなにスゴいんだ!と思いました。

第50話『節目節目に気合を入れ直せ』でホラーのオマージュがあるんですが、銀さんがさっちゃん(猿飛)に叩かれるたびに「小林!」って言うんですよね(笑)。

山崎退を一途に追いかけ続けています

吉野 僕も声優さんつながりなんですが、もともと石田彰さんがすごく好きで、彼が演じたヅラ(桂小太郎)が推しキャラですね。『機動戦士ガンダムSEED』のアスラン・ザラや『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲルといったイケメンキャラを演じていた石田さんが、『銀魂』ではボケに回っているのがすごく面白くて。

ヅラって、「ヅラじゃない桂だ」のネタで、もう十何年も笑いを取り続けているスゴいキャラクターだと思うんです。芸人さんでも、同じネタで長年笑わせ続けられているのって、それこそ志村けんさんくらいしか思いつかないです。

小松 志村けんさんか、なるほど……!(笑)
表向きと裏向きだと……。
吉野 裏向きだと(笑)、月詠ですかね。クールかつ強いところが魅力的ですし、ちょうど『銀魂』にハマったタイミングが『吉原炎上篇』だったため、とくに印象深かったです。
阿部 私はずっと一途に、山崎(退)を追いかけ続けています(笑)。

完全に性癖なのですが、黒髪の平凡なキャラクターを好きになりがちなんです。『銀魂』って濃いキャラクターが多いから、逆に山崎が浮くという(笑)。その中で山崎が「平凡である」というアイデンティティを構築しているのが面白いですし、カバディがあれだけ印象に残るのは山崎だからだろうなと思います。ずっと観ていられるキャラクターですね。

また、柳生九兵衛も好きです。『性転換篇』がすごく好きで、あのエピソードでの「性別にとらわれたくない」という悩みは、誰しも一度は考えるものだと思いますし、すごく人間らしい感情だと思うんです。九兵衛が「自分らしく生きたい」と頑張っている姿は、やっぱり応援したくなるんですよね。

小松 志村新八は、阿部さん的には“平凡ではない”と思いますか?
阿部 そうですね、万事屋にいる時点で平凡ではないですね(笑)。
SYO 人気投票8位だし……(笑)。

カラオケが苦手な杉田智和さんが歌った『スタンド温泉篇』

次のトークテーマは、「みなさんのとくに好きなエピソード」です。
吉野 僕は『スタンド温泉篇』がめちゃくちゃ好きなんです。銀時役の杉田智和さんはご自身のYouTubeチャンネルなどでも「カラオケが苦手」と公言されているのに、堂々と歌を披露されていて……それだけでも見ごたえがあります。当時流行っていた歌を取り入れつつ、最後はちゃんと泣ける構成になっていて、すごく『銀魂』らしさを感じさせられたエピソードでしたね。
小松 あの『千の○になって』は忘れられませんよね!(笑)

僕は『柳生篇』ですね。バチバチにいいセリフが飛び交いまくったエピソードだと感じています。銀時が新八に「てめーの味方だ」って言うシーンも好きなのですが、そのあとに土方が「言っとくが俺は味方じゃねぇぞ。たまたまケンカ相手が一緒なだけだ」、そこに沖田が「ベタじゃない? ベジータ気取りでさァ」とツッコむ流れが最高で……。いまだに見返すエピソードですよね。

SYO このエピソードは、新八がめちゃくちゃカッコいいんですよね。
阿部 私はやっぱり、先ほど話した『性転換篇』ですね。九ちゃん(柳生九兵衛)もそうですが、銀さんもかわいいし、月詠さんはカッコいいし……。普段見られないみんなの姿が見られるのはすごく好きですし、エンディングの映像も本編に合わせて変更されているんですよね。

山崎推しからすると、やっぱり“あんパン回”の『食事はバランスを考えろ』(第205話 Aパート)もですね。「あんパンを投げてスパーキング」のちょっと狂気を感じるところが大好きです(笑)。

