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Tuesday, September 5, 2023

【Hothotレビュー】 小型ボディに高速SoC、6軸ジンバルカメラ、OLED搭載のZenfone 10はスマホ界の希少種だ - PC Watch

【Hothotレビュー】 小型ボディに高速SoC、6軸ジンバルカメラ、OLED搭載のZenfone 10はスマホ界の希少種だ - PC Watch

ASUS JAPAN「Zenfone 10」。価格は9万9,800円~13万4,800円

 ASUS JAPANは5.9型Androidスマートフォン「Zenfone 10」を9月8日に発売する。価格は9万9,800円から。本製品はAndroid向け最新・最速のSoC「Snapdragon 8 Gen 2」を採用しつつ、5.9型OLEDを搭載し、幅68.1mm、重量約172gの小型・軽量ボディを実現。大画面スマホが主流の中、ハイパフォーマンスと携帯性を両立した貴重な存在だ。

 今回は従来モデル「Zenfone 9」を一緒に借用したので、スペック、パフォーマンス、カメラなどがどのように進化したのかレビューしていこう。

メモリ、ストレージ、カラーの異なる8モデルを用意

 Zenfone 10は、OSにAndroid 13、SoCにSnapdragon 8 Gen 2を採用。メモリは8GB/16GB、ストレージは128GB/256GB/512GBを搭載している。カラーは全部で5色が用意されており、全部で8モデルがラインナップされている。

【表1】Zenfone 10のラインナップ
容量(メモリ/ストレージ)カラー型番価格
8GB/128GBミッドナイトブラックZF10-BK8S1289万9,800円
8GB/256GBミッドナイトブラックZF10-BK8S25611万2,800円
コメットホワイトZF10-WH8S256
スターリーブルーZF10-BL8S256
エクリプスレッドZF10-RD8S256
オーロラグリーンZF10-GR8S256
16GB/512GBミッドナイトブラックZF10-BK16S51213万4,800円
スターリーブルーZF10-BL16S512

 ディスプレイは5.9型フルHD+(1,080×2,400ドット)OLEDを搭載。背面カメラは5,000万画素広角、1,300万画素超広角、前面カメラは3,200万画素を搭載している。

 無線通信機能は5G(Nano SIM×2)、Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、NFC(FeliCa対応)。残念ながらeSIMへの対応は見送られている。有線インターフェイスはUSB 2.0 Type-C、3.5mmコンボジャックだ。

 本体サイズは約68.1×146.5×9.4mm、重量は約172g。4,300mAhのバッテリを内蔵しており、バッテリ駆動時間はWi-Fi通信時約13.4時間、LTE通信時約13.9時間、5G通信時約12.2時間と謳われている。細かなスペックについては下記表を参照してほしい。

【表2】Zenfone 10のスペック
製品名Zenfone 10
OSAndroid 13(Zen UI)
SoCSnapdragon 8 Gen 2
メモリ8GB/16GB(LPDDR5X)
ストレージ128GB/256GB/512GB(UFS 4.0)
ディスプレイ5.9型フルHD+ OLED
(1,080×2,400ドット、445ppi、20:9、輝度1,100cd/平方m、DCI-P3比112%、HDR10+対応、色精度Delta-E 1未満、リフレッシュレート144Hz、Corning Gorilla Glass Victus)
広角カメラ5,000万画素(ソニー製IMX766センサー、1/1.56インチ、F1.9、35mm換算:23.8mm)、OIS/EIS、6軸ジンバルスタビライザー2.0、アダプティブEIS)
超広角カメラ1,300万画素(1/3.08インチ、F2.2、35mm換算:12.5mm)
前面カメラ3,200万画素(1/3.16インチ、F2.4、35mm換算:29.4mm、画素配列RGBW)
ネットワーク5G(Nano SIM×2)
対応バンド5G:n1/2/3/5/7/8/12/20/28/38/41/77/78
LTE:Band 1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/19/20/26/28/34/38/39/40/41/42
W-CDMA:Band 1/2/4/5/6/8/19
GSM:850/900/1,800/1,900MHz
無線通信機能Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3、NFC(FeliCa対応)
有線インターフェイスUSB 2.0 Type-C、3.5mmコンボジャック
バッテリ容量4,300mAh(ワイヤレス充電対応)
バッテリ駆動時間Wi-Fi通信時約13.4時間
LTE通信時約13.9時間
5G通信時約12.2時間
サイズ約68.1×146.5×9.4mm
重量約172g
防水防塵IP65/IP68
セキュリティ指紋認証、顔認証
カラーミッドナイトブラック、コメットホワイト、スターリーブルー、オーロラグリーン、エクリプスレッド
ボディつや消しアルミ製ミッドフレーム、指紋の付きにくい新素材バックパネル
(ポリカーボネートとポリウレタンを組み合わせ、コメットホワイト/オーロラグリーン/エクリプスレッドはバイオマス由来のポリカーボネート素材を使用)
価格8GB/128GB版:9万9,800円
8GB/256GB版:11万2,800円
16GB/512GB版:13万4,800円

Zenfone 9からZenfone 10の進化点は多岐に渡る

 細かなスペックについては表に記載しているが、主な進化点は下記の通り。厚みは約9.1mmから約9.4mm、重量は約169gから約172gに増加しているが、進化点は多岐に渡っている。特にZenfone 10がワイヤレス充電に対応したのは使い勝手において大きなアップデートだ。

