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Wednesday, December 6, 2023

東海道新幹線が大雨で運転をやめる「4つの基準」 - 東洋経済オンライン

乗客であふれる新大阪駅の新幹線中央口

今年8月に台風が直撃、運転見合わせでごった返す新大阪駅(写真:時事)

コロナ禍収束で、人々の移動が復活し、新幹線需要も回復の一途をたどっている。ビジネスやレジャー・観光需要を増加を受けて、輸送量はコロナ禍前のピークである2018年度から、およそ9割の水準まで回復した。

『週刊東洋経済』12月9日号の特集は「無敵の新幹線」ビジネスパーソンの移動にはなくてはならない新幹線の「強さ」やサービス、技術力、そして北陸や北海道、九州など地方新幹線の現地ルポ、さらにはリニア中央新幹線の最新事情など、新幹線の「今」についてリポートする。
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東海道新幹線にとって、今年は大雨にたたられた年といえる。とくにお盆休みの8月15日から17日にかけては、台風7号に伴う大雨とその後の新大阪駅における列車の滞留などによって、東海道・山陽新幹線で計画運休や運転見合わせが生じた。「新幹線は雨に弱い」と感じた人も少なくなかったはず。

ただ東海道新幹線は、極端に雨に弱いというわけではない。1990年以降、自然災害に伴う構造物の損壊による運休は、実は一度も起きていないのだ。

1964年開業の際には当時主流だった、路盤にバラスト(砕石)を敷き詰めて枕木でレールを支える、「バラスト軌道」が採用された。以後に建設されたほかの新幹線はコンクリート板を設置する「スラブ軌道」である。東海道新幹線の場合、全線515キロメートルの土木構造物のうち、高架橋などを除く50%超を、土を盛った「盛り土」と山の斜面を切り取った「切り取り」が占める。残りは高架橋・橋梁やトンネルなどだ。

盛り土をコンクリートや水抜きで強化してきた

バラスト軌道は、騒音や振動が小さくて乗り心地がいい反面、自然災害によって壊れやすい。そこで東海道新幹線では、開通直後の1964年から1974年まで、盛り土の強化に着手。まず約10年間を費やして300キロメートルにわたり、盛り土をコンクリート格子で覆う「プレキャスト格子枠工」を施した。

続いて1974年から1994年までは90キロメートルにわたって、盛り土に水を入りにくくする「場所打ち格子枠工」、1990年から1994年までは盛り土の中の水分を抜く「排水パイプ工」、さらに2000年から2003年までは「張りコンクリート工」を、それぞれ実施してきたのである。

1991年からは切り取りの強化にも乗り出す。「のり面工」や「トンネル坑口土砂止め工」、「土砂止め工」などに、2013年まで取り組んできた。

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