©山口裕朗
2団体統一王者スティーヴン・フルトンを完膚なきまでに粉砕した、井上尚弥のスーパー・バンタム級転向第一戦。
直後の「パウンド・フォー・パウンド」ランキングでは惜しくもテレンス・クロフォードに1位を譲りましたが、クロフォードと並び立つ世界最高のボクサーであることを世界が認めました。
ではこの「比類なきボクサー」が目ざす次なる目標とは何なのか?
父にしてトレーナー・井上真吾氏が語ります。
「100点から5点か10点は引かなきゃかな」
──試合前のインタビューで尚弥さんが「頭脳戦になるけど、最後はパワーが勝つんです」とおっしゃっていましたが、まさにその通りの試合展開になりました。お父さんとしては、この試合も100点を付けられるとお考えでしょうか。
井上真吾(以下、真吾):ああいう内容なので、もちろん100点でいいと思います。
──かなり安心して見られていたのではないでしょうか。
真吾:ま、安心・・・っていうのはないですけどねぇ(苦笑)。ラウンド、ラウンド、アドバイスを考えて、送らなければならないので、試合中には余裕はない。100点というのも、普通に言ったら確かにそうなんですけど、今後に繋げるという意味では、試合中に指摘したこともいくつかあるんで、それを考えると、やっぱり5点、10点ぐらいは引かしてもらわなきゃかなとも思います。
──例えばどんなことですか?
真吾:あのL字のフリッカーの使い方とかですね。自分の感じでは、ちょっと長く使いすぎたと思います。安易に出すと危ないこともあるんで、試合本番ではあまり出させたくないんです。練習はけっこうしてますが。
──最初はL字で行くというのは前から決めていた?
真吾:いや、あれは流れです。「こうじゃなくちゃだめだ」というような決め方はしないんで。尚弥は対フルトンはあれがいいと思ったんじゃないでしょうか。ジャブの差し合いで負けないためには、下から打った方が差しやすいですから。
対フルトンには有効かなと思ってフリッカーの練習もしましたし。ただフリッカーを使うのなら、相手のパンチを肩で殺さなければだめだよとはずっと言っていました。
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