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Monday, March 27, 2023

小惑星由来の隕石破片の付着力は大きさに依存しない 神戸大などが解明(2023年3月27日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

小惑星由来の隕石破片の付着力は大きさに依存しない 神戸大などが解明(2023年3月27日)|BIGLOBEニュース - BIGLOBEニュース

神戸大学と東北大学は3月22日、小惑星由来とされる隕石破片の付着力を測定し、付着力が破片の大きさに依存しないことを明らかにしたと共同で発表した。
同成果は、神戸大大学院 理学研究科の長足友哉大学院生(現・東北大 日本学術振興会特別研究員PD)、同・中村昭子准教授らの研究チームによるもの。詳細は、米国科学振興協会が刊行する「Science」系のオープンアクセスジャーナル「Science Advances」に掲載された。
地球のような1G環境と比べて、小惑星表面のような微小重力環境においては、砂や微小な破片などの小さな粒子に働く力として、付着力が重要となる。たとえば、小惑星に隕石が衝突して発生した地震動によって、表面の粒子が動くことができるかどうかといったことに影響する。
球粒子の付着力は、粒子の大きさに比例する。しかし、実際の小惑星粒子は、隕石衝突などで壊れてできたものであるため、乱雑な形をしていて、表面に凹凸がある。これまで、不規則な形をした小惑星粒子の付着力が粒子の大きさにどのように依存するのかは、よくわかっていなかったという。
そこで研究チームは今回、小惑星粒子の大きさやでき方がその付着力にどのように影響するかを調べるため、μmサイズと数十μmサイズの隕石破片(アエンデ隕石とタギッシュレイク隕石)を、「乳棒で潰す」と「弾丸を衝突させて破壊する」の2種類の方法で準備し、それぞれの付着力を測定したとする。
なお、付着力は遠心法と呼ばれる手法で測定を行ったという。粒子を平らな板にそっと置くと、粒子は板に付着する。その後、付着した粒子に遠心力をかけることで、板から粒子を引き離すのに必要な力(=付着力)を測定する方法だ。
その測定の結果、隕石破片のでき方は付着力に影響しない一方、より細かい凹凸が表面に見られるタギッシュレイク隕石破片の付着力は、アエンデ隕石破片の数分の1であることが確認されたとする。また、μmサイズの破片の付着力は数十μmサイズの破片の数分の1だったが、μmサイズの破片を板に押し付けてから測定すると、破片の大きさによる付着力の違いは見られなくなったという。
研究チームは、この付着力の変化について、押し付ける力の大きさによって、粒子と平板の接触点の数が変化した結果と考えられるとしている。つまり、接触点当たりの付着力は、それぞれの隕石特有の表面凹凸の細かさで決まっていて、破片の大きさやでき方には依存しないことが考えられるとする。
今回の研究の結果から推定される小惑星粒子の付着力は、粒子の大きさに比例する付着力よりも桁違いに弱いことから、隕石衝突で発生した地震動などで力を受けた時、これまで考えられていたよりも粒子が動きやすいと考えられるという。実際、イトカワやリュウグウなどの小惑星探査では、小惑星表面の粒子が活発に移動していることがわかってきている。
隕石破片の付着力は、宇宙に存在する固体粒子の付着力を理解するための重要な手がかりとなる。これは、小惑星表面がどのような進化をするかを理解するためだけでなく、固体微粒子がお互いに付着することで大きくなっていくという惑星形成の初めの段階や、大気を持つ天体での風による表面粒子の移動を理解する上でも重要であり、今後、これらの研究への応用が期待できるとする。また隕石破片の付着力は、「はやぶさ2」が行ったような天体から試料を持ち帰る将来の探査計画において、試料の回収のしやすさを評価するのに重要な情報になると考えられるとしている。

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2023-03-27 04:54:46Z
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