今年8月10日に亡くなった俳優渡哲也さん(享年78)の追悼上映会が15日、都内で開かれ、親交のあった映画監督でカメラマンの木村大作氏(81)がトークショーを行った。

この日上映された「時雨の記」「誘拐」でカメラマンを務めた木村氏は「追悼の意を込めて黙とうをしましょう」と冒頭に15秒の黙とうを行った。

用意された椅子には座らず、約50分間スタンディングでパワフルに話した。先月10日に渡さんと親交の深かった舘ひろし(70)が渡さんへのコメントを出したことを受けて、この日の出席を決めたという。「今日をもちまして渡さんに対する気持ちを整理できたと思います」としみじみ語った。

食事に行ったエピソードや撮影現場での裏話などを挟みながら「あんなにいい顔した俳優さんはいないですよ。じっとしている顔、表情に何かを感じる」と振り返った。

高倉健さんと渡さんが似ていたと明かし、「いつ死んでもいいように生活を処していた」とも。2人とも本人の強い意向で密葬が営まれた。改めての別れをすることができなかったため「なかなかお別れのきっかけがない…なかなかけりがつかない」と残念がる場面もあった。

自身は先月27日に文化功労者に選出された。次作も期待されるが「時代劇をやろうと思っている」と意欲をみせた。