大相撲はコロナ禍のなかでも感染防止対策を取りながら開催してきました。11月の九州場所は、昨年は東京開催でしたが、今年は2年ぶりに福岡で開催されています。
本場所では関取は15日間、幕下以下は7日間土俵に上がって勝敗を争います。その取組はどうやって決まるのでしょうか。改めて見てみましょう。
取組は誰がどうやって決めるのか
本場所が始まる2日前の金曜日に国技館や地方場所の会場にある審判部の部屋で取組編成会議が開かれます。そして初日と2日目の取組を決めます。会議には審判部長や副部長、審判委員の親方や担当の行司が出席します。
取組内容は行司の部屋で毎日記録
取組編成会議が終わると、行司が「割り場」といわれる対戦相手を読み合わせて確認し記録する作業場で、全力士の台帳に力士名のハンコを押して対戦相手を記録していきます。
栃ノ心の休場で割り返しが行われた
九州場所の初日と2日目の取組が決まってから、栃ノ心が腰痛のために休場しました。初日は、栃ノ心は不戦敗となりました。
2日目の取組は輝との対戦でしたが、急きょ、取組を作り返す「割り返し」が行われました。栃ノ心と輝戦など5番の取組が変更されたのです。不戦勝を作らず1番でも多くお客さんに対戦を見てもらうためです。その後、栃ノ心は症状が良くなって5日目から出場しました。
九州場所初日の取組は166番 朝8時55分開始
取組表はA3版の大きな紙で、関係者は大割と呼びます。表に取組と懸賞が懸かった取組一覧、裏には幕内、十両、それに幕下上位の力士の前日までの勝敗が白丸と黒丸で印刷されています。
九州場所の初日は朝8時55分にいちばん下の序ノ口から取組が始まり、幕内の取組が終わるのは午後6時少し前。初日の取組の番数は166番で、幕内は20番、十両は14番でした。幕下が30番、三段目が45番、序二段が49番、序ノ口が8番。毎日これだけの取組を編成するのは大変な作業です。
取組編成は歴史に残る名勝負を作り出すこともある
13日目の取組では幕下、三段目、序二段、序ノ口の各段で6戦全勝同士の力士が対戦するように配慮されます。そして7戦全勝の力士が1人になったら、その段の優勝が決まります。
7戦全勝の力士が2人以上残った場合には、千秋楽に優勝決定戦を行います。
幕内では9月の秋場所で前頭10枚目の妙義龍が好調で、13日目に貴景勝戦、14日目に正代戦と大関戦が続けて組まれました。前頭10枚目の力士が大関と対戦することは、普通はありませんが、優勝争いを面白くするために「割りを崩す」といわれる本来は対戦しない特別な取組が作られたのです。
妙義龍はその期待に応えて大関2人を破って千秋楽まで照ノ富士と優勝を争い、技能賞を受賞しました。取組編成は歴史に残る名勝負を作り出すこともあるのです。
相撲専門雑誌「NHK G-Media大相撲中継」から
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