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Thursday, November 3, 2022

2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30 - 日経クロストレンド

2022年ヒット商品ランキング 日経トレンディが選んだベスト30 - 日経クロストレンド

2022年11月4日発売の「日経トレンディ2022年12月号」 ▼Amazonで購入する では、ヒット商品をランキング形式でまとめた「2022年ヒット商品ベスト30」を発表している。3年間続いている新型コロナウイルス禍における行動制限ムードが薄れる中で何がヒットしたのか。30商品を一気に紹介する。

※日経トレンディ2022年12月号より。詳しくは本誌参照

2022年ヒット商品ベスト5

2022年ヒット商品ベスト5

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年が経過。日本ではまだマスクが手放せない状況だが、「まん延防止等重点措置」が2022年3月に解除となるなど、「行動制限」ムードは徐々に薄れてきた。しかし、コロナ禍中に予想されていた「リベンジ消費」はまだ期待したほど起きていない。ロシアのウクライナ侵攻や、急激な円安による物価高がもたらした先行き不安が、「外出できる解放感」を上回っているといえそうだ。

「日経トレンディ2022年12月号」の購入はこちら(Amazon)

 そんな状況下で、巣ごもり消費のヒットの主役が「時短」から「癒やし」にシフトした。メーカーが多種多様なアイデアで家中商品を市場に投入した中で、22年に大きな山を築いたのが「睡眠の質向上」だ。近年は睡眠についての研究が進み、良質な眠りの重要性が知られるようになっている。そこに2年以上に及んだ「コロナ疲れ」の蓄積疲労が追い打ちをかけ、「きちんと眠って心身を回復させたい」と感じる人が潜在的に増えていた。

 さらに、睡眠が「エンタメ化」したのも新潮流だ。その筆頭が、入手困難で入荷時には争奪戦が繰り返されるほどだった「Yakult1000/Y1000」。「熟睡しすぎて悪夢を見るらしい」という噂が拡散したこともあり、爆発的に売れた。睡眠の質を改善するとうたうドリンク剤「アリナミンナイトリカバー」や、耳を温める安眠グッズ「ナイトミン 耳ほぐタイム」などは、SNS上で体験談が広がって、「試してみたい」とエンタメ感覚で手を伸ばす人が連鎖的に増えた。手軽に生活に取り込める低価格な商品が多かったのも、市場拡大に一役買った。

 もちろん、物価高から生活を防衛する高コスパ製品もヒットした。中国発のECサイトである「SHEIN」や、キャンプ用品に参入したワークマンは、通販をベースとしつつ圧倒的な安さで支持を得た。また、思い切って高いコスパを演出した商品も売れた。テレビからチューナーを取り外してしまった「チューナーレステレビ」は、少数ながら確実に増えていた「リアルタイム視聴にこだわらない人」を完璧に捉えた。軽自動車EVも街乗り用のセカンドカーなどの用途で爆発的に売れている。

 一方で、長らく続く昭和・平成レトロブームの集大成と言わんばかりに、一度流行した商品の“続編”も売れた。ただの再販ではなく現代に合わせて再設計したことで、かつてを懐かしむ大人層と新鮮さを感じる若年層の両取りが大ヒットにつながった。育成ゲームの玩具「たまごっち」は、スマートウォッチ風の「Tamagotchi Smart」となり、タッチセンサーなどの機能が追加。36年前の作品の続編として公開された映画『トップガン マーヴェリック』は、前作を超える迫真のアクションシーンでリピーターを生み、“追いトップガン”現象を引き起こした。

次ページでは、1位~30位のランキングと各商品の概要を紹介する。

全30商品のランキング発表

【1位】Yakult1000/Y1000

睡眠改善をうたう新乳酸菌飲料が社会現象に。「悪夢を見る」との噂拡散で争奪戦勃発。

店頭用の「Y1000」は、1日当たり41万本を販売(左)。ヤクルトレディなどが販売する「Yakult1000」は、1日当たり180万本を販売(右)

