国税庁によれば、平成28年の相続財産の金額の構成比は、土地38.0%(平成27年38.0%)、現金・預貯金等31.2%(平成27年30.7%)、有価証券14.4%(平成27年14.9%)で、日本全体で見ても不動産の割合が大きいことがわかります。場合によっては、この比率よりも大きい場合もあるでしょう。 簡単に分けられない不動産を、兄弟姉妹でどうやって折り合いをつければよいか考えてみましょう。
法定相続にする必要はない
そもそも、相続財産を分ける場合に、配偶者と子どもで1対1にする、などと書かれていますが、これは「法定相続」なので、分割協議、つまり話し合いで相続人たちの間で合意ができれば問題ありません。例えば兄と妹がいて、妹が親と同居して全面的に親の介護をやってきた場合、分割協議で「親(妹)が住んでいた自宅は妹が相続してそのまま住む」という合意がなされればそれでいいのです。
分割協議が合意できない場合は
分割協議で合意に至らない場合は、残った遺族が兄と妹の2人の子の場合は、法定相続どおりになれば1対1に分けることになりますが、そこで妹は親と同居していた自宅を(まるまる1人で)相続する、その代わり、現預金などはすべて兄が相続するというのが現実的です。それでも大きく相続財産に差が出て兄が納得しない場合は、妹が金銭を支払うことで精算するという方法をとることもできます。 ただし、この場合、妹が支払うだけの金銭を持っていなければならないという前提が必要になります。さらに、妹が負担してきた介護にかかる時間や労力なども含めなければなりません。
最終的な着地点は双方の歩み寄りしだい
不動産を売却して、分割しやすい金銭で処理する、いわゆる換価分割にすればいいかもしれませんが、売却の時価によっては大きく財産評価を下げてしまうおそれもありますし、そもそもそんな簡単に売却できるとは限りません。 不動産という財産の性質上、不動産を相続するのは1人、というのが現実的であるとみられます。しかし先に述べたように、不公平感をなくすために不動産を相続した人がそれ以外の相続人に自己の金銭から不足分を支払うことができるか、生前、被相続人(亡くなった親など)に貢献したことをどうやって金銭的に測るかなど、結局はどこかでお互いが歩み寄って着地点を見つけることが求められるでしょう。 お互いに主張をぶつけ合うだけでは、結局第三者の介入を依頼せねばならなくなります。そうなれば費用も時間もかかり、その間のストレスやこれまでの人間関係も壊してしまう事態を招くことになりかねません。相続財産に対する思いは人それぞれですが、常に、何が大事で何を優先すべきかを考えれば自ずと解決策は見えてくるかと思います。 執筆者:柴沼直美 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部
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