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Saturday, July 4, 2020

街をのみ込んだ濁流 「救助はいつ…」住民ら悲鳴 - 日本経済新聞

濁流は川岸を乗り越え、一気に街をのみ込んだ。4日未明、熊本・鹿児島両県を襲った記録的豪雨。家屋は茶色い水につかり、山裾の家々が土砂崩れで埋まった。「救助はいつ来てくれるのか」。九州では5日も大雨が見込まれ、避難した住民らはおびえながら不安な一日を過ごした。

 球磨川が氾濫し、水に漬かった熊本県人吉市の市街地(4日午前11時49分)=共同通信社ヘリから

 球磨川が氾濫し、水に漬かった熊本県人吉市の市街地(4日午前11時49分)=共同通信社ヘリから

 熊本県芦北町の土砂崩れ現場(4日午後0時5分=共同通信社ヘリから

 熊本県芦北町の土砂崩れ現場(4日午後0時5分=共同通信社ヘリから

「聞いたことがないほどの大きな音が聞こえた」。熊本県人吉市の球磨川のすぐそばに立つ「町屋旅館 一富士」を経営する松田諭さん(35)は地面をたたきつける豪雨の音を振り返り、声を震わせた。4日午前6時ごろ、避難所に向かおうと試みたが、10分もしないうちに水位が上がり始め、あっという間に旅館の3階まで濁流が流れ込んだ。

5人の宿泊客と屋上に逃れたが、周辺には流されてきた自動車や樹木が押し寄せ、泥や灯油のような臭いが充満していた。その後、水位は下がり始めたが、午後2時になっても2階は浸水したまま。「救助のメドが立たず、備蓄していた食料や水がいつまで持つか分からない。お客さんだけでも早く避難させたい」と危機感を募らせた。

「これはもうだめだ」。熊本県芦北町の養護老人ホーム「有隣」の施設長、井川正憲さん(61)は午前5時半ごろ、自宅近くを流れる佐敷川の水が床下まで押し寄せたため自家用車に飛び乗り、高台に急いだ。自宅周辺では未明から約30分おきに警報が鳴り響き「とても眠れる状況ではなかった」という。

雨が弱まると、胸まで水につかりながら約50人が入居する施設に向かった。川から1キロ離れた高台に立つ施設でも、水は10センチほど手前まで迫っていた。施設の敷地の裏手には山があり、さらなる雨で地盤が緩めば土砂災害の恐れもある。「高齢の入居者をこれから避難させることは難しい。再びまた大雨が降らないか心配だ」と不安を口にした。

同県球磨村の球磨川近くで自動車整備工場を経営する男性(70)は午前3時ごろ、道路に水があふれたのを見て慌てて家族7人で近くの寺に避難した。「水害には常に備えていたが、ここまで水が迫ってくるのは想定外だった」

家族は無事だったが、工場と自宅は浸水。工場にあった車は避難前に別の場所に移動させたが、車の整備に使う機械は水につかった。「これからどうすればいいのか」と頭を抱えた。

大雨に見舞われた地域では、停電などにより電話が通じない場所も多い。同県八代市によると、球磨川沿いにある市の坂本支所には避難してきた住民がいるとみられるが、停電で電話がつながらない状態という。

同市は午前6時ごろから市内20カ所に避難所を開設し、午前11時半時点で116人の住民が避難した。住民らの密集が想定されるため、新型コロナウイルスの感染対策として入り口に消毒液を設置し、入室前に検温と体調チェックも行っている。

避難者同士の間隔を空けるため間仕切りも設置するといい、市担当者は「保健所や医師の指示を基に、体調不良を訴える人にはできる限り離れた場所で待機してもらうなどの対応を講じたい」としている。

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