店頭用の「Y1000」は、1日当たり41万本を販売(左)。ヤクルトレディなどが販売する「Yakult1000」は、1日当たり180万本を販売(右)

【2位】ちいかわ

SNS発のキャラが“国民的キャラ”に成長。かわいいだけではない多様な展開で魅了。

2022年4月から放映する『アニメ ちいかわ』(フジテレビ系列)。アニメで流れる歌も人気で6月にデジタル配信を開始した(上)。2021年2月から発行されている『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(講談社)は、Twitterで連載する漫画を書籍化。22年7月に4巻目が発刊された(下)。(c)nagano/chiikawa committee

2022年4月から放映する『アニメ ちいかわ』(フジテレビ系列)。アニメで流れる歌も人気で6月にデジタル配信を開始した(上)。2021年2月から発行されている『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』(講談社)は、Twitterで連載する漫画を書籍化。22年7月に4巻目が発刊された(下)。(c)nagano/chiikawa committee

【3位】PCM冷却ネックリング

24~28度で凍る新冷感グッズが“瞬間蒸発”。「行動制限なし」の夏のお守りとしてブレイク。

大人用や子供用などサイズは様々。カラーバリエーションや模様も豊富で、使用シーンや服装に合わせて選べる。写真の商品はアイスリング(F・O・インターナショナル)

大人用や子供用などサイズは様々。カラーバリエーションや模様も豊富で、使用シーンや服装に合わせて選べる。写真の商品はアイスリング(F・O・インターナショナル)

