俳優の川口春奈が、10月スタートのフジテレビ系木曜劇場『silent』(毎週木曜 後10:00)で同局連ドラに初主演することが22日、わかった。本気で愛した人と、音のない世界で“出会い直す”切なくも温かいラブストーリー。相手役には、同局連ドラ初出演となるSnow Man・目黒蓮が起用された。川口と目黒は『教場II』(2021年1月放送)以来、本格的には今回が初共演となる。あわせて、キービジュアルも公開された。 川口が演じる主人公の青羽紬(あおば・つむぎ)は、8年前、一生をかけて愛したいと思えた恋人との別れを経験し、新たな人生を歩もうと前を向いて生きている。そんな紬と大切な人との出会いは高校2年の秋、たまたま朝礼で耳にしたある男子生徒の声に引かれたことがきっかけだった。壇上で作文を読む、佐倉想(さくら・そう/目黒)に心を奪われた紬は、次第に彼が気になる存在となっていることに気づく。
3年生で同じクラスとなり、共通の友人を通してだんだんと距離が縮まっていった2人は付き合うことに。音楽好きというお互いの趣味で通じ合い、仲を深めていくも、卒業後のある日、想は突然、理由も言わずに別れを告げて姿を消してしまう。8年後、新たな人生を歩み始めていた紬は偶然、雑踏の中に想の姿を見かける。もう一度ちゃんと話をしたいと彼の姿を探し始めたが、想は徐々に耳が聞こえにくくなる「若年発症型両側性感音難聴」を患い、聴力をほとんど失っていたという思いがけない現実を知ることになる。
脚本は、若手脚本家の登竜門とも呼ばれ、これまで野島伸司氏や坂元裕二氏など数多くの作家を輩出してきた『フジテレビヤングシナリオ大賞』で、昨年大賞を受賞した生方美久氏。審査員を務めていた村瀬健プロデューサーが才能にほれ込み、新人ながら、完全オリジナル作品での脚本家デビューを飾ることになった。演出は、映画『チア男子!!』(2019年)をはじめ、映画化もされた『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(2020年10月期/テレビ東京系)や、『うきわ −友達以上、不倫未満−』(2021年8月/テレビ東京系)を手がけた風間太樹氏が担当する。
この日公開されたキービジュアルは2人で寄り添い合いながら紬が想から手話を教わっている、ドラマのワンシーンを切り取ったかのような一枚。突然の別れから8年の時を経て偶然の再会を果たした2人が、もう一度心を通わせあおうとする明るい未来を予感させる。紬が想から教わっているのは、「永遠」、「ずっと続く」という意味を表す手話。これから先、2人を待ち受けている厳しい現実と向き合い、2人で寄り添いながらも乗り越えようとする2人の想いを表している。
■キャスト・スタッフコメント
▼川口春奈(主人公・青羽紬役)
――出演が決まったときの感想を教えてください
出演の話をいただいて、自分にとって挑戦する作品になるという気持ちになりました。このストーリーを読んだとき、いろいろ考えさせられたり、すごく切なくなったりしながら、お話を読んでいくにつれて、どんどんその世界観に引き込まれました。紬や想、それぞれが抱える問題に葛藤している姿がとても現実的で、私の心に刺さりました。このような作品に目黒さんとご一緒できるのが楽しみでもありますし、いろんなキャストの皆さんとこのチームで作り上げられるということにわくわくしているので、一緒にお芝居をしながら生まれてくるものが楽しみです。
――紬という役どころについて
紬はきっと、人生の片隅にずっと想がいるような、とにかく健気で一途(いちず)に誰かを思い続けている女性だと思います。そんな存在の彼の耳が聞こえなくなってしまったという部分にどう向き合って、そして彼女がどのように成長していくんだろうというのは、撮影を通して私自身も楽しみです。また、明るくて芯がありながらもチャーミングな部分があったり、私が感じる紬のいとおしい部分も演じていけたらと思っています。
――視聴者へのメッセージ
この作品はとても考えさせられるようなシリアスな部分も多いと思います。そんな中で紬という一人の女性が生きていく上で、いろんな人と出会っていろんな日常を送っていく姿や、紬が想に対してどう向き合って、二人がどうなっていくのか、私自身も楽しみにしています。切なくも温かい、そんなドラマにできたらと思っています。ぜひご期待ください。
▼目黒蓮(佐倉想役)
――出演が決まったときの感想
