2023年の米株式相場の好発進が停止したのは、いつ安心して買いを再開できるかという大きな問題がウォール街の大部分を悩ませていることを浮き彫りにしている。
昨年積極的な利上げを進めてS&P500種株価指数の08年以来最大の下落を招いた米金融当局は、インフレ鈍化を受けて引き締めサイクルを早期に終了できるとの確信が市場では一段と高まっている。だが同時に、金利上昇は成長に急ブレーキをかけ経済をリセッション(景気後退)に追い込みかねない。
ネッド・デービス・リサーチのチーフ米国ストラテジスト、エド・クリスソールド氏は、「S&P500種はリセッションが始まる前に底入れしたことはない。だが、米経済が実際に景気下降に入るかどうかはまだ不明だ」と指摘。「ソフトランディング(軟着陸)の可能性がないわけではないことを示す指標もある。こうした流れは投資家にとって米国株のポジションを取ることを難しくさせる」と述べた。ネッド・デービスは米国が23年前半に景気が減速する確率を75%と予測する。
S&P500種は年初から2週連続で上昇していたが、先週は0.7%下落した。ただ20日にはテクノロジー株が上昇したほか、米金融当局者の発言を受けて過度に積極的な政策への懸念が後退し1.9%値上がりした。ナスダック100指数は同日、昨年11月30日以来最大の上げを記録した。
クリスソールド氏は景気が下降に向かう中で投資先を考えるガイドになり得るのは、過去の業種別パフォーマンスだと指摘。景気サイクルの終盤でピークを迎える傾向のある素材や工業セクターは、リセッション前の半年間は通常好調で、生活必需品株やヘルスケア関連株もそうだと述べた。
一方で、金融や不動産、テクノロジー株など金利敏感株は同期間に出遅れがちだという。
問題は昨年の下落が大幅で歴史的比較が利用しにくくなったことだ。実際、昨年の負け組になった金利敏感なテクノロジー株や通信サービス株は今年の値上がり上位に入っており、投資家は弱気相場の下げの最悪期が過ぎたかどうか疑問を持っている。
今後1週間には マイクロソフトやテスラ、IBMなどが決算を発表し、株式相場の方向性をより幅広く形成するものとして投資家は注目しそうだ。26日には米商務省が昨年10-12月(第4四半期)の米国内総生産(GDP)速報値を公表する。
ファンドストラット・グローバル・アドバイザーズのテクニカル戦略責任者、マーク・ニュートン氏は、S&P500種が10月半ばに底入れする公算が大きいと予想。売り込まれたテクノロジー株を完全に償却するのは時期尚早だとも述べ、「今週のテクノロジー企業の決算発表は非常に大きなきっかけになる可能性がある」と指摘した。
原題: Investors Struggle With When to Dive Back Into US Stock Market(抜粋)
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