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肩から腕にかけての痛みやしびれは、首、それも頸椎(首の骨)に原因があることが少なくありません。「疲れがたまっているから」「歳のせい」などと決めつけないほうがいいでしょう。
筋肉のこりならばセルフケアで対処できても、頸椎や神経に異常がある場合は、手術でしか症状を改善できないこともあります。
このシリーズでは、首・肩・腕の痛みの原因や危ない症状の見極め方や、切らないで治す方法、手術の具体的な方法などを解説していきます。今回は、脊椎脊髄の手術を検討する場合の目安や、病院・医師の選び方などをご紹介します。(首・肩・腕の痛みとしびれ 第4回)
Q1.手術を考えたほうがよい目安は?
症状の現れ方や変化のしかたによっては、手術療法を検討していくことになります。患者さん本人の自覚症状が、手術を受けたほうがよいか判断する際の大きな決め手になります。次のような症状があれば、手術を受けるかどうかの考え時です。
●脊髄の圧迫症状がある
手足の動きが悪くなっていて、とくに歩行障害や排尿障害がみられる。直腸の機能に影響し、便通異常が生じることもある。
●不安が大きい
脊椎骨の変形や靭帯の骨化が進んでおり、動きに制限がある。転倒などで悪化する危険性が高く、日常の活動がこわくてできない。
●症状が重くて毎日がつらい
保存療法をおこなっていても、しびれや痛みがひどく、そのために日常生活にも影響が出ている。とくに症状がだんだん強まってきたり、しびれる範囲が広がってきたりしている。
手術療法では、変形した骨や椎間板、骨化した靭帯などを切除し、症状のもとになっている脊髄や神経根の圧迫を取り除くことになります。
手術に対して、患者さんの多くは不安を感じる一方で、大きな期待をもっている面もあります。ただ、手術によってどこまで改善するかは、手術時の年齢や発症してからの期間、治療前の機能障害の程度によって異なります。
年齢が若く、発症から1年未満で、重度の機能障害がなければ、手術によって機能の改善がはかれる可能性が高いでしょう。
しかし、ある程度ダメージが進んでいる場合、手術の主な目的は「今以上に神経の障害を進めない」ということになります。手術が成功して病状の進行はストップできても、すでに負ったダメージは回復しにくく、軽いしびれや首の動きの悪さなどが残ってしまうこともあります。
術後、患者さん自身がイメージしていたほどの回復がはかれないと、不満がたまりやすくなります。なにを目標に手術をするのか、医師と十分に話し合って確認し、納得のうえで最善の選択をしてください。
神経障害による症状が強い場合、手術で圧迫を取り除く以外には改善の方法がないこともあります。一方で、手術が原因で、より症状が悪化してしまう例も皆無とはいえません。
万が一、手術による悪影響が大きく現れてしまった場合、「それでも自分の選択は間違っていなかった」と思えるかどうか。それは、術前にどれだけ深く考え、納得して手術にのぞんだかどうかにかかっています。
手術を受けず、このままつらい症状とケガへの不安をかかえていけるのか。手術による「万が一」の事態を受け入れられるか。家族を含めた慎重な判断が必要です。
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