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Friday, December 22, 2023

一畑バス4路線廃止問題 「どうやって学校行けば」中学生、進路選択に不安 行政対策も不明 - 山陰中央新報社

通勤、通学のために一畑バスの「マリンプラザ線」に乗り込む乗客=松江市島根町加賀、マリンプラザ前バス停

通勤、通学のために一畑バスの「マリンプラザ線」に乗り込む乗客=松江市島根町加賀、マリンプラザ前バス停

 島根県立高校生で、運転手不足で路線廃止方針が示された一畑バスの4路線を利用する生徒が71人に上ることが22日、分かった。松江市街地と同市島根町、同市鹿島町を結ぶ2路線の利用者が7割を占めた。方針公表から1カ月、具体的な代替策はいまだになく、中学3年生は年明けに進路決定が迫る。路線を利用する生徒の保護者は不安と危機感を募らせており、行政に早急な対応を求める。

 県教育委員会学校企画課によると、松江市の県立高校6校(松江北、松江南、松江東、松江商、松江工、松江農林)、安来市の情報科学、雲南市の大東に通う生徒の一部が廃止予定の路線で通学している。

 路線別は「マリンプラザ線」(松江市中心部ー同市島根町、平日24便)30人、「御津線」(松江市中心部ー同市鹿島町、同17便)22人、「大東線」(松江市中心部ー雲南市大東町、同14便)13人、「荒島線」(松江市中心部ー安来市荒島町、同8便)6人。松江市立、市内の私立4校にも影響する生徒がいるとみられる。

 最も影響が大きい「マリンプラザ線」の利用者家族は困惑する。同市島根町多古の漁業小川文賀(ふみか)さん(46)は、夫とともに島根町内で働いている。10キロ以上離れている松江商に通う四男の送迎が難しく、四男はマリンプラザ線で松江駅に向かい、駅と学校間は自転車を利用している。

 廃線方針が示され、義母(69)による送迎を考えたが、義母への負担を考慮して断念した。生活を大きく変える引っ越しも難しいとの結論に至った。現時点で代替手段は見つからず、行政側の対策も不明で「どうやってうちの子は学校に行けばよいのか分からない」と肩を落とす。

 松江市島根町加賀の看護師小川麻里さん(42)は高校1年の長女、中学2年の長男、同1年の次男を育てる。比較的近い松江市橋北地区で働いているため、同じ橋北地区の高校に通う長女は車で送迎する。

 ただ、中学生の長男、次男が将来、橋南地区の高校に通えば送迎が難しくなるだけに「不安なく、本人が望む学校に行かせたい」と強く願う。

 市営バスの運行や島根町を走るコミュニティーバスの区間延長など、早急な代替手段を求め「市街地から遠い場所だからこそ公共交通が必要なのに、路線が切り捨てられるのが悔しい。行政には早く対応してほしい」と訴えた。

 このほか、間もなく高校受験を控える中学3年生も少なからずいる。通学手段が見通せなければ、進路選択に影響を及ぼすが、代替策は示されていない。
(黒崎真依、井上雅子)
 

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