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Wednesday, August 25, 2021

米金融当局のテーパリング、重要なのは開始時期ではなく終了時期 - ブルームバーグ

このところ金融市場では、米金融当局がいつ債券購入のテーパリング(段階的縮小)を開始するかという話で持ちきりだ。だが株式と債券、為替の全てにとってより重要なのは、テーパリングがいつ終わるかだ。

  カンザスシティー連銀が主催する年次シンポジウム(ジャクソンホール会合)を27日に控え、金融市場では最近大きな動きはほとんど見られない。同会合では、当局が債券購入の縮小をいつ、どのような形で開始するかについて、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が何らかのシグナルを発する可能性がある。テーパリングが明確になることで、利上げ開始に向けた見通しも定まることになる。

  金融システムに大量に流れ込んだ資金が米株式相場を過去最高値に押し上げ、米国債利回りを低水準にとどめる中、当局による債券購入縮小のリスクは高い。縮小を速く進め過ぎれば、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染急拡大が新たなリスクをもたらす中で、経済の回復を阻む恐れがある。一方でペースが遅過ぎれば、経済活動の再開で解き放たれたインフレ圧力をさらに強めかねない。

  元メリルリンチのトレーダーで、ニュースレター「ザ・セブンズ・リポート」を創業したトム・エッセイ氏は「市場にとって重要なのは、金融当局がどの程度速いペースで緩和を解除していくかだ。それにより緩和策がなくなるまでの期間が決定付けられ、さらに結果として利上げ開始がいつになるかが明確になる」と指摘した。

  米金融当局は現在、米国債を月額800億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)を同400億ドル購入している。前回のリセッション(景気後退)時に実施した月額計850億ドルの資産購入プログラムでは、縮小終了までに10カ月を要した。当局が購入縮小を発表したのは2013年12月。その翌月から縮小を開始した。連邦公開市場委員会(FOMC)の会合ごとに米国債とMBSの購入を50億ドルずつ、計100億ドルのペースで購入を縮小。プログラム終了を発表したのは14年10月で、その後15年12月に利上げに踏み切った。

  エッセイ氏は今回見込まれるテーパリングについて、開始が12月、終了は22年末になる可能性が高いと予想している。

原題: For Fed Taper, Forget When It Starts. It’s the End That Matters(抜粋)

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