2022/04/04 06:03 ウェザーニュース
仕事中などに突然襲ってくる眠気を抑えるため、コーヒーを飲む人は多いと思います。どのような“飲み方”をすれば、より眠気覚ましに効果的なのか。
『毎朝、目覚めるのが楽しみになる 大人女子のための睡眠パーフェクトブック』の著者で、睡眠コンサルタントの友野なお先生に伺いました。
「カフェインには大脳皮質を活性化させる作用があることが、科学的にも証明されています。カフェインの摂取によって精神活動が活発化することで、覚醒作用、疲労の緩和といった効果をもたらしてくれるのです。
ガムを噛んだり冷たい風にあたったりすることや、会話、軽い運動なども眠気予防対策とされていますが、いずれもカフェインの摂取に比べると覚醒効果の持続時間は極めて短いものです」(友野先生)
カフェインが含まれた飲み物は、コーヒーがよく知られていますが、その他にも玉露や紅茶、ウーロン茶、ほうじ茶などのお茶類に加え、コーラやココアにも含まれているようです。
「カフェインは脳を覚醒させ、眠気覚ましに効果のある成分ですが、“がぶ飲み”は厳禁です。興奮作用や血管拡張作用は一方で動悸や血圧上昇を招きますので、飲み過ぎ、つまりカフェイン摂取のし過ぎは身体に負担をかける原因になってしまいます。
コーヒーなら1日あたりカップ2杯程度を目安にしてください」(友野先生)
「個人差はありますが、カフェインは飲んでから30分ほどで覚醒効果が出始めます。持続時間は若い世代で3~4時間とされ、高齢者はさらに長い時間効果が続きます。
空腹時はカフェインの効果が現れるのが早くなり、逆に胃の中に食べ物がある状態だと遅くなることも知っておいてください。また、飲み物が温かいほどカフェインが早く体内に吸収されてしまうので、覚醒状態を長く保ちたいときには、吸収が遅い冷たい飲み物のほうが効果的といえるでしょう。
ただし、夕方以降の遅い時間にカフェインの入った飲み物を摂るのは控えてください。覚醒作用の持続によって、大切な夜の『主睡眠』が妨げられてしまいます。
夕食時のお茶は気をつけていても無意識に飲んでしまいがちです。お茶の甘味成分であるテアニンには安らぎ感をもたらす鎮静作用がありますが、煎茶などにもコーヒーの3分の1程度のカフェインが含まれていることを忘れないようにしてください」(友野先生)
夕方以降の飲み物としては、カフェインが含まれていないハーブティーや甜茶(てんちゃ)、ルイボスティーや麦茶などがお勧めだそうです。
「会社勤務する方でしたら、昼食後の昼休みの時間にコーヒーと短時間の仮眠、つまり昼寝を組み合わせることが効果的です。
ランチを食べた後、コーヒーや紅茶、濃いめの緑茶など、カフェインを含んだ飲料を飲みます。その後に歯を磨いてデスクに戻り、目をつむってください。カフェインの覚醒作用が効き始めるのはおよそ30分後ですから、ちょうど昼寝を終えて午後の勤務が始まる直前頃から効果を現し、さわやかな目覚めをもたらしてくれます。
頭がぼんやりしたような時間が減るので、午後の業務にも高いパフォーマンスが発揮できるでしょう。学校の教室でも同じようにしてみてもいいでしょう」(友野先生)
カフェインの摂取と短時間の仮眠の組み合わせが、目覚めた後の眠気を減らすことは科学的にも明らかになっているそうです。
コーヒーなどのカフェインが含まれた飲み物は、覚醒作用に加えて気分の切り替えにも大きく役立ってくれます。好きなコーヒー豆やお茶の種類を選んで味わい、心と身体をリフレッシュして、“春眠の季節”をすっきり快適に過ごしていきましょう。
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