銀座(東京)での個展の時の話である。中学卒業後、一度も連絡を取り合っていない地元の同級生の女の子が、人づてに僕の個展の話を耳にし、彼氏を連れて会場に足を運んでくれた。
空白を埋めるための近況報告と、大輪を咲かせた思い出話を嗜(たしな)めるようにこぼれ落ちたのは、二人は結婚を考えているが、身の上の事情を理由に、互いの親族からそれを猛反対されているということだった。
途方に暮れ、力なく笑った幼なじみとその素敵(すてき)な恋人に「何があろうとも、世界はいつだって二人を祝福し、歓迎されている」そんな思いを紡ぎ、贈ることを決めた。
自分たちさえ確かであれば、世界はいつだって私たちの味方であり、いつだってそれに応え、力を与えてくれる。
世界がいつだって美しく見えるように、心を整えて生きてゆこう。
あれから10余年、その後二人は無事結ばれ、今はシンガポールで幸せに居る。
<うえだ・ひでたか> 1974年生まれ、伊豆の国市出身。現在、東京都内在住。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、銀座・青山・四谷(東京)を中心に個展で作品を発表。精密な幻想的な世界を描く。
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