2018年10月のRetina化以来、再びMacBookシリーズの中でも定番的存在となっているMacBook Air。その次世代機は2020年中、早ければ半ばごろにも発表されるのではとウワサされています(上写真は現行モデルです)。
このMacBook Air(MBA)2020年モデルは以前より、キーボードの改良(16インチMacBook Proに近いMagic Keyboard化)などがウワサされてきましたが、ここへ来てPCとしての処理速度も大きなパワーアップとなりそう、という嬉しいウワサが出てきました。
これは、有名ベンチマークアプリとして知られる「Geekbench」の公式集計サイトに、アップル製と称する機種の結果が登録されたことから。これが本当にアップル製モデルであれば、状況証拠と照らし合わせると2020年版MBAの可能性が大きく、またテスト結果はCPUが現行モデルよりも大幅に高速化された、インテル第10世代の"Ice Lake"(開発コード名)である可能性を示しています。
CPUは物理コア数倍増。最高速度は現行機の2.5倍以上に?
今回登録されたデータですが、モデル名が『ICLRVP1,1』、OSが『macOS 10.15.3 (Build 19D2024)』。そしてUEFI上のマザーボード名はApple Inc.の文字列が含まれたものとなっています。
なおデータは1月2日19時時点でも削除されていないため、直接確認が可能でした(記事末尾のSource欄にリンクがあります)。
これがIce Lake搭載機と推測される理由に関しては、後ほど詳細に紹介します。まずは気になるベンチマークの結果から見ていきましょう。
最も注目できるのが、Geekbench 5でのシングルコアが『1160』、マルチコアが『4265』という値です。現行モデルのMBAでは、それぞれのスコアはおおよそ750~770、1500~1600前後といったところ。
つまりシングルコア動作では1.5倍前後、全コア動作では2.6倍程度という、かなりの差となります。
当然ながらベンチマーク結果と実アプリの快適度は異なるものですが、Geekbenchでここまでの大きな差であれば、実際の速度もかなりのアップと呼べるレベルです。
こうした大きな差となる要因は、搭載が予測されるCPU(後述しますが『Core i5-1030G7』が有力視されています)が、現行MBAの『Core i5-8210Y』に比べて基本仕様レベルでの大強化となるため。
中でも大きいのが、CPUのコア数と同時処理スレッド数が2倍(4コア8スレッド)となった点。TDP値(発熱と消費電力の目安となる値)は2W上昇した9Wとなるため、実バッテリー駆動時間などは減少する可能性がありますが、ここまでの大強化であれば納得できそうです。とくにマルチコアでの大幅な性能向上は、コア数自体が2倍に増加しているのですから、ある意味でまさに妥当でしょう。
加えて今回のデータでは明らかになっていませんが、Core i5-1030G7を搭載するのであれば、グラフィックス(GPU)の処理速度も大幅な強化が見込めます。
「Ice Lake搭載」の「MBAである」と推測される理由とは
この結果がIce Lake搭載機とされる論拠の一つが、Processor Information中にあるIdentifierの欄。『GenuineIntel Family 6 Model 126 Stepping 5』と表示されていますが、これはIce Lakeの持つ数値となっています。
またIce Lakeと推測される論拠はもう一つ。それはメモリ情報で、Frequency(動作周波数)が『1866MHz』、Type(メモリタイプ)が『LPDDR4』と表示されている点。ここで表示される周波数は、いわゆるDDR4-○○の半分。例えばDDR4-2666では、1333MHz表記となるわけです。
そしてここが1866MHzということは、搭載RAMの種別は、Ice Lake搭載機種で採用されることの多い超高速メモリ『LPDDR4X-3733』と予測できます。インテルのコンシューマー向けCPUでここまでの高速メモリが使われるのは、現状では実質的にIce Lakeのみなのです。
さらに具体的なCPUのモデル名については、先述のように『Core i5-1030G7』が有力視されています(今回もインテル側が未発表のCPUでなければ、ですが)。
これはBase Frequencyが『800 MHz』と表示されている点によるもの。Ice Lakeは比較的モデル数が少ないため、基本動作クロックが800MHzのモデルはこの1機種しかないためです(同CPUの基本データは、文末のSource欄よりインテルのデータベース『ARK』へのリンクを参照ください)。
こちらも先述したように、i5-1030G7の発熱と消費電力の目安となるTDP値は『9W』。現行のMBAでは7Wですが、この9Wという値はMBAの冷却機構であれば十二分に搭載可能な値です。つまり熱設計的にも妥当性を有する、というわけです。
加えて、内蔵されるGPUが強力な『Iris Plus グラフィックス』である点も、この推測を後押しします。MacBookシリーズは従来より伝統的に、インテルCPUの中でもGPU速度を重視したグレードを採用してきたためです。
なお、当該機種がMBAと推測できる理由(MacBook Proではない理由)も、ここにあります。MBPでは従来よりTDP値が15W以上のCPUを搭載してきたことから、ここまで基本動作クロック(とTDP値)が低いモデルを採用する理由がないためです。
キーボード「Magic化」に加えての高速化で大ヒットに?
▲インテル側が紹介する"Ice Lake"の特徴。実は左下の「First Integrated Thunderbolt 3」が重要だったりします
さて、ここまで詳細に紹介してきましたが、実はもともと「次世代MBAはIce Lakeを搭載するのでは?」という予測は出ていました。というのも、Ice LakeというCPU自体が「非常にMacBookシリーズに向いた」特徴を持つため。
とくに、従来よりMacBookシリーズで重視されている「Windowsでのライバル機に比べて強力なグラフィックス性能」「Thunderbolt 3の搭載」といった点ではもってこいの構成。とくにThunderbolt 3に関しては、コントローラーをCPUに内蔵さえしているのです。
IntelのノートPC向け第10世代Coreは、Ice Lake系の他にも、Windows機で多く採用される"Comet Lake"(開発コード名)系が混在しているという非常にややこしい状態となっていますが、おおまかにはComet~がCPU速度と消費電力の低さを重視したタイプで、Ice Lakeがグラフィックス速度重視+Thunderbolt 3内蔵タイプ、という位置づけ。
こうしたキャラクターからも、CPUの情報に詳しいアナリストやライターの中では「MacBookに搭載されるCPUは、今後はIce Lake系が主流になるだろう」と予測されていた......というわけです。
このように、性能的には大幅な強化となる可能性が出てきた2020年版MBAですが、これが本当であれば大きな買い時になりそうです。とくに別途ウワサされているキーボードの"Touch Bar非搭載Magic Keyboard化"が同時に来るのであれば、なおさらと言えるところ。
ともすれば2020年後半の新MacBookシリーズでは、Airが人気の面でProの一部を喰ってしまう、ジャイアントキリング的展開も見られるのかもしれません。
2020-01-02 10:00:00Z
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