SYO 僕は、先ほどお話した『真選組動乱篇』以外だと、『人気投票篇』はすごくエポックメイキングだったと思います。マンガの人気投票をここまでの話に持っていった空知先生もスゴいし、映像としての面白さをアップデートしているアニメスタッフの方々の手腕もさすがでしたね。
小松 お妙さん(志村妙)が空知先生を倒して、作画が崩壊するという原作のネタを、アニメだと次週のオープニングまで引っ張っているんですよね(笑)。
SYO そうそう(笑)。その前に『北斗の拳』的な絵柄になって、新八が「ゆくぞォォォ闇将軍家康ぅぅ!!」って叫ぶという……(笑)。

独立したエピソードだと、『ほぼ100%の確率でビニール傘を置き忘れてくる自分が嫌い』(第111話 Bパート)ですね。

銀さんと新八が神楽に傘を買ってあげるお話なんですが、傘が壊れちゃっても大切に使っていた神楽に、ふたりが声をかけて一緒に雨に濡れながら歩くラストシーンまで、万事屋の仲の良さがしっかりと示されているんです。やっぱりこの3人は特別なんだなと、改めて思えた“いい話”ですね。

『銀魂 THE FINAL』を観ていても、万事屋が集った瞬間に泣けるのは、こういった関係性の積み重ねがあってこそだと思います。

『銀魂』の“色”を作るのはやっぱりDOESだと感じた

みなさんが『銀魂』から受けた影響というと、どんなものがありますか?
SYO やっぱり音楽じゃないですか?
阿部 そうですね。
SYO アニメ『銀魂』からは、たくさんカッコいいミュージシャンを教えてもらいました。DOESとかSPYAIRとかBLUE ENCOUNTとか……。まず『銀魂BEST』(アニメ『銀魂』の主題歌を集めたコンピレーションアルバム)を入手しましたよね。
『銀魂 THE FINAL』でもSPYAIRが主題歌、DOESが挿入歌を担当していて、『銀魂』と音楽は欠かせない関係にありますね。
SYO アニメの最初のOPテーマがTommy heavenly6ですもんね。そこから始めるセンスのよさたるや……。たとえば今、アニメ『呪術廻戦』などの主題歌がすごくいいと感じるような、自分の中の「アニメの主題歌に注目する」の原点は『銀魂』だったんじゃないかなと思います。
みなさんの推し主題歌はどの曲でしょう?
阿部 私はDOESがすごく好きです。『銀魂』の主題歌アーティストの中でもゴリゴリのロックで、和っぽいところも作品に合っていると思います。歌詞の漢字の読み方もそうですし、とても『銀魂』らしいバンドだと思います。
SYO DOESの中で阿部さんのイチオシの楽曲は?
阿部 『修羅』です! 数字を読むところが好きです。
『銀魂 THE FINAL』の挿入歌『道楽心情』『ブレイクダウン』はいかがでしたか?
阿部 やっぱりDOESはいいなぁと改めて思いましたね。劇中で流れるということもあり、『銀魂』の“色”を作るのはやっぱり彼らだと感じました。いいタイミングでかかるから、興奮しましたね。
吉野 僕は『かさなる影』(Hearts Grow)や『ワンダフルデイズ』(ONE☆DRAFT)といったエモい曲が好きですね。

DOESさんやSPYAIRさんだと『曇天』『修羅』『バクチ・ダンサー』『現状ディストラクション』あたりの力強い楽曲は大好きで、カラオケでもよく歌っています。

小松 長篇のOPEDもすごく印象が強いんですが、日常回の太陽が降り注いでいるイメージの曲が、僕はとても好きですね。アニメの映像とセットの印象が強いので、たとえば『Stairway Generation』(Base Ball Bear)のときをよく覚えています。
SYO 僕は『バランスドール』(Prague)がすごく好きですね。『銀魂』らしいロックチューンにちょっと切ない感じが混じっていて、アニメの映像も空と地面が鏡のようになっているウユニ湖のようなイメージで、とても綺麗でした。

