在日米軍基地と周辺自治体で新型コロナウイルス感染者が相次いでいる問題を巡り、岸田文雄首相は「日米合同委員会」で対策強化を協議する方針を示しています。公開情報が少なく、ベールに包まれた合同委員会について整理しました。
Q 日米合同委とは。
A 在日米軍が円滑に行動できるよう、日本国内の施設利用や米兵らの法的地位などを定める日米地位協定に設置が明記された「協定の実施に関して相互間の協議を必要とするすべての事項に関する協議機関」です。日米の実務者が2週間に1回程度のペースで、米軍機の航空管制の取り扱いや騒音対策、自衛隊施設の共同利用の範囲など幅広いテーマを議論しています。
Q メンバーは。
A 日本側は外務省北米局長をトップに、法務、農林水産、防衛、財務の各省の幹部級計6人が参加。米側は在日米軍司令部副司令官が代表で、駐日大使館公使や軍関係者の計7人が名を連ねています。
Q 委員会に関する情報が少ないのはなぜですか。
A 1960年に開かれた日米合同委員会の初会合で「公式な議事録は双方の合意がない限り公開されない」と申し合わせたためです。協議は日程を含めて非公開です。
Q 協議の全容を知ることはできないのですか。
A 両国が了解した範囲に限って公表され、概要や全文を外務省のホームページで見ることができます。それ以外は、合意事項が何件あるのかすら明らかにされません。国会への報告義務もなく、「国民の知る権利」を侵害しているとの批判があります。
Q 在日米軍の新型コロナ対策強化に向けた議論の見通しは。
A 首相は「在日米軍の駐留に関わる保健・衛生上の課題」を議論すると言いました。外務省によると、検疫問題を扱うこと以外、具体的な議題は決まっていません。現時点では委員会の正式メンバーではない実務者による協議を始めたばかり。今後どんな成果につながるのか、そもそも成果が全て公表されるのかも含め、不透明です。(川田篤志)
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