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このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
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2023年4月、東京の公立小学校に通う8歳の小学3年生(男子)が「基本情報技術者試験」(FE)と「情報セキュリティマネジメント試験」(SG)に最年少で合格した。
この出来事は、情報処理学会が会員に向けて月刊で発行する学会誌「情報処理」の2023年12月15日発行分(65巻1号)で特集された。内容は、合格した本人と両親へのインタビューをベースに「情報処理技術者試験の最年少合格者とご両親の声」と題して掲載されている。この記事では、掲載内容を参照して、学習方法や受験理由などの内容を簡潔に紹介したい。
(関連記事:8歳の小学3年生が「基本情報技術者試験」と「情報セキュリティマネジメント試験」に合格 最年少記録更新)
彼がFEとSGを受けるきっかけとなったのは、22年3月に7歳(当時小学1年生)で「ITパスポート試験」(IP)に最年少合格したことだった。IPを受けるきっかけは、父親の「国が作ったITクイズやってみる?」というお風呂場での言葉であった。当時、新型コロナウイルスの影響で外出が制限されており、家でプログラミング(お気に入りの言語はScratchとC)を学んだり、電子ピアノを弾いたりして過ごしていた(外遊びでは野球が好き)。
IPの本を購入し、約2.5カ月の勉強で合格できた。なお、FE科目Aには約2カ月、科目Bには約3カ月、SG試験には約4カ月の学習時間で合格した。
その後、FEの勉強に取り掛かったが、学習を始めてから「やめておけばよかった」と感じたこともあったという。難しかったのか、面白くなかったのか理由は書いていないが、制度が変わって、アルゴリズムの内容が増えたことで再びやる気を取り戻したとしている。23年1月当時、母親がSGに合格したことも後押しとなった。
父親によると、彼は勉強が大好きなタイプではなく、また学習もすいすいと進んだわけでもなく、YouTubeやゲームの誘惑に負けつつ、興味を持たない分野や面白くない内容がある中で頑張って学習を続けていたという。
実際に、FEの科目Aを終えた後、少し疲れたため、次の科目Bの勉強を5カ月間保留にしていた。ただ、その間、Unityや小学6年生までの計算、Microsoft Office Specialist(MOS)のWord、Excel、PowerPointの資格取得をしていた。
学習方法は、主に本を使用し、分からないところは両親に聞いていた。学習の工夫として、父親とごっご遊びをして学習したという。例えば、お客役とベンダー役に分かれて電話でやりとりを行い、RFP(提案依頼書)やRFI(情報提供依頼書)などを学ぶというものだ。他にも「プロジェクト憲章」や「WBS」(Work Breakdown Structure)を一緒に作ってリビングに置いていたりもした。
モチベーション維持のために、プロジェクト管理ツールであるJIRAのカンバンボードも導入。さらに、アルゴリズムを勉強するために、父親とアルゴリズム入門の本を書く体でWikiツールに説明文を書いたり、練習問題を作って解いたりもしていた。
将来の目標は決まっていないが、同年代の人とITの勉強やアプリやゲームを作りたいと答えている。詳細については、情報処理学会のnoteを参照して欲しい。
Source and Image Credits: 奥村 明俊. 情報処理技術者試験の最年少合格者とご両親の声. 情報処理学会. 情報処理 65巻1号2023-12-15
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