あとはみなさんも大好きであろう『ウォーアイニー』(高橋瞳×BEAT CRUSADERS)や、ストーリーとのリンクが素晴らしかった『サクラミツツキ』(SPYAIR)ですね。

銀時の存在が、みんなの“戻る場所”になっている

『銀魂 THE FINAL』で胸アツだった部分を、それぞれ教えてください!
吉野 僕はふたつあって、まずひとつが、銀時が衣装替えをするシーン。やっぱり坂田銀時ってあの服だよね、というのがありますし、あのシーンが入るからこそ最後の締めまで、僕らが多くの時間をともにしてきた坂田銀時でいられたのではないかと思います。

あとは、予告編でも観られる銀時の顔のアップ。今まであんな表情をしたことがない、という部分が描かれるのはシビれましたね。

SYO あのシーン、原作だと口のアップだけで表現しているんですよね。それが、『銀魂 THE FINAL』だとパンアップ(カメラが縦移動)して、表情全体を映す。あそこはぜひ観てほしいですね。

僕は、これまでの作品とのリンクがアツかったです。たとえば銀時とお妙さんのやりとりで、『紅桜篇』の「かわいくねー女」「バカな男(ひと)」のアンサー的なシーンがありますし、『劇場版銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』(2013)であった、銀時を真選組が打ち上げてサポートするシーンを想起させる場面もある。ずっとシリーズを追っていると泣けるシーンが詰め込まれています。

小松 僕は、『銀魂』という作品は、風来坊だった銀時が万事屋という自分の居場所を見つける物語だと思っていたんですが、今回の『銀魂 THE FINAL』を観ていると、銀時がみんなの戻る場所になっているような気がしたんですよね。

世界をぶっ壊そうとする高杉と、もう一回自分たちの世界を取り戻そうとする桂、坂本辰馬に至っては宇宙に飛び出してしまって(笑)。でも、その場にずっと残り続けた銀時のもとにみんなが集結する、その流れがスゴいなと思います。

阿部 松下村塾の3人(銀時・高杉・桂)がターミナルを上っていくときに、桂が途中で敵と戦うために離脱したり、高杉が先頭を切って上っていったり、それぞれに「過去」に対するキャラクター性を感じました。

高杉は過去をすごく変えたいからとにかく前に進みたい、銀さんの場合はどうしたらいいだろうと悩みながらも、ついてきてくれた万事屋のメンバーを見たことで前に進めるようになる。そういったキャラクターたちの感情の部分と描写がリンクしているな、というのはすごく印象に残りましたね。

SYO 原作がいつまでも終わらないという事件はありましたが(笑)、ここまで完璧に終わってくれて、そこにさらに愛を込めて映画化してくれたから、本当にもう万感のラストなんじゃないかと思います。

絶対にブレない“士道”を持っているのが銀時の魅力

『銀魂』が他の作品と違う、特徴的だと感じる部分はどこでしょう?
吉野 『銀魂』って、陰キャを肯定してくれる作品なんですよね。聖人君子じゃなくていいだろう、というのを示してくれたジャンプ作品だと思います。
小松 たしかに、銀時は酒も飲むし、賭け事も大好きで、社会的正義から外れまくった人間なんだけど、絶対にブレない“士道”を持っている。新八が銀時を初めて見て「侍がいた」と思うところからこの作品が始まっているから、余計にそう思います。

社会的正義とか合理主義から外れたところを描いているというか、義理と人情の世界ですよね。そこは、時代劇とリンクする部分かもしれません。

阿部 私は、『銀魂』はキャラクターの平等性みたいなところがすごくいいなと思っています。女性だからどう、とか男性だからどう、じゃなく、みんなが前線に出て戦うし、恋愛要素があるようでないところも、すごく読みやすかったんですよね。“守り・守られ”の関係性がないのも、とても好きでした。
SYO 僕は『銀魂』って、アニメや漫画におけるコアなファンとライトなファンをつないでくれたコンテンツじゃないかと思っています。『銀魂』という共通の話題を通せば、みんなが盛り上がることができるというか、垣根を取っ払ってくれた作品だと感じています。

あとはやっぱり、『銀魂』もそうですが、空知先生の存在が多くのクリエイターを勇気づけたところはあると感じています。『銀魂』以前の『だんでらいおん』も『しろくろ』も既存の枠を壊してきた作品だし、『銀魂』で「ジャンプでここまでやってるんだから大丈夫」と、みんなの背中を押す前例を作りましたよね。

『THE FINAL』を迎えて……『銀魂』は本当に終わるのか?

