
新型コロナウイルス禍に対応した経済対策の柱となる18歳以下の子どもへの10万円給付を巡り、自民、公明の両幹事長が8日、国会内で初めて協議した。先の衆院選で公約に掲げた公明は一律給付にこだわる。自民には、所得制限のない給付は「ばらまき」批判を招くとして慎重な意見が根強い。両党の意見には溝が深く、着地点は見えない。 「つまらないプリンス」が会見で見せた「らしくない」顔 「基本的な考え方は尊重したい。どこまで必要か議論が必要だ」。会談後、自民の茂木敏充幹事長は記者団に慎重な姿勢をにじませた。一方、公明の石井啓一幹事長は使途を限定したクーポン券などの併用も検討するとしながら「一律というのがわれわれの考えだ」と譲らなかった。 「未来応援給付」と銘打った経済対策は公明の衆院選の目玉公約で、山口那津男代表は街頭演説で必ず触れ、所得制限も「親の所得格差が子どもの分断を生む」と訴えてきた。10万円を所得制限を設けずに満額給付すれば2兆円程度が必要と試算されている。
3日には竹内譲政調会長が自身のツイッターに「100%実現する」と宣言。8日には首相官邸を訪れ、松野博一官房長官に要望書を提出。竹内氏は記者団に対し、公約を実現できなければ「国民への背信行為になる」と強い覚悟を示した。党内には「公明の支援で自民が接戦区を制した」という自負もあり、強気の姿勢を後押しする。 一方、自民は公約で子育て世帯や非正規雇用者への支援を掲げていた。高市早苗政調会長はこの日、一律給付は「自民党の公約と全く内容が違う。お困りの方にやるべきだ」と真っ向から否定した。念頭にあるのが、富裕層を含めた一律の給付は政策効果の薄い「ばらまき」との批判だ。 一律10万円を配った昨年の特別定額給付金の7割が貯蓄に回ったという指摘もある。自民ベテランは「富裕層にも配るのは不公平だと抗議がきている。一気に逆風にさらされる」と懸念する。
岸田文雄首相にも苦い記憶がある。政調会長だった昨春、困窮世帯を中心に1世帯30万円を配る補正予算案をいったん決定していたのに、土壇場で公明に押し切られ、1人10万円に変更となった。政策実現力に疑問符が付き、求心力低下を招いた。閣僚経験者は「丸のみすれば蒸し返され、首相にも傷が付く」と漏らす。 来年夏には参院選を控える。選挙協力を得たい公明との対立は避けたい本音ものぞく。ある中堅は「衆院選直後だし丸のみしてもいい。連立政権の宿命だ」 両幹事長は9日にも再び支援の対象について協議する。首相周辺は首相の思いをこう代弁する。「困った人に届けたいという思いは今も同じだ」 (大坪拓也、前田倫之、河合仁志)
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