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Friday, July 10, 2020

「いつ刺されてもおかしくない」 10万円給付の現場疲弊、恫喝する住民も - 東京新聞

申請書の内容を確認し、手続きを進める東京都練馬区職員=同区提供

申請書の内容を確認し、手続きを進める東京都練馬区職員=同区提供

 関東で47%にしか届いていないことが明らかになった新型コロナウイルス対策の10万円給付を巡り、SNSでは「一体いつになったらもらえるのだろう」と落胆が広がっている。後れを取っている自治体は職員を増員して追い込みをかけるが、いら立つ住民から「早くしろ」とどう喝されるケースもあり、給付作業の現場は疲弊している。 (加藤健太、三輪喜人)

 安倍晋三首相は「5月中にできるだけ早く」と明言していた。しかし、関東34市区では5月末時点で全体の2.7%しか支給されていなかったことが、本紙の調査で判明している。さらに1カ月が過ぎたが、給付金を手にした人は半分に満たない。

 2歳の子どもがいる東京都世田谷区の主婦(33)は申請書が届いた6月初旬にすぐに申請。通帳を記帳する度に確認しているが、今も給付の記録はなく「まだか…」とため息をつく。「正しく申請できているか不安になってきた。不要欄にチェックしてしまっていないか」とこぼす。

 10万円給付は国の施策だが、煩雑な給付事務は自治体が担う。人口規模が同じでも、それぞれ人員などの体制が違うため、給付率に差が出始めている。後れを取っている自治体からは「対象世帯数が多いので給付率で比べられるとつらい」と本音が漏れる。

 品川区は郵送申請した人への支給を5月29日に早々とスタート。他区も驚く「24時間体制」を敷き、職員50人がローテーションで申請書の確認やデータ入力などを進めてきた。しかし、6月末時点で支給できたのは全体の32%にあたる約7万4000世帯にとどまる。

 区は返送されてきた申請書に不備がなければ、金融機関に入金を依頼する。ただ、金融機関側にも処理能力に限度があるため、それを踏まえると1週間で2万世帯に届けるのが精いっぱい。そんな中、10万世帯から一斉に申請があり、さばききれずにいるうちに申請書が積み重なっていった。

 「作業ペースは想定通りだが、待っている区民がいるので早いに越したことはない」と担当課の寺嶋清課長。金融機関が処理能力の上限を広げたことを受けて、区も20人増員し、1週間で3万5000世帯以上に届けられるようになった。

 給付率が11%と出遅れた千葉市は封筒の開封に手間取った。最初の1週間で全体の7割にあたる約30万通の申請書が一斉に郵送で届き、50人がかりでも1日2万通を開けるのがやっと。田中秀和課長補佐は「最初にここまで届くとは…」。山のような開封作業を乗り越え、7日時点で28%まで伸ばした。

 給付事務の現場では、いら立つ住民からは心無い言葉も飛ぶ。ある区の窓口では「早く振り込まないと殺すぞ」と迫る区民もいたという。対応した職員は「給付金の担当になってから『いつ刺されてもおかしくない』と思った」と明かすが、家賃や事業費の当てにしてた10万円を求めて切羽詰まって窓口に駆け込む人の姿も見てきた。「すぐに必要としている人もいる。1日でも早く届けたい」と気を引き締めた。

 本紙の調査では、34市区のほぼ全ての自治体が、6月末時点で申請書が届いている人には遅くとも7月末までに支給できると回答した。

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