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Tuesday, February 2, 2021

子どもが私立中へ進学 学費をどうやって捻出するか|NIKKEI STYLE - 日本経済新聞

2月1日から、いよいよ都内の中学受験が始まりました。千葉や埼玉、関西圏では1月に始まっていましたね。この記事が公開されるころには、今年の中学受験は落ち着きを見せ始めているでしょう。受験を目指す現在小学4年生、5年生のお子さん、親御さんは、自分たちの受験を思い浮かべ、緊張されている時期かもしれません。

さて、塾などのデータでは、都内の小学6年生の5人に1人が中学受験をしているといわれています。我が家の小6の五女のクラスでは、3分の2ほどもの子が受験するのだそうです。まれなことではなくなってきた中学受験ですが、入学後の学費の支払いを心配するご家庭は、特に新型コロナの影響を受けた今の時期においては少なくないようです。

私立中学校にかかる納入金は、初年度で100万円前後、2,3年生は60万~80万円ほど。もちろんそれ以上かかる学校もあります。この教育費の負担が中学校の3年間で終わらず、高校までかかる中高一貫校の場合、6年間の費用負担を覚悟しなくてはなりません。その後大学に進学するためには、さらに教育費が必要です。私立学校への進学を選ぶと、その先ずっと教育費がかかりがちになります。この多大な教育費は、どのように支払い、また準備していくとよいでしょうか。

教育費は基本、ランニングコストと考える

中学、高校とこれから成長していくお子さんにかかるお金を、入学前にしっかりためておくことは、多くのご家庭で簡単にはできないことです。さらに大学入学に向けて資金をためていかなくてはいけません。となれば、私立中学の授業料などの納入金は、教育費のランニングコストと捉え、毎月の生活費から負担できることが望ましいと考えています。

例えば年間の学校納入金が70万円ほどの場合、月の負担は約5万8000円です。確かに負担の大きい金額ではありますが、これまでも塾や習い事などの費用負担があったでしょうから、想像できる金額ではないでしょうか。この金額をしっかりねん出できるように、毎月のやりくりをしていきましょう。

そして、入学金や制服代、大学進学費用などの一時的にまとめて支払う金額は、教育費用の貯金としてためていくのです。毎月金額の大きな教育費を支払いながら、その先の教育資金をためていくのは大変なことですが、できないことではないのです。

まずは支出のコントロールを

ランニングコストをきちんと支払い続け、かつ今後必要となる教育資金をためるには、支出のコントロールが不可欠です。そのために、支出の見直しをするようにしましょう。

毎月、何にいくら支払って暮らしているか、把握はできているでしょうか。できていない方は支出を記録してみましょう。手書きでもいいですし、家計簿アプリを活用しても構いません。また1円単位ではなくとも、100円単位などの大ざっぱな記録で構いません。だいたいの支出の傾向とその金額が分かればよいのです。

記録ができたら、その支出の内容を振り返ってみます。どれもこれも必要な支出だったでしょうか。おそらく「なぜこれにお金を払ってしまったのか」と思える支出もあったはずです。このような支出を減らすことができれば、増えた支出をカバーしていくことができます。

増える支出があるなら、減らす支出をみつけなければ、支出は増えるばかりです。ですが、中には減らす支出を見つけるのが苦手だという方もいます。そのような方は、「支出の優先順位」をつけ、下位にくる支出を思い切ってカットしてしまう、または支出頻度を少なくすることで、ムダ支出を減らしていくことができます。

大ざっぱなたとえですが、子どもの将来のためのに教育費は優先度が高いのでなんとしてでも払うけれど、乗車頻度が少なく維持費が高い自動車は必要度も低いので思い切って手放す、というふうにしていくのです。順位をつけていくと、今まで大切だと思っていたものも、実はお金がかかるだけで使っていなかったとか、お金をかけていた割に役立っていなかったということに気が付きやすいものです。また、迷いがあっても思い切ってその支出をカットしてみると、さほど生活には影響しないということにも気づくでしょう。

このように支出をコントロールすることは、お金をためるために必須なことなのです。教育費に限らず、老後資金づくりなどにも有効なことです。そして、お金をためるために必要なことは、これだけではないのです。

お金をためるためにする3つのこと

教育費に限らず、お金をためるために必要なことは3つあります。「収入を増やす」「支出をコントロールする」「使わないお金があれば運用する」です。支出のコントロールは誰でも取り組みやすいものですが、これだけでは限界があります。生活に困窮感がでるような過剰な支出カットをしてはいけません。

支出をコントロールしてみてまだお金のたまり具合が足りない、またはたまるスピードをアップさせたいという場合は「収入を増やす」ことを考えてみてもよいと思います。今より少し収入を多くして、貯金に回していくのです。

例えば、専業主婦だったが、子どもが学校に行っている数時間パートをしてみる。仕事の休日に趣味を仕事にして副業収入を得るなどです。無理をして働いて体を壊すと逆に支出増となってしまいますから、無理のない範囲で収入を増やしていくのです。

このようにしていくことで、中学校の学費を支払いながらその先の進学に備えてお金をためるということが実現できます。ためる金額は、中学・高校でかかる費用としてまずは100万円ほど、大学進学資金として300万円ほどの合計400万円ほどを最低ラインの目標として取り組んでみてはいかがでしょう。そして、それが達成できたら、ご自身の老後資金づくりも忘れずに取り組んでください。

横山光昭(よこやま・みつあき)
家計再生コンサルタント、株式会社マイエフピー代表。お金の使い方そのものを改善する独自の家計再生プログラムで、家計の確実な再生をめざし、これまでの相談件数は2万3000件を突破。著書に『はじめての人のための3000円投資生活』『年収200万円からの貯金生活宣言』など。オンラインサロン「横山光昭のFPコンサル研究所」を主宰。

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