2020年に東京大学などが行った国際会議「東京フォーラム」では、「私たちが地球を守るために残された猶予は残り10年しかない」と専門家が警鐘を鳴らした。
このまま温暖化が進むとすれば、いつ地球に住めなくなってしまうのだろうか。
20億人が強制移住!?
ジャーナル誌『Nature Sustainability』で発表された論文によると、現在住んでいる場所に住めなくなる人は2100年までに約20億人にのぼると予想されている。実は、気候変動により、すでに6億人以上がかつて住んでいた地域に住めなくなっている。2015年の国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)で策定されたパリ協定では、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べて「1.5度」に抑えることが努力目標として掲げられた。これを達成できれば、どのような世界が待っているのだろうか。
パリ協定の目標を達成すると?
東京大学の記事によると、パリ協定の目標である「1.5度」に温度上昇を抑えることができれば、前例のない暑さにさらされる人口は最大で5分の1まで減少する。しかし裏を返せば、目標の1.5度まで温度上昇を抑えたとしても、約4億人が強制移住になる可能性があるということになる。特に熱帯地方では気温がすでに高いため、温暖化によるさらなる気温上昇によって、住めなくなったり、感染症や精神疾患が増加したりするだろう。
最悪の場合、日本は熱帯に
東洋経済オンラインの記事によると、最悪の場合、日本は2100年には熱帯化する。夏の東京では昼間に40度を超えることが当たり前となり、夜もほとんど30度を下回らなくなると言われている。日本人の主食であるお米は栽培できなくなり、関東や近畿で熱帯の果物であるバナナやパイナップルの栽培が適するようになる。
食料にも大きな影響が...
このまま温暖化が進んでいくと、異常気象が頻発するようになり、食料危機が発生するリスクが高まる。食料不足になれば、食べ物を奪い合うために戦争が起こる恐れもある。特にアフリカでは、最大で耕作地の90%がダメージを受け、1人あたりの食料は15%減少すると予想されている。
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