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Sunday, July 5, 2020

観測史上最も深いところで泳ぐダンボみたいなタコの撮影に成功 - ギズモード・ジャパン

観測史上最も深いところで泳ぐダンボみたいなタコの撮影に成功 - ギズモード・ジャパン

科学者たちは、非常にユニークな場所で、新しい種として認められそうな愛らしい ダンボのようなタコを発見しました。発見された場所はなんと、インド洋の深さ4マイル(約6,957m)以上もある深海だったのだとか。これは、頭足類が確認された深さとしては史上最深なのだそうです。生き物と深海の関係についてまだ学ぶことがたくさんあることを教えてくれるこの新たな発見は、Marine Biologyに発表されました。またこのタコは、すべての深海生物がとがった歯を持っていたり、奇妙な光を放ったりしているわけではないということを思い出させてくれます。中には、かなりかわいいものもいるみたいですよ。

世にもかわいい「ダンボ」タコ

海洋生物学者のアラン・ジェイミソン氏は、2019年4月にインド洋の深海に潜ったとき、そのタコを直接見ることはできませんでした。潜水艦に座って1日の大半を海底探索に費やしていた彼は、骨のあるウツボ、エビ、イソギンチャク、さらには新種と思われるカタツムリのような海貝に遭遇したそうです。地上に戻って、潜水艦とは別の場所に送られたカメラ映像を確認するまでは、このかわいい深海生物の画像を撮影していたことに気づかなかったとのこと。

深海研究グループであるArmatus Oceanicのために調査を行なったジェイミソン氏は、Eartherに次のように語っています。

まず最も重要なのは、プロフェッショナルとして仕事をやり遂げることです。でも、仕事から離れた個人としては『すげークールじゃん』って思うし、未知の領域で興味深く、奇妙でもあります。今まで撮影しかしたことがなかった種を突然、窓から生きたまま見れるのは、それはそれは素晴らしいことです。

科学者チームが探索の間に観察した2匹目の「ダンボタコ」は、目の上に耳のようなヒレを持つ頭足類の一種で、目撃されたのは水深3.6マイル(5,760m)の地点でした。これまでにタコが観測された最も深い場所は、50年前にバルバドス沖で行われた調査での3.2マイル(5,145m)なんだそうです。今回のタコはさらに深い海域で、しかもインド洋で目撃されたため、ジェイミソン氏はこれが全くの新種なんじゃないかと考えています。それを確認するには、さらなる分析のために標本を集める必要があるのですが、今回は装備不足だったらしく実現できなかったようです。

ジェイミソン氏はそのときの無念をこう話しています。

チームの誰かが水圧で死ぬ覚悟がないと、このタコを捕まえて海面まで持ってくることはできないでしょうね。

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Image: ATLANTIC PRODUCTIONS FOR DISCOVERY CHANNEL

別の探索チームは、他の海域で同属のタコを発見したことがあるそうです。研究者たちがモントレー湾を優雅に泳ぐダンボタコを捉えた高品質の映像があります。萌え死にしたい方は、赤ちゃんダンボタコをチェックしてみて。赤ちゃんの破壊力は、大人を凌駕しています。

深海にまでおよぶ人間による環境汚染

こんなに深い場所でダンボダコが発見されたのは驚くべきことのようです。これで、頭足類の生息可能範囲が海底の99%にまで拡大しちゃったんですから。しかし、海洋の野生生物全体は生態学的危機に直面しています。だって、深海だからといって、人間の魔の手から逃れることできないんですもの。最近では、深海を含めていたるところプラスチック汚染が起こっているようです。ジェイミソン氏は、今回発見したタコもすでに測定可能な量の汚染物質を体内に抱えていて、他の深海生物も同じ運命を背負って生きているのではないかと想像しているそうです。人間って…。

気候変動が深海生物の命を育む生態系に与える影響に対して、どの程度の回復力があるのかを予測するのは難しいようです。ダンボタコも、与えられた環境の中で生き残るのがやっとの状態で、小さな変化ですら壊滅的な影響を与えてしまうかもしれないとジェイミソン氏は述べています。でも、科学者たちはまだ全容を把握できず、海に何が隠されているのかを学んでいる真っ最中。なによりも怖いのは、科学的発見よりも先に、海が人間によって破壊されてしまうことです。

ジェイミソン氏はこう語ります。

人間は、まだ発見されてもいない動物を汚染しているのです。

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2020-07-05 14:00:00Z
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