アドビシステムズが6月16日、Creative Cloud製品をアップデートした。本稿ではPhotoshop、Lightroomなどのフォト関連の新機能を中心に紹介する。
アドビによれば、新型コロナウイルスの影響により在宅ワークが拡大したことで、「写真やビデオの編集をしようという人が増えている」という。Lightroomを起動した際に表示されるチュートリアルの再生ユーザーはグローバルで150万人を突破したそうだ。Lightroomには他のユーザーの編集履歴を確認できる機能もあるが、これをチェックしている人も300万人を突破。チュートリアル機能も2,600万人以上が視聴しているという。
Photoshop
まず、フォントの扱いが進化した。他人が作成したPhotoshopファイルを開いたときに、指定されたフォントがPC内になかった場合、従来は「フォントが存在しない」というエラーが出ていたが、このフォントがAdobe Fonts内にあった場合は、自動的にダウンロードして適用する自動アクティベーションが追加された。細かな改善だが、効率がよくなる機能追加だ。なお、PhotoshopだけでなくIllustrator、InDesignでも同様の機能が追加されている。
また、これまで搭載されていた「マッチフォント」も強化。画像内のテキストを解析してそのフォントに近いデザインのフォントを提示してくれる機能だが、新たに日本語フォントの縦書きに対応。複数行のマッチフォントもサポートしており、解析した結果、PC内の近いフォントがリストアップされるほか、Adobe Fontsからも検索される。Adobe Fontsには日本語フォントは206、欧文フォントを含めると1万以上のフォントがあり、そこから検索する。
編集関連の新機能としては、「被写体の選択」がさらに進化。自動的に画像内から被写体を抽出する機能で、前バージョンでも人物を正確に抽出してくれるようになっていたが、髪の毛のような非常に細かいエリアの切り抜きがうまくいかない場合もあった。
しかし、新バージョンでは細かい部分も詳細に抽出できるようになった。ワンクリックで人物をきれいに切り抜けることで、合成や補正を行うシーンの作業がより効率的になる。
今回のフォト製品のアップデートでは、主にコミュニティの強化とAdobe Senseiの機能強化が図られている。編集履歴の共有機能のように、単に完成写真を見せるだけでなく、その完成に至るまでの履歴、つまりどういう意図を持ってどのように作品を生み出したか、その過程が見られるというのは、作品作りに大きく役に立ちそうだ。
そしてAdobe Senseiは、AI技術の機械学習によって、これまで複雑で長い手順が必要だった作業を自動化して、簡単に実行するため補助としての役割を果たしている。多様な画像や動画を学習させることで、PhotoshopやLightroomでも様々な機能が実現されている。この学習と機能改善の成果が、今回Photoshopに搭載された人物に特化した被写体の選択機能だ。
髪の毛のような細かい部分まできれいに切り抜けるようになると、効率性は著しく向上する。こうしたAdobe Senseiの技術はCreative Cloud製品の至る所に盛り込まれており、これまでもLightroomの自動補正、ディテールの強化、検索といった機能で使われていたし、Photoshopならコンテンツに応じた塗りつぶしや顔認識による調整などに活用されている。
2020-06-16 15:00:00Z
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