国内
天皇家それぞれの“春”
満開の桜と共に幕を開けた新年度。天皇家では、愛子さまが大学3年生に進級、悠仁さまが筑波大学附属高校に入学、とお子さま方は新たな学びの扉を開かれた。両陛下のご活動、上皇ご夫妻の転居、秋篠宮ご夫妻の地方訪問など、天皇家の皆さまが迎えられた“それぞれの春“について注目してみたい。
天皇ご一家 皇居で迎えた初めての”春”
この記事の画像(47枚)満開の桜から花吹雪が舞う皇居。天皇皇后両陛下と愛子さまは皇居に引っ越し後初めての春を迎えられた。
愛子さまの成年としての会見が無事に終わり、安堵されると共に、コロナの感染状況や緊迫するウクライナを始めとする国際情勢、頻発する地震などについて案じながら、公務や祭祀に取り組む日々を送られている。
「今年は何とか地方へのお出ましを・・・」
陛下にとって天皇となって3度目の春。コロナ禍による制約で、行事はオンライン中心、地方への訪問は2019年の暮れに豪雨の被災地の福島県と宮城県を日帰りで見舞われて以来2年以上出来ていない。新年のビデオメッセージや誕生日の会見を通じ、陛下は国民と直接交流したいというお気持ちを再三示されているが、一方でご自身の移動により感染を広げてはいけないと律するお気持ちも強いという。
幹部や側近からも「今年はなんとか地方へのお出ましを実現させたい」という声は強いが、現在の感染状況ではすぐに地方訪問再開は難しいのが現状だ。この4月は都内の一部の行事に“リアルな出席“が検討されているほかは、沖縄の式典や熊本で行われる国際会議などにお住まいの御所からオンラインで出席されることになっている。今後も感染状況の推移を慎重に見極めながら、地方への訪問が可能かどうか探っていくことになる。
春は、両陛下にとって“伝統のお仕事”が始まる時期でもある。陛下の稲作は4月に種籾のお手まきが、皇后さまのご養蚕は例年5月に始まり、お二人とも、初めて”皇居の住人”としてこの伝統のお仕事に臨まれることになる。去年、初めて養蚕の全工程の作業に携わられた皇后さまにとっては、お住まいと作業場所が近くなることで、より作業を身近に感じ、頻繁に足を運ばれる可能性も広がる。小学生の頃から10年以上ご自宅で蚕の飼育を続けている愛子さまも、大学の授業後に一緒に作業される、ということもあるかもしれない。
愛子さま 大学での対面授業・春スキーは?
その愛子さまは、この春学習院大学文学部の3年生に進級された。日本語日本文学系専攻で、これまで日本語のルーツや文法を学んだり、平安から昭和初期までの日本文学を読んだり、紀行文を民俗学的な視点で読んでこられたことを3月の記者会見でお話になっていた。入学後一度も対面授業を受けたことはなく、4年間の大学生活はオンライン授業オンリーで折り返し地点を迎えられた。
感染者数がまだまだ多い状況で、登校のメドは立っていないようだが、3年生になると専門性の高い授業も増えるとみられる。少人数の授業などから実際の登校が可能かどうか、状況を見ながら慎重に判断される見通しで、当面はオンライン授業を通じて「知識を広めながら自分の興味を深める」日々が続いていく。学業優先で、週末や長い休みを利用し宮中祭祀などにも取り組まれると見られる。
愛子さまの“春”といえば、春スキーの映像を思い出す方も多いかもしれない。例年春休みはご家族でスキーに行かれ、難しいコースも鮮やかに滑走されるかなりの腕前の持ち主である愛子さま。学習院女子高等科の入学式の際は春スキーの鮮やかなゴーグル焼けのお姿だった。お代替わり後はコロナ禍もあり一度もスキー場に行くことなく、今は身近な職員とマスクをしてバドミントンをするなどして体力と健康の維持を心がけられている。来年の春はスキーを楽しまれる日常が戻ることを願っている。
上皇ご夫妻 旧赤坂御所へ アマビエジェットの思い出
東京・港区高輪の仙洞仮御所での仮住まい暮らしが始まってちょうど2年。上皇ご夫妻は、4月中に赤坂御用地の旧赤坂御所へのお引っ越しを控えられている。当初仮住まいの期間は1年半めどとされていたが、コロナ禍による工事の遅れなどもあり、2年に及んだ。
側近幹部によると、故高松宮ご夫妻のお住まいだった仙洞仮御所で、毎日朝夕にお二人で庭を散策し、四季折々の植物や花を愛でたり、職員と会話を交わされたり、また近隣のマンションの住民とベランダ越しに挨拶を交わす温かい交流もあったという。
さらに、コロナ禍で疫病退散に御利益があると言い伝えられている妖怪アマビエに心惹かれ、お住まいの上空を羽田空港に向けて通過するアマビエジェットの姿を実際に目にされたことも良い思い出になっているそう。高輪での生活を支える周囲の人たちに深く感謝し、仮住まい先での穏やかな時間を振り返られていることだろう。
移居にあたり、引っ越し作業の期間中ご夫妻は御用邸に滞在され、その間に荷物が運び込まれることになっている。上皇ご夫妻が東京の外に出られるのは、前回の皇居からの引っ越しにあたり葉山御用邸などに滞在された2020年3月以来2年ぶり。
移り住まれる旧赤坂御所は、ご夫婦にとって、結婚後天皇陛下や秋篠宮さま、黒田清子さんを育て、30年あまりを過ごされた思い出深い場所。その後今の両陛下が愛子さまを育てながら四半世紀を過ごされ、上皇ご夫妻の入居にあたりバリアフリー化、エレベータ、医療設備などの改修が施された。
公的部分の工事はまだ途中で6月ごろまで続く見通しだが、ご夫妻が入居されると、名称は天皇だった方のお住まいを意味する「仙洞御所」となり、お代替わりに伴うお住まいの交換は、令和となって3年の月日を経て、ようやく全て終了することになる。(2020年の新年用に撮影された天皇ご一家の様子を使用しています。眞子さま当時の画像を含みます)
(フジテレビ社会部・宮内庁担当兼解説委員 宮﨑千歳)
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