【カンヌ＝松田拓也】南仏カンヌで開催中の第７６回カンヌ国際映画祭で１７日夜（現地時間）、コンペティション部門に出品されている是枝裕和監督の「怪物」が公式上映された。
「怪物」は、小学生の子どもや母親、教員などの視点からある事件を描き、「怪物」は誰なのかを問いかける人間ドラマ。上映には是枝監督、脚本を手がけた坂元裕二さん、主演の安藤サクラさん、永山瑛太さんらが参加した。
終演後には約９分半のスタンディングオベーションが起きた。マイクを手渡された是枝監督は「多くのキャストとスタッフに支えられ、作ることができた作品。皆さんの拍手と顔を、ここに来られなかったチームのみんなに報告したい」と喜びを語った。
別会場で日本メディアの取材に応じた是枝監督は、「人と人がなかなか理解し合えない姿を描いているとは言えど、見終えると光を感じる。僕自身の映画にはなかなかない読後感で、それが坂元マジックによりしっかり届いたんだろうなと思う」と振り返った。
２０１８年に最高賞のパルムドールを獲得した是枝監督の「万引き家族」以来、２度目のカンヌ映画祭への参加となった安藤さんは、「地響きのような拍手に圧倒されました。この拍手と監督の姿を目に焼きつけようと、ずっと監督を見ていました」と感慨深げに語った。
是枝監督のコンペ出品は２年連続７度目。授賞式は現地時間２７日夜に行われる。「怪物」は、日本では６月２日に公開予定。
2023-05-17 21:51:00Z
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