【4位】トップガン マーヴェリック

36年ぶりの続編がまさかの興収132億円超え。若者もはまった“追いトップガン”現象。

興行収入は132億円を突破した。(c)2022 Paramount Pictures

興行収入132億円を突破。(c)2022 Paramount Pictures

【5位】完全メシ

ジャンクな装いのバランス栄養食品が計400万食。「意識高くない」30~40代男性の心に刺さる。

カップライス「日清カレーメシ」の完全メシ版である「カレーメシ 欧風カレー」

カップライス「日清カレーメシ」の完全メシ版である「カレーメシ 欧風カレー」

【6位】炭酸飲料対応ボトル

国内メーカーの保冷ボトルがついに炭酸対応。外出ムードも後押しし約36万本の市場が誕生。

真空断熱炭酸ボトル(タイガー魔法瓶)は0.5リットル、0.8リットル、1.2リットル、1.5リットルの4タイプがある

真空断熱炭酸ボトル(タイガー魔法瓶)は0.5リットル、0.8リットル、1.2リットル、1.5リットルの4タイプがある

【7位】翠ジンソーダ缶

踊り場のレサワブームの中、突如現れた新星。居酒屋メシに合う食中酒が350万ケース。

年末に累計350万ケースを達成する見通し

年末に累計350万ケースを達成する見通し

【8位】日産サクラ/eKクロス EV

4カ月で計3万6600台超を受注。補助金で「200万円の壁」を越えて軽EVが快走。

「日産サクラ」だけで、2022年9月24日に受注台数が3万台を突破

「日産サクラ」だけで、2022年9月24日に受注台数が3万台を突破した

【9位】スプラトゥーン3

発売3日で345万本の最高記録を樹立。“初心者歓迎”のポップなシューティング。

パッケージとダウンロード版の合計で発売3日間で345万本を国内で販売。(c)Nintendo

パッケージとダウンロード版の合計で発売3日間で345万本を国内で販売。(c)Nintendo

【10位】冷やし中華

「氷入りでレンチン」の衝撃で200万食超。麺の食感と簡便さも受けた夏の新冷食。

9月までの販売で200万食超を突破した

9月までの販売で200万食超を突破した

【11位】ファブリーズ お風呂用防カビ剤

新規参入でいきなりシェア2割獲得。究極の手軽さで防カビ需要を開拓。

発売3カ月で350万個を出荷した

発売3カ月で350万個を出荷した

【12位】SHEIN

アプリ利用者数はZOZO超え。安くて映える服でZ世代を魅了。

デザイナーが3000人以上所属しており、流行を追ったデザインの衣服を、驚異的な速さで多数開発できる

デザイナーが3000人以上所属しており、流行を追ったデザインの衣服を、驚異的な速さで多数開発できる

【13位】Tamagotchi Smart

ブームに甘んじない進取の気性。シリーズ年70万個出荷の立役者に。

シリーズ全体で、1年で国内70万個を出荷した (c)BANDAI

シリーズ全体で、1年で国内70万個を出荷した (c)BANDAI

【14位】ONE PIECE FILM RED

シリーズ最高記録で22年興収1位。“聴かせる”映画が心をつかむ。

興行収入は171億円を突破し、『アバター』を超えて歴代11位(2022年10月17日現在)。(c)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

興行収入は171億円を突破し、『アバター』を超えて歴代11位(2022年10月17日現在)。(c)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会

【15位】アリナミンナイトリカバー

寝る前にドリンク剤を飲む新習慣。睡眠ブームを背景に1250万本超。

約1250万本を販売した

約1250万本を販売した

【16位】第2次カヌレブーム

フランス発の伝統菓子が再ヒット。大手製菓やコンビニからも進化系。

「濃密カヌレ」(ローソン)は、発売14日間で累計販売数400万個を突破

「濃密カヌレ」(ローソン)は、発売14日間で累計販売数400万個を突破

【17位】セカンド冷凍庫

「スリム」「両開き」で成長が再加速。シャープは前年同期比5倍売る躍進。

「FJ-HF13H」(シャープ)は前年同期比で約5倍を出荷した

「FJ-HF13H」(シャープ)は前年同期比で約5倍を出荷した

【18位】アサヒ生ビール

ビール党以外にも「おつかれ生」現象。479万箱で3強の一角に食い込む。

2022年1~9月に479万箱を販売した

2022年1~9月に479万箱を販売した

【19位】YOLU

「寝ながらヘアケア」で時短も訴求。約1年で累計約1000万本販売。

累計販売数1000万本突破

累計販売数1000万本突破

【20位】instax mini Evo

デジアナ融合に成功しカメラ2位。レトロな外観で中高年男性も手に。

カメラとして21年12月~22年9月に販売台数で2位だった

カメラとして21年12月~22年9月に販売台数で2位だった

【21位】SPY×FAMILY

漫画アプリ発の人気作がアニメ化。「アーニャ」がSNS上のアイドルに。

「少年ジャンプ+」の「総合ランキング」では他に差を付けて1位。累計発行部数2650万部突破。(c)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

「少年ジャンプ+」の「総合ランキング」では他に差を付けて1位。累計発行部数2650万部突破。(c)遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会