最後にみなさん、『銀魂 THE FINAL』で本当に『銀魂』は完結すると思いますか?
一同 えっ……(困惑)。
SYO それはアレですか、dTVの『銀魂 THE SEMI-FINAL』の話をしろということですか……? 1月15日から『銀魂 THE FINAL』の前日譚である万事屋篇『後先考えずに風呂敷を広げるものじゃない』、1月20日から真選組篇『直前になって大事なことを決めるものじゃない』が独占配信中です!
小松 宣、伝……。
いえいえ!(笑) そういう意図ではなく、これまで数々の「終わる終わる詐欺」を行ってきた『銀魂』のラストを、みなさんはどう感じているのかをお聞きできれば。
吉野 作品の締めとして観たときに、映画『銀魂 THE FINAL』がすごく清々しい終わり方をしていたこともあり、正直、そろそろ終わってほしいというのはあります(笑)。ただ、先日の「ジャンプフェスタ2021 ONLINE」で杉田智和さんが「銀時の出生が明らかになっていない」とおっしゃっていて、そこはたしかに観たい気持ちはあります。

回収しきれていない伏線はたしかにあるので、「観れたらいいな」はあるのですが……でも、今は満腹感が強いので終わってほしいです(断言)。

一同 はははははは!
小松 僕は、終わっても終わらなくてもいいとは感じています。続きは観たいけど、このまま終わっても全然それはそれでいいのかなって……お好きなように……(笑)。
阿部 私も一緒で、どっちでも……(笑)。
一同 はははははは!
阿部 終わっても終わらなくても、好きな人は好きでい続けるし、回収されていない伏線がいかようにもとれるのも面白いと思います。好きな人たちが好きに妄想して楽しめる“余白”を作ってくれているのかなと感じますし、個人的にはすごくいい終わり方でした。
SYO いただいた質問に対して、「誰にも覚えてもらえなくなった時が、本当の死だと思う」という名言を思い出しまして……今「週刊少年ジャンプ」で連載している漫画『アンデッドアンラック』のセリフなんですが(笑)。
小松 『銀魂』じゃないんかい!(笑)
SYO (笑)。でも、物語として続きが描かれるか、描かれないかは置いておいて、『銀魂』チルドレンとして僕たちは、今後も下の世代に作品の面白さを布教していくと思うんです。だからこそ、『銀魂』自体が終わってしまうということはないんじゃないでしょうか。

銀さんは、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のように単発でふらっと帰ってきてくれてもいいし、『BURN THE WITCH』のようにシーズン2を短期集中で始めてくれてもいいし、『チェンソーマン』のようにジャンプ+に降臨してくれてもいい。しれっと帰ってきても、いつでも喜んで迎えたい気持ちはありますね。それってすごく『銀魂』らしいと思うんです。

作品情報

映画『銀魂 THE FINAL』
2021年1月8日(金)から大ヒット公開中!
原作:空知英秋(集英社ジャンプコミックス刊)
監督/脚本:宮脇千鶴 監修:藤田陽一
声の出演:杉田智和、阪口大助、釘宮理恵 ほか
アニメーション制作:BN Pictures
配給:ワーナー・ブラザース映画

オフィシャルサイト
https://gintamamovie.jp
公式Twitter
https://twitter.com/gintamamovie #銀魂ザファイナル

©空知英秋/劇場版銀魂製作委員会

「『銀魂 THE FINAL』」特集一覧

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