卵子凍結の話題で、自分の妊娠・出産についてどうしたいか、再確認した人も少なくなかった。photo/iStock
2023.12.13
注目される「卵子凍結」で見えてきた女性たちの「自分はいつ産むか」の本音と現実
卵子凍結の実際と未来 後編
少し前、タレントの指原莉乃さんのX(旧Twitter)でのポストがトレンドに入るなど「卵子凍結」に注目を集めた。東京都の卵子凍結への補助についても、説明会には5000人超が応募し、来年以降も希望者は増加していくと予想されている。
指原さんのポストには、卵子凍結について声を挙げること自体タブー視されているような状況を打破するような意味もあった。指原さんがどんな経緯や思いで、卵子凍結を選択し、コメントをあげたのかその経緯がわからないが、「産む・産まない」の妊娠や出産をする選択は、人それぞれ選ぶ権利があり、それは不妊治療や卵子凍結に対しても同じだ。
しかし、「卵子凍結」という言葉だけがブームメントになってしまい、「なんとなくよさそう」「みんながやっているから」と選択するものでもない。選択する前に、卵子凍結のメリット・デメリットを全部テーブルに並べて、自分にとって必要なものなのか考えてみることも必要だ。
前編では「将来、子どもが欲しいけれど、今は無理」という女性にとっての希望となっている卵子凍結の現実について、丸の内の森レディースクリニック院長を務める産婦人科医の宋美玄医師について話を伺った。後編では、卵子凍結のメリットのほか、取材で集まった「今は無理(産めない)」という女性たちの心情について考えてみたい。
卵子凍結のメリットとは
前編では、卵子凍結のデメリットや凍結した卵子を使って実際に妊娠する人の少なさについて解説してきたが、卵子凍結にはもちろんメリットもたくさんある。
指原さんのX投稿に関するニュース記事に対する声の中で多かったのは、今現在、不妊に悩む30代後半以降の女性たちの切実な思いだ。
「彼女の決断は正しい。今、不妊治療中でなかなか結果が出ず悩む私が、若いころこの方法を知っていたら、そしてそれを実行していたら、と思うと悔やんでも悔やみきれません」
「妊娠の可能性を1%でも上げたい今、今の自分より10歳、いや5歳でも若い卵子は喉から手が出るくらい欲しいものです」
たしかに若い年齢の卵子は、妊娠の確率が格段に上がる。世界的には成人人口の約17.5%、世界の約6人に1人が不妊を経験しているとされる(WHO/2023年4月)今、若いうちに卵子を採取して凍結しておくというのは、将来不妊に悩んだ時の一縷の望みとなるかもしれない。
アラサー世代では、卵子凍結を肯定する意見も多い。
「将来、子どもが欲しくて婚活中ですが、なかなかいい出会いがありません。早く結婚したいというよりも、今は『せっかく結婚しても子どもができなかったら意味がない』と焦る気持ちが大きい。婚活と同時に卵子凍結もしておけば、少しはこの不安感や焦りも薄れるかもしれない。昔みたいに『みんなが結婚して、子どもを産んで当たり前』な時代じゃなくなったからこそ、普通に結婚して子どもを持ちたい若い女性が卵子凍結を考えてしまうんじゃないかな」
「今、妊娠して出産となると、いままでがむしゃらにがんばって築いてきたキャリアは確実に終わる。出産後に復帰したところで、うちの社は主流の部門から外されてしまう。そう思うとどうしても妊娠に踏み切れないから卵子凍結、すごく気になる。夫は『楽な部署に異動して、時短でゆるーく働けばいいじゃん』とかいうけど、そういう問題じゃないんだよね。職業人の私のプライドってやつ?」
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