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Thursday, May 26, 2022

「予算倍増、いつなのか」立民・泉代表が衆院予算委で首相を追及 物価高・教育・防衛で論戦 - 東京新聞

衆院予算委で立憲民主党の泉代表(左手前から2人目)の質問に答弁する岸田首相=国会で

衆院予算委で立憲民主党の泉代表(左手前から2人目)の質問に答弁する岸田首相=国会で

 衆院予算委員会は26日、岸田文雄首相が出席して2022年度補正予算案の審議を行った。野党第1党の立憲民主党から泉健太代表が質疑に立ち、国民生活を直撃している物価高や子ども政策について問いただすと、首相も反論。夏の参院選が迫る中での直接対決となり、舌戦は「前哨戦」の様相をみせた。(井上峻輔)

◆「聞く力」国民の声は…

 「大切なのは、国民の生活を守ることだ。政府の小さな経済対策では国民生活を守ることはできない」

 泉氏が質疑を通じて力を入れたのは、参院選の党の看板政策として打ち出した「生活安全保障」のアピールだった。首相が重要インフラや物資の確保を図る経済安全保障を推進するのに対し、物価高対策、教育、防衛の「3本柱」に真正面から取り組むという内容。政府の政策は「国家目線」に対して、生活者の視点を重視する「国民目線」だと強調し、「聞く力」を自任する首相が実際には国民の声を聞いていないと印象づけることを狙った。

 最たる例として取り上げたのが物価高対策。年収600万~700万円世帯の家計負担増が年6万4000円に上っているとの試算を紹介し、総額2兆7000億円の補正予算案の規模では対応できず、政府は円安も放置して国民の窮状に応えていないと主張した。首相が経済政策で「アベノミクス」路線を踏襲しているとも指摘。「安倍晋三元首相の言うことを『聞く力』はあるのかもしれないが、国民や事業者の声を聞く力は失われてきている」と強調し、消費税率の暫定的な5%への引き下げなどを訴えた。

 首相は、昨年11月に発表した総合経済対策の実行を続けており、補正予算案はその上乗せだと反論。泉氏が「昨秋の対策は今の円安や物価高の状況を踏まえていない」と追い打ちをかけても同じ答弁を繰り返し、安全運転に徹した。

◆時期や財源、直接答えず

 教育と防衛政策でも2人は攻防を繰り広げた。

 泉氏は教育に関し、自民党が大半の期間で政権を担ったこの30年間で「人への投資をおろそかにし、日本は国際的な競争力を失った」と批判。教育の無償化を主張した。首相も子ども関連予算の倍増を目指すと表明しているが、時期を示していないとして「何年後のことか」「任期中か」と繰り返し追及した。

 首相は直接答えず「倍増の目標に向けて努力する。どれだけお金がかかるのか、誰が負担するのかを整理して目指していきたい」と従来の答弁にとどめた。

◆「首相の言葉、あまりに軽い」

 首相が「予算倍増」を曖昧にしたのは、防衛費でも同じだった。自民党は5年後の倍増を念頭に、政府に引き上げを提言。首相も先のバイデン米大統領との首脳会談で「相当な増額」を表明したが、この日は「具体的な数字などは言っていない」と言葉を濁した。

 子ども予算も防衛費も財源のあてがないことから、参院選前は「増やす」という意思表示だけにとどめ、批判をかわしたい思惑のようだ。

 泉氏は質疑後、首相が昨年の自民党総裁選で国民の所得倍増を掲げたことに触れ、記者団に「倍増という言葉をあまりに軽々しく使う。不誠実だ」と不満を口にした。

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