【表】Zenfone 9からZenfone 10への進化点
Zenfone 9Zenfone 10
OSAndroid 12Android 13
SoCSnapdragon 8+ Gen 1Snapdragon 8 Gen 2
メモリLPDDR5LPDDR5X
ストレージ128GB/256GB(UFS 3.1)128GB/256GB/512GB(UFS 4.0)
ディスプレイ120Hz144Hz
超広角カメラ1,200万画素1,300万画素
前面カメラ1,200万画素3,200万画素
Wi-FiWi-Fi 6Wi-Fi 6E
BluetoothVer.5.2Ver.5.3
ワイヤレス充電非対応対応
駆動時間Wi-Fi通信時約13.5時間
LTE通信時約13.3時間
5G通信時約11.5時間
Wi-Fi通信時約13.4時間
LTE通信時約13.9時間
5G通信時約12.2時間
カラー4色5色
ボディ-一部モデルでバイオマス由来のポリカーボネート素材を採用

AnTuTu Benchmark V10の総合スコアは155万9,880を記録

 前述の通り、Zenfone 10はSnapdragon 8 Gen 2、Zenfone 9はSnapdragon 8+ Gen 1を搭載している。今回両機種で定番ベンチマーク4本を実行したところ、Zenfone 10はZenfone 9に対して「AnTuTu Benchmark V10.0.7」の総合スコアで116%相当、「Geekbench 6.1.0」のMulti-Core Scoreで115%相当、GPU OpenCL Scoreで148%相当、GPU Vulkan Scoreで120%相当、3DMarkのWild Life Extremeで135%相当、AI Benchmarkで117%相当のスコアを記録している。

 Snapdragon 8 Gen 2はSnapdragon 8+ Gen 1に対して、CPU性能が35%、GPU性能が25%向上、AI性能が最大4.35倍に向上していると謳われている。CPU性能はQualcommの公表値に届いていないが、GPU性能はトータルで120~148%相当のスコアを記録している。処理性能は着実に向上していると言えよう。

 バッテリ駆動時間については、ディスプレイ輝度50%、ボリューム40%でYouTube動画を4時間再生したところ、バッテリ残量は76%となった。つまり単純計算で、バッテリ残量0%までは16時間40分動作することになる。

 本体の発熱については、4K/30fpsの動画を直射日光下(気温30℃)で5分間撮影し続けたところ、Zenfone 10の背面の最大温度は52.3℃、Zenfone 9の背面の最大温度は52.7℃となった。しかし、そのままテストを続けてみたところ、Zenfone 10は8分間で録画が停止したが、Zenfone 9は10分をすぎても録画が継続していた。

 とは言え、Zenfone 10は「クーリングダウン」という警告を表示したものの、動画ファイルは正常に保存されている。本体の発熱量についてはサーモグラフィーカメラの誤差とも考えられるが、Zenfone 10は正常に動画ファイルを保存するために録画停止のしきい値を低く設定している可能性がある。

Zenfone 10で4K、30fpsの動画を5分間撮影した際の背面の最大温度は52.3℃(気温30℃で実施)
Zenfone 9で4K、30fpsの動画を5分間撮影した際の背面の最大温度は52.7℃(気温30℃で実施)
Zenfone 10は8分時点で「クーリングダウン」という警告が表示されて動画撮影が中断したが、動画ファイルは正常に保存された
Zenfone 9は「デバイスが熱くなっています。」という警告は表示されたが、10分を過ぎても動画撮影は継続した

Zenfone 10は前面カメラの画質が大きく改善、動画の手ぶれ補正効果も強力に

 カメラ画質については、広角、超広角カメラについては、Zenfone 9のほうが鮮やかな発色で撮影され、Zenfone 10のほうが実際の色に忠実だと感じた。また広角カメラによる8倍デジタルズームは、Zenfone 10のほうが明らかに解像感は高かった。

 前面カメラは1,200万画素から3,200万画素に画素数が向上している。記録解像度はZenfone 9の4,032×3,024ドットに対して、Zenfone 10は3,264×2,448ドットと低いが、解像感はZenfone 10のほうが上。またホワイトバランスもZenfone 10のほうが正確だった。

 両機種はメインカメラに6軸ジンバルモジュールが搭載されており、動画撮影時に手ぶれ補正効果を得られるが、同じ「HyperSteady」に設定していても、Zenfone 10のほうがより強力に手ぶれを低減している。

 Zenfone 10は手ぶれ補正機能について「6軸ジンバルスタビライザー2.0」と機能名をアップデートしている。また、Zenfone 10は端末の揺れの状態をリアルタイムに検知して最適な画角に自動調整する「Adaptive EIS」という新機能を搭載している。実際に撮影した動画からも、手ぶれ補正効果が強化されていることは間違いなさそうだ。

動画撮影時の手ぶれ補正の比較

小型ボディに高速SoC、6軸ジンバルカメラ、高品質OLEDを積んだ貴重な1台

 Zenfone 10は前モデルで好評を博した、コンパクトなフラグシップというコンセプトをそのままに、最新最速のSoC、ストレージの増量、リフレッシュレートの向上、超広角カメラと前面カメラの高画素化、ワイヤレス充電への対応など、多岐に渡り着実な進化を遂げている。厚みは約9.1mmから約9.4mm、重量は約169gから約172gに増加しているが、実際に使っていて体感できるほどの差ではない。ただし、従来モデルのケースは使えなくなっているので注意してほしい。

 昨今のスマートフォンはすっかり大画面モデルが主流となっているが、一部の小型モデルはミドルレンジクラスのSoCが搭載されているためパワーに物足りなさを感じる。小型ボディに高速SoC、6軸ジンバルカメラ、高品質OLEDを積んだZenfone 10は、スマホ界の希少種と言える。

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2023-09-06 02:00:00Z
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