草の葉を口につけ強く息を吹き当てると、ある角度、ある力加減で、素朴な音が鳴り響きます。草笛はコツをつかめば音が出ますが、その加減を見つけるまでが少し大変です。この人も懸命に吹いていたのでしょう。いつからか指が湿っていました。唾液でしょうか、もしかしたら笛にしていた葉自体の水分かもしれません。夢中になって遊び、ふと我に返る瞬間があります。それまでの自分は、草笛と一体であったようにしみじみ思うのです。句集『式日』より。(及川真梨子)
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