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Saturday, January 6, 2024

愛され続けて約40年!柔らかな光が心地いい「2245ランタン」 - au Webポータル

愛され続けて約40年!柔らかな光が心地いい「2245ランタン」 - au Webポータル

【アウトドア銘品図鑑】

「2245ランタン」はプリムスを代表する小型ランタンです。

初期モデルが何年に登場したのか正確にはわからないのですが、日本進出の足がかりとして設立されたイワタニ・プリムス創業時(1985年)にはすでに発売されていたそう。

イグナイターやチェーンが搭載されるなど、機能的なマイナーチェンジはなされていますが、卵のような丸いフロストグローブとコンパクトなトッププレートなど基本的なデザインはそのまま。

90年代のオートキャンプブームではシルエットを模したバッテリーランタンが発売されていたし、2022年末には「2243バーナー」とともに創業130周年記念“ヘリテイジコレクション”として登場し話題になったのは記憶に新しいところです。

大光量モデルや多機能などいろいろなランタンが誕生しては消えていく中、ゆうに40年は愛され続けている理由とは? 現行モデルのサンプルでその魅力を探ってみましょう。

■気負わずシンプルで安らげる

「2245ランタン」(1万4300円)は大きすぎず、ソロならメイン、ファミキャンではテーブルライトに…とシーンを選ばず活躍するコンパクトなランタンです。

▲プラスチックハードケース約8.3×8.3×H14cm(実測)

フタ裏と底にウレタンを装備したハードケース入り。自転車やバイクだと荷物をぐいっと押し込みますが、そんな使い方でも安心して持ち運べます。もちろんクルマで山道をガタゴト走るなんてときも怖くないのがいい!

▲本体8.3×8.3×H12.7cm、重量200g。燃料、プリムス社のバーナー(写真左)と大きさ比較

プリムス製のシングルバーナーなら燃料を共用できるので効率よし。軽快に持ち運べるのもいいですね。

▲取り付ける前に燃料の製造年月日を確認。7年以内のものを取り付けて

ちなみにガス消費量は30g/hで、250缶なら約8時間燃焼します。

点灯時間は冬で16時から消灯時間までの5時間、夏なら18時から3時間ほどなので、ソロキャンプなら1缶で料理も明かりもまかなえそう…ですが、暗くなったら湯を沸かせないのは痛いわけで。結局2缶必要なんです。とはいえ残りわずかで調理には使いづらい燃料をランタンで使い切れるのはめっちゃ便利!

トッププレートにはプリムス本社がある「SWEDEN」と刻印されています。かつては型番や使用燃料なども刻印されていたようですが、現行モデルはシンプル。

トッププレートは4本の爪で取り付けられています。単純だけど壊れようのない構造。

マントルを取り付けるには、まずトッププレートを上に引き抜きましょう。

そのままではグローブは固定されたまま。

よく見ると旧モデルは吊り下げ用チェーンを固定するだけのプレートでしたが、現行モデルでは吊り下げ用ワイヤーが付いたプレートをグッと両側から押し込むとグローブの押さえが開放されるボタンになっています。

▲ボタンを押す前(左)と押したあと(右)

フチを押さえていた金具が開放されたら、そっとグローブを取り除けばいいんですね。

▲自動点火装置付き

点火装置の電極とバーナーとの隙間が3〜4mmになっていることを確認したら、マントルの取り付け+空焼きです。

「2245ランタン」では「マントルA(IP-8052N)」を取り付けます。燃焼部分をよく見ると単純な円柱ではなく上下に小さな“くびれ”があります。これがマントルの取り付け位置。

▲電極の先端のみマントルの中に入るのが正解

マントルについた紐を結んで固定し、長い紐をハサミで切って…というひと手間が必要ですが「マントルA(IP-8052N)」(2枚入り / 990円)はあらかじめヒモが短くカットされていてバーナーに被せるだけ。めっちゃ簡単。

それに「マントルA(IP-8052N)」は両側に適切な大きさの穴があいていて、小さい穴(緑のヒモ)が上、大きい穴が下になります。

だれもが簡単に使えるようになっているのがたまりません。

▲マントルの下から上に向かってライターの炎を当てていき、最後にガスを少量出して白くなるまで焼く

風の当たらないところで空焼き。ふんわり大きなマントルですが、空焼きをすると丸くて小さくなるのが楽しいですね。

▲グローブやトッププレートを元に戻して点火

キャンプ初心者にとって「マントルの空焼きって大変」なイメージがあるのですが、対応マントルは取り付けやすいし、ちょっとくらい菱形のまま燃やしてもきれいに丸くなるので決して面倒でも難しくもありません。

なによりも空焼きをしていると「これから夜だ!」とワクワク。これはLEDランタンにはない魅力といえます。

■今だからこそフロストグローブ

「2245ランタン」はちょっと珍しいフロストグローブ(すりガラスのホヤ)。かつてはクリアタイプのグローブが販売されていましたが、現在は廃盤となっており、「2245ランタン」といえばフロスト! なんですね。

▲グローブに記されているのは「PRIMUS」と「EASY LIGHT」の文字

刺すような光ではなく、やさしい光がフワッと周囲に広がります。

「2245ランタン」は暗いなんていうクチコミがありますが、日常生活は明るすぎるほど光に満ちているわけで、キャンプくらいは落ち着いた光に包まれたいもの。

大光量自慢のランタンはなにか作業をするときに非常に頼りになりますが、まったり過ごすにはちょっと刺激ありすぎ。

フロストグローブを装着した「2245ランタン」の光はリラックスしたいときにぴったりなんですね。

それにテーブルに置くと雰囲気よし。目を刺激しないので夜、眠りにつきやすいのもいい感じ。燃焼時の音も静かです。

グローブは下がすぼまっており影ができにくいのも◎。グローブを守るガード的なものもなく、ムラのないきれいな光となります。

照度は約370ルクス(Tガス使用時)でソロやデュオのコンパクトなサイトならメインの明かりとして十分でしょう。

▲吊り下げワイヤー付き

吊り下げ用のワイヤーサスペンダーを装備。変形しないハンドルではなく、収納ケースにコンパクトに収まるし変に絡まりません。

うれしいのはワイヤーサスペンダーの先端はフックになっていること。よくある閉じたハンドルではランタンハンガーの端から慎重に通さなくてはならないし、ハンガーの形状によってはSカンと併用しないと吊せないことも。

フックであればそのまま引っかけられるし、Sカンのように取り外し時に落としてなくすこともありません。

ミニマルなデザインと機能を持つ「2245ランタン」はいかにも北欧ブランドっぽいプロダクト。キャンプシーンにもLED化の波は押し寄せていますが、控えめな燃焼音とやわらかな光が魅力の「2245ランタン」は、LEDにはない息づかいを感じます。

派手さはないけれど、自然の中で静かに過ごす大人のキャンプにぴったり。これこそが40年もの間、愛され続ける理由なのでしょう。

撮影協力/イワタニ・プリムス

>> イワタニ・プリムス

>> [連載]アウトドア銘品図鑑

<取材・文/大森弘恵

大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter

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2024-01-06 10:00:00Z
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