静岡県掛川市で始まった第72期ALSOK杯王将戦七番勝負は1日目の8日、挑戦者の羽生善治九段(52)が意表を突く「一手損角換わり」を選び、豊富な作戦を使いこなす器用さを見せた。一方、王将初防衛を目指す藤井聡太王将(20)は戸惑う様子もなく手を進め、事前準備の幅広さを感じさせた。両者の持ち味を存分に見せつける中盤戦が展開された。
立会を務める久保利明九段は「一手損角換わりは、振り駒で後手番になった時の羽生九段の予定だと思います。自身の経験が生きるとみて研究してきたのでしょう」と推察。藤井王将の主力戦法を避け、実戦経験の少ない作戦を選んだのではないかと分析した。
これまでの対局で予想外の展開になると長考に沈んできた藤井王将が短時間で指し手を返すのを見て、解説の神谷広志八段は「事前研究や練習対局などで経験があると思う。いかにも自信を持っていそう」と感心した。
だが、羽生九段が昼食休憩を挟んで1時間10分考えた末、[後]3五銀(38手目)と打ってからは、公式戦で前例のない未知の戦いに突入。藤井王将は[先]2五飛(39手目)に1時間16分、[先]2六飛(41手目)に1時間10分と連続して長考するなど難解な中盤戦となった。
午後4時過ぎに指された[先]5八銀に、羽生九段が再び長考に沈み、1時間41分後に封じ手時刻の午後6時を迎え、44手目を封じた。
神谷八段は「羽生九段の[後]3五銀はひねり出したような勝負手。[後]3六銀も藤井王将の読みの本線にはなかったようで、羽生九段が意表に出る手が多かった。藤井王将の玉の守りの方が厚みがあり、2日目は羽生九段が繰り出すさまざまな手に、藤井王将がどこまで応対できるかの勝負になるでしょう」と語った。【丸山進、武内亮】
2023-01-08 12:12:36Z
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