【22位】チューナーレステレビ

リアルタイム視聴不要派に大人気。動画配信の波に乗り数万台市場に。

ドン・キホーテだけで累計1万7000台を販売

ドン・キホーテだけで累計1万7000台を販売

【23位】ナイトミン 耳ほぐタイム

耳を温める新発想で安眠を訴求。SNSでの好感相次ぎ146万個出荷。

発売1年で146万個を出荷した

発売1年で146万個を出荷した

【24位】ぷにるんず

出荷再開のたびに売れ30万個突破。ギミックで「触る」をデジタル化。

高単価ながら30万個を出荷。注)ぷにるんずの商品画像は「ぷにるんず ぷにぷらす」 (c) TOMY

高単価ながら30万個を出荷。注)ぷにるんずの商品画像は「ぷにるんず ぷにぷらす」 (c) TOMY

【25位】旅行ガチャ

行き先が選べない“ランダム旅行”。ワクワク感とお得感で人気高める。

ピーチ・アビエーションの「旅くじ」は、累計2万7000個を販売した

ピーチ・アビエーションの「旅くじ」は、累計2万7000個を販売した

【26位】ワークマン キャンプギア

自社開発素材と通販で価格破壊。初心者を取り込み約40億円を達成。

ギア全体で270万点、約40億円を売り上げた

ギア全体で270万点、約40億円を売り上げた

【27位】丸ごとシイタケスナック

ジャンキーでも罪悪感がない新感覚。シイタケ嫌いも取り込み人気拡大。

しいたけスナック(ドン・キホーテ)の売り上げ規模は、月間5000万円以上に

しいたけスナック(ドン・キホーテ)の売り上げ規模は、月間5000万円以上に

【28位】卓上サワー

自由に酒をつげてすぐに飲める。コト消費人気で店舗採用率3倍超。

写真は「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。2年で50店舗のスピード出店

写真は「0秒レモンサワー 仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭」。2年で50店舗のスピード出店

【29位】大阪中之島美術館

開館初年に「10万人超え」を連発。写真映えで若年層も取り込む。

開館8カ月で入場者約47万人を達成した

開館8カ月で入場者約47万人を達成した

【30位】三井住友カード ゴールド(NL)

“無料化”と高還元で人気急上昇。普段使いでのお得に競争軸をシフト。

ゴールドカードの年間発行枚数が従来ゴールドカードに比べて前年比で18.9倍

ゴールドカードの年間発行枚数が従来ゴールドカードに比べて前年比で18.9倍

「2022年ヒット商品ベスト30」のランキング選考基準

 2021年10月から22年9月の間に発表・発売された商品・サービスなどを対象にヒットの度合いを評価した。具体的には右の3項目に沿って総合的に判定した。期間前に発表・発売された商品でも、期間内に著しくヒットしたものは対象に加えた。昨年に既にヒットしていた商品は、原則として対象外とした。

評価項目
【売れ行き】:売り上げやシェアをどれだけ拡大したか。どれだけ人を集めたか。売れ行きはどれくらい継続する余地があるか
【新規性】:これまでにない画期的な技術、着眼点、売り方の工夫があったか
【影響力】:他社の追随を呼んだか、あるいは従来にない市場を形成したか。生活スタイルや社会の常識を変えて、世の中に影響を与えたか

注)「2022ヒット商品ベスト30」は、「日経トレンディ」2022年12月号に掲載しています。日経クロストレンド有料会員の方は、電子版でご覧いただけます。

▼関連リンク 「日経トレンディ」(電子版)

「日経トレンディ2022年12月号」の主な内容を紹介

【2023ヒット予測100】
発表! ヒット予測ベスト30
●コロナ太りに終止符! 「1回5分」の低価格コンビニジムが日本を席けん
●見た目は普通、中身は最新。ステルス家電、光ヘアケアドライヤー
●最新テックの本命! “減塩”エレキソルト、NFTチケットがブレイク
●脱・インスタの新潮流。盛らないSNSに若者が殺到する理由
●Gachaco、BYDが日本にEVを定着させる
まだある! 業界別ヒット予測
【食品・飲料】低アルコール飲料を正気のサタンが広げる
【ネットサービス】家事代行がさらに進化! サブスク型コンシェルジュ
【日用品・雑貨】コクヨと貝印がコラボ。ハサミの究極系HASA
【2022ヒット商品ベスト30】
●Yakult1000、YOLU、ナイトミン……睡眠市場が大ブレイク
●軽EV、完全メシ、チューナーレスTV……コロナ後の新基準に!?
●トップガン、たまごっち、マルエフ……懐かしい名前が劇的復活
●冷凍冷やし中華や置くだけ防カビ…… 驚きの新発想が脚光
●業界別に売れ筋が一覧できる 270社調査「ヒット商品総覧」
森岡毅氏インタビュー
なぜ医療にマーケの力が必要なのか
シン・ヒーロー作品研究
シン・仮面ライダー&シン・ウルトラマン
マーケター・オブ・ザ・イヤー2022
【今年の顔 インタビュー】
●清野菜名
●間宮祥太朗
▼「日経トレンディ2022年12月号」をAmazonで購入する

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2022-11-03 01:00:00Z
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