伊藤健太郎容疑者が出演した映画「とんかつDJアゲ太郎」(二宮健監督)が30日、予定通り公開初日を迎えた。同容疑者と親交が深い主演北村匠海(22)は「正直、この映画をフラットに見てくれる人がどれだけいるのか、不安な気持ちもあった」などと複雑な心中を涙声で吐露した。

共演者の逮捕から一夜明けた北村は、今の思いを聞かれると声が詰まった。「僕も今日、ここに立つことが少し怖かったり、いろいろな思いでいる」。目に浮かんだ涙をこぼさないためか、繰り返し天井を見た。

ちょうど1年前に撮影された映画は当初、6月19日公開の予定だったが、新型コロナの影響で公開延期となった。その中、9月8日に伊勢谷友介被告(44)が大麻取締法違反容疑(所持)で逮捕、起訴された。さらに公開2日前には、伊藤容疑者がひき逃げなどの疑いで警視庁に逮捕された。

単独初主演作の度重なる“受難”。しかも公開前日の友人の逮捕を受け、出演予定だったフジテレビ系「めざましテレビ」(月~金曜午前5時25分)を欠席。同局は映画を製作しており、北村は「朝、急きょ欠席してご迷惑をおかけしました」と謝罪した上で前を向いた。「本当に、心の底から今日、ここに立てていて、映画が公開できたことが、とてもうれしい。かわいそうなヤツではないし、とても幸せ者だと思っています」と声を震わせた。

今年1月、伊藤容疑者との交際が一部で報じられた山本舞香(23)も登壇。関係者によると、逮捕を受け「強いショックを受けている」という。ただこの日、事件に言及こそしなかったが観客に「久々に正面で皆さんの顔を見ることが出来て、本当にうれしいです」と呼び掛け、笑顔で手を大きく振るなど気丈に盛り上げた。   【村上幸将】