2023年8月22日 午後5時00分
気温が高い日が続く夏場に、特に気をつけたいのが食中毒。バーベキューで生肉を触ったり、強い日差しの中で弁当を持ち歩いたりと、リスクが高まる場面は多い。8月は厚生労働省が定める「食品衛生月間」。食品衛生に詳しい仁愛女子短期大学生活科学学科の小林恭一教授は「食の安全を考える機会にし、(原因物質を)『つけない』『増やさない』『やっつける』の対策3原則を守ってほしい」と話している。
作り置きは危険?カレーの保存方法は
普段の調理で気をつけたいのが、多く作ったり食べきれなかったりした料理の保存法。細菌は人間の体温ほどの温かさで増えることが多く、小林教授は「夏場は大量に作り置きせず、食べきれる量だけ作るのが望ましい」と呼びかける。
小林教授によると、細菌は冷める間に増えて毒素を生成する。多く作りがちなカレーなどを残す時は「鍋からタッパーなどに移してできるだけ早く冷まし、冷蔵庫で保存して」とアドバイスする。
バーベキューで注意すべき「生肉」の食べ方
人が集まる機会にバーベキューをする人も多いが、小林教授は「生肉の扱いには注意が必要。しっかり火を通すことを心がけて」と強調する。食中毒の発生原因で上位に入る細菌「カンピロバクター」が付着しているためだ。
十分加熱すれば死滅するため、中心部まで色が変わったことを確かめることが重要。「レアで食べられるのはしっかりと温度、衛生環境が管理されているお店だからこそ」と強調する。
加えて▽生肉をつかむトングと食べる箸は分ける▽まな板や包丁は野菜、肉の順で使う▽食材はクーラーボックスで冷やす-ことも必要。ホルモンなど内臓系の肉は細菌が付着している可能性がより高いため、網や鉄板を変えるなど分けて扱うのが望ましいという。
「梅干し、ワサビで殺菌効果」これ本当?
「弁当に梅干しを入れると傷まない」「刺し身にワサビを付ければ殺菌になる」。よく聞く食中毒対策で、実践している人も多いのでは。塩やスパイス、酸性の食品には効果が期待できるものがあり、全くの迷信ではないが「効果は限定的。使わないよりあったほうがいいという程度」と小林教授は指摘する。
梅干し自体は塩分濃度が高く、強い酸性のため傷みにくいが「効果が弁当箱全体に広がるのは期待できない」という。弁当などに使われる「抗菌シート」に成分が利用されるなど、ワサビの抗菌力も広く知られているが「あくまで菌の働きを抑制するものであり完全ではない」と話す。
暑い時期に弁当を持ち運ぶ時は「低い温度を保ち細菌の増殖を抑えることが重要」と小林教授。クーラーボックスや保冷剤を活用して「増やさない」心がけが必要だ。また人間の皮膚にも菌が付いているため、おにぎりを作るときはラップや使い捨て手袋を使い「つけない」配慮も忘れずに。
からの記事と詳細 ( 夏の食中毒の発生原因、細菌いつ増える? 梅干しやワサビの殺菌 ... - 福井新聞 )
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