3年3カ月ぶりに再開した香港との国際定期便の出発口に並ぶ搭乗客=5日、霧島市の鹿児島空港国際線ターミナル
香港からの乗客に記念品を配った県観光連盟の倉野満専務理事は、運休が続いている他路線の再開の弾みになると期待する。「旅行会社や観光地と連携し、体験メニューや食のPRを進め、国内外のライバルとの差別化を図りたい」と訪日客獲得へ意気込む。
鹿児島空港は海外からの玄関口となる国際線ターミナルビルを2020年に増改築。過去最多だった19年の41万人の1.5倍に当たる年60万人程度の受け入れが可能になった。鹿児島空港ビルディングの古薗宏明社長は「空港事業者一体となり安定的な運航に努める」と話す。
施設面の体制が整った一方で、コロナ禍で運航業務に不可欠な職員が減ってしまった。空港の地上業務を担う南国交通(鹿児島市)の岩切俊一常務は「今回もどうにか間に合ったのが実情」と明かす。運航する香港エクスプレス職員の応援で再開にこぎ着けた。
コロナ前の400人から一時320人にまで減った地上職員は現在は360人。さらに採用を進めるが、他空港も活動は盛んで苦戦しているという。空港ビルからの出向者も業務への習熟訓練が必要で時間がかかる。岩切常務は「定期便再開は鹿児島にとって明るい材料。勢いを減速させないよう採用や育成を加速させる」と話す。
熊本県では、半導体世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の進出もあってビジネス需要が拡大、台湾の航空会社が台北線の定期便就航を発表するなど、各空港で国際線再開の動きは活発化している。
鹿児島県もコロナ前の4路線に加え、それ以上の路線拡大を模索する。藤本徳昭副知事は「まずは足元を固める必要がある。地上職員獲得を含め、他県に負けないよう関係機関と連携を図りたい」と力を込めた。
からの記事と詳細 ( 国際線の完全復活はいつ? 香港線再開に沸く空港の陰で…地上職員なお ... - 南日本新聞 )
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