7月に入り、Jリーグは酷暑との闘いが本格化している。暑いと自然と落ちてくるのが運動量だが、選手たちはそこをどう考えているのだろうか? J1屈指の“走り屋”として知られるFC東京MF松木玖生(20)と横浜F・マリノスMF西村拓真(26)の言葉をもとに、真夏を乗り切るポイントを探った。
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スタミナ自慢たちが、暑い夏に挑む。松木は持ち味のハードワークを貫く。サッカーでは大事な要素となる「走行距離」。6月24日の名古屋戦ではリーグ3位の12・49キロを記録。4月29日の新潟戦では、今季の全試合で7位となる13・43キロを走った。
FC東京は7日、今年初めて35度を超えた。アウェーで浦和と対戦する8日の予想最高気温は33度、湿度約70%。夜間のナイター開催とはいえ、体にまとわりつく暑さとの闘いも本格化する。「連戦になれば、目に見える疲れもかかってくる。いかに疲労を最小限にしてプレーできるかも試合中から考える」と、真夏の戦いを見据える。
プロになった昨季から「いかにうまく歩くか」に着目した。「自分はそこでリセットして、いくぞとスイッチを切り替えたりしている」。わずか数秒間の歩く時間で、次のプレーへの準備を整える。
数秒のうちに体を休ませつつ、頭はフル回転する。「まずはボランチとして自分がボールを奪える場所に立つ、奪ったときに(パスの)第1選択肢を見つけることを考える。相手GKが前に出ていればゴールだし、ディエゴ(オリヴェイラ)が見えたら出すのも手」。最適なポジションをあらかじめ取ることも、やみくもに走っての消耗を防ぐことにつながる。
また「走り過ぎ」に注意し、走行データと向き合うのは西村だ。2月25日の浦和戦で走った14・38キロ、同月17日の川崎フロンターレ戦での13・75キロは全試合の中で上位2傑となっている。そんな中、3月の段階から「無駄な動きが多いと分かった。あえて走らないことも意識している」と話している。
自身の映像を見返し、相手のマークを振り切ろうとする中で「自分が動くことで味方を苦しめるシーンがある」と気づいたという。以降、走行距離は12キロ未満が増えた。「力の使いどころを考える中で強度を上げられるし、走りの質も上がる」。新境地への挑戦は、夏を乗り越えるカギにもなる。
8日のリーグ戦から12日には天皇杯3回戦と、いきなり連戦が待っている。運動量を売りにする選手たちはそれぞれに工夫を重ねつつ、暑い夏を戦い抜く。【岡崎悠利】
◆データ 昨年のW杯カタール大会後に日本代表に選ばれた国内組は豊富な運動量を武器にする選手が多い。今季のJ1試合別走行距離ランキングで1位の横浜FW西村は3月の代表戦に招集され、6月に初選出された京都MF川崎、広島MF川村、浦和MF伊藤もそれぞれ今季の総走行距離でチーム1位。名古屋DF森下はチーム2位、リーグ全体で8位につける。その上で森下がスプリント、川崎がボール奪取力、川村と伊藤がミドルシュートなど、それぞれが持ち味を発揮している。試合別走行距離ランキングで上位の常連、鳥栖MF河原はリーグ最長の計248キロを走破。昨季J2のアシスト王は今季から「個人昇格」し、J1でも持ち味のハードワークで存在感を示している。
■熱く赤いアウェーでも「のまれず」勝つぞ
松木が浦和戦で“完全アウェー”の中での勝ち点3を誓った。当日は約5万人の集客が見込まれ、試合会場である埼玉のスタンドは真っ赤になることも考えられる。「あの独特な雰囲気にのみ込まれることがないような試合の入り方をしないといけない」。暑さが予想される中でも、試合開始からアグレッシブに走る気構えを見せた。
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