防衛省は16日、中国の偵察用気球と推定される無人の物体が日本上空に飛来していたと確認したことを受け、領空侵犯した外国の無人気球などの撃墜を可能にする武器使用の要件緩和案を自民、公明両党に提示し、了承された。だが、他国から飛来したことをどう認定するかや、撃墜できる局面の具体例に関する説明は乏しく、運用面で曖昧さが残る。自衛隊の武器使用の範囲拡大につながるため、近隣国との緊張関係が高まる可能性も否定できない。 (川田篤志)
◆無人であれば撃墜へのハードルは下がる
自民党の小野寺五典元防衛相は要件緩和を了承した16日の党会合で、中国の気球と推定される物体の飛来を念頭に「いつ同じような事案が発生するかもわからない。さまざまな事態に対応できる備えをしてもらいたい」と防衛省に求めた。
自衛隊法84条は、外国の航空機が領空侵犯した場合、着陸や退去を促すなど「必要な措置」を講じられると規定。これまでは警察権の行使に準じ、武器使用は正当防衛や緊急避難の場合に限り認めてきた。
今回、法解釈を見直し、無人気球などの場合は正当防衛や緊急避難に該当しなくても(1)地上の国民の生命および財産の保護(2)航空路を飛行する航空機の安全の確保—を優先すべきだと判断すれば、武器使用を可能とした。従来は有人機への対処を想定しており、撃墜すれば操縦者の命を奪う恐れもあったため、要件を厳格にしていたが、無人気球なら緩和しても問題ないとの考えからだ。
◆どんな場合に撃墜するかは「千差万別」
だが、要件緩和に関し、防衛省の担当者は「米国が気球を撃墜した事象が今回の検討を加速させた要因」と認める。米国に足並みをそろえるため、拙速に議論した印象は否めない。
例えば、どのようなケースが撃墜の対象になるかについて、具体例は「そのまま放置すれば、他の航空機の安全飛行を阻害する可能性がある」の一例だけ。気球が地上の国民の命に危険を与える事例などは示さず、担当者は「どういう場合かは千差万別で、あらかじめ例示するのは難しい」と話す。
外国の気球だと認定する方法に関しては「自衛隊機で気球に近づき、目視で得られる情報やインテリジェンス(
気球を巡っては、米中の緊張関係が高まっており、今回の要件緩和が日中関係の火種になる可能性もある。共産党の志位和夫委員長は16日の記者会見で「話し合いで解決すべきであり、軍事で構えるのは賛成しかねる。緊張激化のきっかけにしてしまうのはよくない」と強調した。
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