新型コロナウイルスの治療に使える可能性が指摘されている抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」を巡り、米トランプ政権内で、慎重な対応を求める医師と積極活用を薦める大統領側近らが激しく対立している。画期的な治療方法がないなか、ウイルス対策で前向きな提案をしたいトランプ大統領は、側近らに耳を傾け、医師と異なるメッセージを国民に発信して混乱に拍車をかけている。
米政府のコロナ対応で先頭に立つ国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は、この薬について「効果があったという報告となかったという報告があり、科学的に効果があると断定的に言える状態ではない」(5日のCBSニュース番組)と説明している。
だが、トランプ氏は連日の記者会見でヒドロキシクロロキンを「新型コロナウイルスにも効く兆候がある」と主張。複数の米メディアによると、この薬をトランプ氏に推奨しているのは医学的知見のない、国防生産法による物資調達の調整官を務めるナバロ大統領補佐官やトランプ氏の顧問弁護士のジュリアーニ元ニューヨーク市長だ。
ナバロ氏は6日のCNNのインタビューで、自らとファウチ氏が4日の会議でこの薬を巡って意見を戦わせたことを認めたうえで、「内部で論争がなければ、トランプ政権はこんなに強くはない」と主張。「医者の間にはいつも異なる意見がある」とも語り、この薬を有用と考える医師がいると反論した。また、自らの医学的知識については「私は博士号(経済学)を保有する社会科学者だ。統計的な研究は、それが医学だろうが、経済学であろうが理解できる」と強弁した。【ワシントン古本陽荘】
2020-04-07 06:14:07Z
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