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Saturday, June 24, 2023

迷子になったマルハナバチは、匂いを道標にして巣に帰る - ライブドアニュース - livedoor

迷子になったマルハナバチは、匂いを道標にして巣に帰る - ライブドアニュース - livedoor

Image: Shutterstock

マルハナバチの一種であるセイヨウオオマルハナバチ(buff-tailed bumblebees)は、巣に戻りたくても目にする情報を頼りにできない場合、自身が巣の入り口に残していった匂いのマークも道標として使うことが、最新の研究でわかりました。

マルハナバチにとって世界は色と匂いにあふれていて、そのどちらもが花粉と花蜜探しをガイドする上で不可欠です。

彼らの視覚は優れており、赤は見えないものの紫外線とほとんどの色を識別できる一対の複眼と、偏光の検知に特化した3個の単眼を持っています。

嗅覚は人間の100倍鋭く、空港で違法薬物や爆発物を嗅ぎつけ、女性の妊娠に気付き、患者のガンや糖尿病を初期段階で検知できるそう。

今回、研究者たちはセイヨウオオマルハナバチが巣の位置を探す際に嗅覚も使えることを示しました。

これが特に重要になるのは、例えば見慣れた視覚的な目印が風で吹き飛ばされるなど、景色が突然変わったときです。研究の成果はFrontiers in Behavioral Neuroscienceに掲載されています。

「マルハナバチは巣に戻ろうにも視覚的な手掛かりを当てにできない場合、採餌活動へ出る前に巣の入り口に残してきた自身の匂いのマークを頼りにすることを証明します」と、論文の第一著者でドイツにあるビーレフェルト大学神経生物学科の博士課程学生Sonja Eckel氏はコメントしています。

視覚的な目印

Eckel氏たちのチームは、セイヨウオオマルハナバチ(Bombus terrestris)の帰巣行動に関する調査を実験室で行ないました。

マルハナバチは自然界では、芝生や葉っぱに隠れたネズミの古巣に営巣します。実験では、直径150cmで高さ85cmの円形で閉ざされた実験アリーナの中で、2つの目印のセットを用いて方向を見定めながら、巣の入り口にたどり着けるよう外勤蜂を学習させました。

1つ目の目印は、実験アリーナの白い壁を背景とする3本の垂直の黒い縞(幅12cmで長さ85cm)で構成したセット。2つ目は、入り口の穴の周りに三角形に配置された3本の円筒のセットで、それぞれが直径2.5cm・高さ15cmでした。

実験アリーナの床に視覚情報はなく、マルハナバチには黒と白に見える、ランダムな赤と白の模様に覆われていました。

訓練を何度か経て、働き蜂は花粉と花蜜を与えられる外の採餌場所から戻ると、入り口へと真っすぐ飛んでいくようになりました。

マルハナバチは全身に化学物質を撒く臭腺を多数備えています。

これまでの研究では蜂たちが少しでも表面(例えば巣の入り口など)に接触すると、匂いのマークを残していくことがわかっています。外勤蜂は歩いて巣を出入りする傾向にあるため、研究者たちは入り口を囲む形でガラスの環を置いて、匂いのマークを入手したのでした。

マルハナバチを騙してみると…

その後Eckel氏たちは視覚的な目印2つの配置をそれぞれ突然変えて、マルハナバチを惑わせました。

このとき、配置の変わった目印は入り口の位置について矛盾する情報を伝え、どちらも正しい場所を示していません。本物の入り口は塞がれて隠されたので、戻ってきた後に見つけられた外勤蜂はいませんでした。

研究者たちは、戻ってきた外勤蜂が矛盾する目印に基づいて、正しくない入り口の位置2カ所の周りに留まっていた時間と距離を測定。

外勤蜂がある地点をうろついていた時間が長く、その地点までの平均飛行距離が小さいほど、外勤蜂たちは入り口の場所の最適な候補としてそこに集中していたと推測しました。

外勤蜂は概して、本物ではない位置2カ所に対して同じくらい集中していたようで、両方の視覚的な目印から巣の位置を再び探そうとしたものの失敗したことをほのめかしています。

ところがマルハナバチの匂いのマークをつけたガラス製の環をいずれかの地点の近くに置いたところ、劇的な変化が起きました。外勤蜂たちは、匂いのマークに示唆されるニセの位置に集中したのです。

研究者たちは、外勤蜂たちがとりわけ視覚的な情報が矛盾しているときには、巣へ戻るために視覚だけでなく嗅覚も使うと結論付けました。

匂いのブーケ

「視覚的な情報は広い間隔で把握されてマルハナバチを巣のおおよその位置へと導く一方、匂いのマークは近い範囲内で巣の入り口の正確な位置を示すために使われます。匂いの確認にはおそらく物理的な接触が必要です」とEckel氏。

「私たちの化学分析で、この匂いは炭化水素、脂肪酸、エステルやアルコールなどさまざまな物質のブーケだと判明しました。

これら物質の多くは、他の行動状況でマルハナバチだけでなく他の昆虫類に利用されていることで知られています。

追跡調査では、マルハナバチがどのようにして巣の穴や食料源といったさまざまな行動面での目的を区別できるような、異なる感覚手がかりを習得・統合しているのかを調べたいです」

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Source: Frontiers(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9, 10)

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2023-06-24 04:00:00Z
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