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Sunday, January 28, 2024

〈社説〉「性加害」問題 吉本興業は調査し説明を|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト - 信濃毎日新聞デジタル

〈社説〉「性加害」問題 吉本興業は調査し説明を|信濃毎日新聞デジタル 信州・長野県のニュースサイト - 信濃毎日新聞デジタル

 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんが女性に性的行為を強要したとする「週刊文春」の報道を巡り所属先の吉本興業が、当事者を含む関係者に聞き取り調査し、事実確認を進めていると公式サイトで発表した。

 会社として「真摯(しんし)に対応すべき問題」と認識し、社員やタレントにハラスメントへの意識を高める研修も実施するとしている。

 週刊文春は松本さんらが2015年、都内のホテルで複数の女性に性的行為を強要したなどと報じた。松本さんは文春側の取材に対し、性加害を否定した。

 吉本興業は当初「当該事実は一切ない」と抗議し、法的措置を視野に徹底抗戦の構えだった。

 その後外部の弁護士を交えたガバナンス委員会で、出席者から「何らかの形で会社としての説明責任を果たす必要がある」「『当該事実は一切なく』との会社コメントが世間の誤解を招いた」などの指摘が出たという。

 松本さんは芸能活動を休止し、発行元の文芸春秋などに対し損害賠償と記事の訂正を求めて提訴している。吉本興業は原告に加わっていない。中立の立場で調査を尽くし、企業として説明責任を果たしてもらいたい。

 見過ごせないのは一連の報道で、松本さんに対し後輩タレントが自身の「立身出世」のために女性を集めて飲み会を設定していたと指摘されている点だ。松本さんは芸人のカリスマとされ、レギュラー番組も多数抱えていた。事実であるとすれば、私的な場とはいえ、仕事上の権力関係の下で性加害が起きていた可能性がある。

 旧ジャニーズ事務所の性加害問題をはじめ、芸能界で性暴力やハラスメントの告発が後を絶たない。その多くは背景に優越的な関係性がある点に注意が要る。

 企業は事業展開の全てにおいて人権侵害の有無を検証し、予防や改善策を講じる―。「ビジネスと人権」の考え方は国際的な潮流であり、企業活動の基本となる。

 まして吉本興業は近年、政府や官公庁との結びつきを強めている。例えば官民ファンド「クールジャパン機構」は、同社の関わる事業に多額の出資をしている。19年に同社がNTTと共同で教育関連の新会社を設立した際は、最大100億円の拠出を決めた。

 ダウンタウンは25年の大阪・関西万博の「アンバサダー」だ。

 巨額の公費が投入され、教育分野にも参入している。吉本興業が人権尊重を徹底し、所属タレントを厳しく律するのは当然である。

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2024-01-29 00:31:00Z
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