台風15号による豪雨で静岡県内市町最多の879世帯の床上浸水被害が確認された静岡市で、水に漬かった家具など災害廃棄物の回収、処理が遅れている。市の仮置き場の設置が事前計画通りに進んでいないことなどが要因。断水が続く同市清水区では、廃棄物が住宅の外に積まれたままの光景が広がっている。
興津川と支流の中河内川の水があふれた同市清水区清地では、車道脇にテーブルやたんす、冷蔵庫などの災害廃棄物の山が連なる。床上浸水の被害を受けた同地区の柴山武友さん(70)は「どうすれば良いか広報はなく、そろそろ回収してほしいと自治会を通じて市に要請している」と話す。
静岡市が3月に改定した市災害廃棄物処理計画では、被災現場からごみを集約して管理する1次仮置き場について、水害の場合は「水が引いた直後から片付けが始まるため2、3日以内の開設に努める」としていたが、28日午前も依然開設に至っていない。
一方、同市に次ぐ242棟の床上浸水が発生した磐田市では26日、被害の大きかった同市豊岡の総合センターに仮置き場を開設しごみの集約を進めている。144棟が床上浸水した焼津市は24日に同市田尻の最終処分場跡地を廃棄物の受け入れ先として開放した。家具や家電、畳などを受け付け、市内に把握できていない廃棄物の集積箇所はないという。
静岡市ごみ減量推進課によると、計画では平時に仮置き場の候補地をリストアップしておくことになっていたが、実際には用地の面積が要件を満たさないなどの不備があり、再選定が必要になったという。同課の担当者は「計画より遅れているのは事実。仮置き場の設置がいつになるかも未定としか言えない」と話した。
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