
オミクロン株のピークアウトはいつ? 専門家が指摘するデータ検証体制の重要性
厚労省専門家組織の脇田座長は「ピークアウト」について、「高齢者の感染者が増加している」「この傾向が減少してこないと、ピークに達しても、その後下がるのか、横ばいが続くのか、変わってくる」としています。新規感染者数は減少の兆しがあっても、増えているのが「死亡者数」。今、重症化している人にはどんな傾向があるのでしょうか?今わかっていることを専門家にききました。
■オミクロン株の「ピークアウト」はいつ?
山形純菜キャスター:
2月10日の全国の新規感染者数は9万9695人(空港検疫含む)です。関東1都6県では、千葉県で6604人と過去最多。東京は“みなし陽性者”含め、1万8891人の感染者が発表されています。東京について詳しく見ていきましょう。
7日間平均の感染状況を見ていくと前週比104.6%ですので、まだピークに達している状況とは言えなさそうです。年代別割合の内訳を見ていきます。ちょうど2週間前、1月27日の数値では20代・30代が41.0%と高い割合で、60代以上は10.3%でした。
一方、2月10日の年代別割合の内訳を見ていくと、20代・30代だけは32.8%と減少しているものの、60代以上は12.5%と少しずつ増えているのがわかります。
厚労省専門家組織・脇田座長はピークアウトについて、「若者の感染減少が新規感染者数増加の上げ止まりにつながっている一方で、高齢者の感染者が増加している。この傾向が減少してこないと、ピークに達してもその後下がるのか横ばいが続くのか変わってくる」とコメントしています。
ホラン千秋キャスター:
インターパーク倉持呼吸器内科医院長・倉持仁さんにお話を伺います。倉持さんは、新規感染者の推移を受けて、ご自身のクリニックで何か変化を感じていますでしょうか?
倉持院長:
我々のクリニックでは今週に入り、明らかに外来患者数が減少しています。一方で、60代の方たちが、デルタ株の時のような呼吸不全を伴うひどい肺炎で入院するようになってきています。株が置き換わっているのか、感染者が減ってきているのかに関しては、まだわからない状況です。
井上貴博キャスター:
オミクロン株によって、65歳以上の方が合併症を引き起こしているのでしょうか?
倉持院長:
我々のクリニックで診ているケースでは純粋にコロナによる肺炎だと思われるので、合併症による誤嚥性肺炎などではないと考えています。一方、都市部では合併症で重篤になっている方も増えてきていますから、コロナ・合併症の両方を検査して見ていかないといけないと思います。
■急増する死者数 求められる体制構築とは
山形キャスター:
全国で発表されている死亡者数も急増しています。2月9日、10日と死亡者数が両日ともに159人と過去最多を更新しました。
医療逼迫が叫ばれていた第5波デルタ株の時と比較します。第5波ピーク時の7日間平均死亡者数は64.7人/日、直近7日間平均は115.7人/日と2倍近くに増えているのがわかります。この傾向は日本だけではありません。世界の国別死亡者数を国別で見ていきましょう。
アメリカでは、昨年9月22~28日の7日間平均死亡者数は2114.3人/日、2月2~8日の7日間平均が2481.4人/日とデルタ株の頃と現在のオミクロン株を比較すると増えているのがわかります。
イギリスでは、昨年9月15~21日の7日間平均死亡者数は144.3人/日、2月2~8日の7日間平均は258.0人と??2倍近くに増えています。
フランスでは、昨年8月18~24日の7日間平均死亡者数は118.4人/日、2月2~8日の7日間平均は328.9人/日と3倍近く増えているのです。
重症化されにくいと言われるオミクロン株ですが、重症化についてデルタ株とは違う点があることも指摘されています。
防衛医科大学校病院・藤倉雄二医師は「デルタ株のほとんどがウイルス性肺炎だった。一方、オミクロン株で重症化する人の多くは、感染後に免疫機能が低下して心臓・脳・じん臓など多岐にわたる疾患が悪化している。肺炎については細菌性肺炎を併発するケースもある」とコメントしています。
国際医療福祉大学・松本哲哉教授は「今、コロナ感染で入院しているのは“科をまたぐ”症状の患者が多い。オミクロン株患者の入院治療には感染症の医師だけでなく、院内すべての医師が対応している状況」だと話しています。
ホランキャスター:
亡くなってしまった方の数の増加についてお聞かせください。新規感染者数増加の波は、デルタ株主流時と比べてオミクロン株では数倍になっています。感染者の分母が多くなっている分、死亡者数も多くなってしまっているのでしょうか。
倉持院長:
そうですね。ホランキャスターの仰る通り、感染者数が増えすぎると十分な検査ができない、保健所もうまくトリアージや管理できない、医療アクセスも非常に悪い。この負の連鎖が続いている状況です。その中で、高齢の方が合併症を引き起こして亡くなるケースが増加しているんだと思います。
ホランキャスター:
死亡者数増加を防ぐためには、どんな対策が必要になってくるのでしょうか。
倉持院長:
今は体制が崩壊している状態なので、不足しているものを足していく必要があります。つまり、きちんとしたPCR検査が必要ですし、救急医療体制や外来医療へのアクセス簡易化、そして2年前からずっと言われ続けている人員増加による保健所の機能向上など、一つ一つを丁寧に対応していくしか方法はないと考えています。
井上キャスター:
「致死率」と「死亡者数増加」の両面で見ていくのは分かりますが、医療現場として、オミクロン株と闘うために抜本的に変えるべきシステムについて、もう少しお聞かせ願えますか。
倉持院長:
デルタ株とオミクロン株では臨床像が全く異なります。ですが、それらデータの検証体制がないため、まずはデータの検証体制を構築する必要があります。
データの検証体制構築には、当たり前に適切な検査ができる環境や適切に感染者を隔離できる環境、そして必要な時にCT検査などの医療が受けられる状況が必要です。それがすべて足りていない。これは、オミクロン株対策だけではなく、すべてのコロナ対策にとって必要なことだと考えています。
井上キャスター:
今は、臨床データも取れていないのでしょうか?
倉持院長:
そうです。当初、感染の疑いがある方は発熱外来で対応してきましたが、その後は保健所管轄になっています。また、今は重症にならないと入院できない状況ですから、データ不足は否めないと思います。データが取れる体制構築が必要だと思います。
からの記事と詳細 ( オミクロン株のピークアウトはいつ? 専門家が指摘するデータ検証体制の重要性 - TBS News )
https://ift.tt/GnUsLit
No comments:
Post a Comment