出演の話をいただいて、初めて脚本を読んだとき、一話を読みながらボロボロに泣いてしまいました。そこに書いてある言葉の数々から、いろいろと想像することができて、心をわしづかみにされた感覚になりました。そして、この作品で川口さんとご一緒させていただけるということで、お芝居で学べることなどたくさん吸収できたらいいなと思います。
――想を演じるうえで心がけたいこと、意気込み
想はすごく優しい人なんだと思いました。優しいからこそ、耳が聞こえなくなってしまって、本当にいろんなことを考えただろうし、紬をはじめ周りの人たちにも彼なりの優しさを見せているんじゃないかなって感じました。そんな想が、周りの人たちからの支えを通じてどう変わっていくのか、演じる僕自身も本当に楽しみです。手話に関してはちょうど1年前ぐらいに興味を持つ出来事があって、そのときに自分なりに調べたことがあったんです。そういうこともあり、今回の役もそうですが、こうして手話を習っていくというのがすごくありがたいですし、わからないことも徹底的に先生に聞いたりしながら毎日たくさん勉強させてもらっています。
――視聴者へのメッセージ
改めて生きていく上で気付かされたこともたくさんありましたし、最初に脚本を読んだ時に感じたこの感動を、見てくださる皆さんにも届けられたらいいなと思っています。そしてこの作品を見てくださった方が、例えば海外の言葉を覚えてコミュニケーションを取ったりするのと同じように、手話を実際に覚えて通じ合っていく、そういうあたたかい世界になったらうれしいです。精いっぱいで全力で演じさせてもらいます。
■村瀬健プロデューサー
この数年、“ラブコメ”的な連ドラは数あれど、本気で泣ける、いわゆる“本格ラブストーリー”が少なくなってしまったな、と感じていました。主人公のヒロインが本気で好きな相手を本気で思う気持ちに共感し、ヒロインのことを応援しながら同時に自分もその相手に恋しているような気持ちになり、ヒロインと一緒に心を締めつけられるような思いで毎週ドラマを見る。そんな連ドラを作りたいと思い、この『silent』を企画しました。
連ドラのラブストーリーにおいて重要なのは、誰と誰の恋が見られるか、だと思います。飾らない言葉と等身大の自分をありのままに伝える姿勢で今もっとも女性の共感と支持を得ており、かつ、近年の出演作において圧倒的な“華”を感じさせている川口春奈さん。彼女が主人公(=ヒロイン)のラブストーリーを作りたい、と思いました。
そして、その相手役に誰が来たら見たいと思うかな、と考えたとき、今もっとも波に乗っているSnow Manのメンバーであり、同時に、役者として明らかに“大器感”を感じさせ始めている目黒蓮さんの顔が浮かびました。僕自身が一番見てみたいと思ったこのお二人にオファーしたところ、快諾をいただけましたので、2人をイメージして“当て書き”でキャラクター生み出し、オリジナルストーリーを作り込んできました。
一緒に作った“相棒”は、生方美久というド新人の脚本家です。『フジテレビヤングシナリオ大賞』の審査員として彼女の応募作を一次審査の段階で読んだその時から“一緒に連ドラを作りたい”と感じていました。“とんでもない才能が現れた”と思い、すぐに“来年に向けてオリジナル企画を考えましょう”と声をかけました。それからまだ1年もたっていないのですが、今、彼女は僕の期待をはるかに超えるクオリティーの脚本を書いてくれています。川口春奈さんや目黒蓮さんと同世代であり、まだドラマや映画の脚本をたったの1回も書いたことのない彼女だからこそ書けるみずみずしくて新鮮で、手あかにまみれていないリアルなセリフは、間違いなく視聴者の皆さんの心に響くことと思います。新しい才能の誕生に立ち会っていただきたいと心底思っています。
また“愛した人が難聴者になる”という難しいテーマに向き合うに当たり、生方さんは自ら手話教室に通い、自身も手話を学び、聾(ろう)者や難聴者の方々のお話やご意見を聞きながら脚本を書いています。監修としてこのドラマに参加して下さっている聾者、難聴者、コーダ(聞こえない、聞こえにくい親を持つ、聞こえる子ども)の方々のご意見を、監督、スタッフ、出演者、皆でお聞きしながら作品づくりを進めています。そうした思いをすべて含めて、人が人を好きになる気持ち、本気で人を好きになることで感じる、あの“胸が締めつけられる思い”を届けたいと思っています。せつなくて、心の奥が痛んで、でも温かくて、優しい気持ちになれる。そんなラブストーリーにご期待ください。
2022-08-22 20:00:00Z
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