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Wednesday, July 6, 2022

文字を書く練習いつから、どうやって?|ベネッセ教育情報サイト - Benesse 教育情報サイト

就学前に、お子さまに文字を書く練習をさせたいとお考えになっているおうちのかたは多いのではないでしょうか。いつから、どのように教えればよいのでしょう。
文字を教え始めるタイミングや教え方について考えてみたいと思います。

(赤ペン先生 吉田)

この記事のポイント

①初めて文字を書く子どもの気持ち

この記事を書くにあたって、私が初めてひらがなを教えてもらった時の記憶を呼び起こしてみました。私の子どものころと今とでは、時代も大きく違いますが、初めて文字を教えてもらった時の気持ちは、お子さまに文字を教える時の何かしらのヒントになるのではないかと考えました。

私は、祖母にひらがなを教えてもらいました。おそらく、4、5歳のころだったと思います。どういった経緯で教えてもらうことになったのかはわかりませんが、祖母のひざの上に乗り、喜々として教えてもらったことは、今でも鮮明に覚えています。

最初は、自分の名前から教えてもらったと思います。次に「し」とか「く」などの簡単な文字を教えてもらいました。それは、すぐに書けたので、「簡単だ! すぐ覚えられる!」と意気揚々とした記憶があります。簡単な字は調子よく覚えられましたが、「あ、ね、ふ、む、め」などは特に難しく、形がどうなっているのかさっぱりわからず、苦戦しました。

何より嫌だったのは、祖母のようなきれいな形に書けないことでした。変な形にしか書けないのが嫌で、たぶんその時は、書きたくなくなったように思います。でも、祖母が私の手を握って一緒に書いてくれたり、祖母の書いた字をなぞって書いたりすると、きれいに書けたので、それはとてもうれしいことでした。

今思えば、字を書いているというより、絵を描いている感覚に近かったのかもしれません。
その後、どのようにして、全部ひらがなを書けるようになったかは、記憶に残っていませんが、なかなか正しく書けない字があったことは覚えています。

②子どもが文字に興味を持った時がチャンス!

私がひらがなを教えてもらった時も、嫌々ではなく、「うれしい」「楽しい」という記憶が残っているので、文字を教えるタイミングは、子どもが文字に興味を持った時と言ってまちがいないでしょう。それには、個人差があると思いますので、決して焦らない、人と比べないことです。お子さまに覚えたいという気持ちがないのに、無理強いすると、文字そのものや読み書きが嫌いになってしまう可能性があります。お子さま自身が興味を持った時に、遊び感覚で楽しく覚えられるようにするのが一番です。

我が家の上の子は、文字になかなか興味を示さず、小学校に入る時に自分の名前が書ける程度でした。下の子は、幼稚園で、字が書けるお友達から教えてもらいました。あやふやだった字は、小学校1年生でひらがなを習った時に覚えたようです。ご安心ください。どんなに遅くても、小学校1年生でちゃんと書けるようになります。

③お子さまの興味に合わせて、自分の名前・簡単な字・なぞり書きから

教える時は、お子さまが興味を持っていることに結びつけるのがおすすめです。まずは、自分の名前からですよね。自分の名前が書けたら、「かっこいい!」「すごい!」とべた褒めしましょう。

名前の次は、形が単純な字から始めるのがよいですが、お子さまの好きなものに含まれた文字を優先して教えるのもよいと思います。たとえば、電車が好きなお子さまでしたら、「ひかり」などのように、電車の名前と結びつけて、単語として教えると、書く意欲も増し、喜んで書こうとするのではないでしょうか。

我が家の下の子は、なぞり書きが楽しくて、何度も何度も書いたと言っていました。理由は、きれいに書けるからです。先述しましたが、私も、自分が書いた字の形が変なのがとても嫌だったので、きれいに書けるなぞり書きは好きでした。子どもの性格にもよりますが、なぞり書きも有効な手段だと思います。

文字を教え始めると、親としては、次も次もと、つい欲張ってしまったり、きちんとしっかり覚えさせたいという気持ちが強いあまり、注意が多くなってしまったりすることもあるかもしれませんが、一度に欲張らず、子どものペースに合わせることが大事です。
また、鏡文字を書く、書き順がまちがっている、なかなか覚えられない、など気になることがあったとしても、細かいことにはとらわれず、まずは、のびのびと、「書く楽しさ」を味わえるようにすることが大切だと思います。

子どもにしてみれば、正しく書けていないことは、それほど気にならないことなのです。でも、正しく書けていないという自覚は、きっとどこかにあるはずです。そこに、意識がいくようになれば、必ず書けるようになります。私もそうでした。長い目で見てあげましょう。

文字を教えたいけれど、なかなかうまくいかない場合は、ゲーム感覚、遊び感覚で楽しく取り組めるような教材を利用するのも一つの方法です。ベネッセの「こどもちゃれんじ すてっぷ」(年中さん(4歳・5歳)向け通信教育 こどもちゃれんじすてっぷ|ベネッセコーポレーション|しまじろう (shimajiro.co.jp))でも文字に取り組んでいますので、参考にしていただけたらと思います。

まとめ & 実践 TIPS

就学前に読み書きができると、おうちのかたとしては、安心ですし、幼児期から、文字をコミュニケーションのツールにできることは、この先の言語能力の発達にもつながるすばらしいことだと思います。

ただ、その一方で、文字を認識しない世界にいられるのは、長い人生のうち、生まれてからほんの数年です。それもまた、貴重な《時》ではないでしょうか。文字に縛られないからこそ発達する感性や感覚もあると思います。私は、この時期に、五感のみならず、第六感なるものも養えるのではないかという期待を密かに持っています。

文字のある世界と、文字に限定されない世界の両方の価値を知りつつ、急ぎすぎず、お子さまのペースで、文字のある世界へ誘っていくことが、お子さまのことをいちばんよく知っているおうちのかただからこそできることだと思います。 

吉田かさね

吉田かさね

「赤ペン先生」歴26年。3年生担当
高校生の時、「進研ゼミ」を受講していて、「赤ペン先生」の文字の美しさ、丁寧さ、優しさにふれ、自分もこんなふうにできたらよいなと思い、「赤ペン」の道へ。日々「『赤ペン』って楽しい!」「次もがんばろう!」と思えるような声かけ・指導を心がけている。
また、続けることで、力がついたと実感でき、自信を持ってもらえることが一番の励み。
趣味:読書・舞台鑑賞
自己紹介:ケセラセラ(なるようになる!)
1男1女の母。

プロフィール

赤ペン先生

赤ペン先生は「進研ゼミ」の選考に合格し、ゼミ独自の研修・教育を通じて、教科の学習内容やお子さまの力を伸ばす指導法などを学んだ人です。 お子さま一人ひとりの解答状況や学習の到達度に合わせて、丁寧に添削・指導いたします。 ※「赤ペン先生」は(株)ベネッセコーポレーションの登録商標です。

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